2008年08月08日

エコ? エゴ?

残暑お見舞い申し上げます。
昨日、立秋を迎えたものの、まだまだ暑い日が続きますね。 その上、近頃は局所的豪雨も・・・。


さて、立秋の昨日、産経新聞の電子版に「これってエコなの?」という記事が。 この記事では「打ち水でヒートアイランドに歯止めを」というイベントについて疑問を投げかけているのですが、7月22日に豊島区の巣鴨地蔵通りでの打ち水イベントで元環境大臣のオバサンが浴衣姿でにっこり笑っている画像付きでした。 モチロン、豊島区は氏の選挙区(東京10区)なので、来たるべく総選挙に向けた選挙活動の一環なのだろう(笑)。 


閑話休題

しかして、この記事でも疑問を呈しているように「打ち水」が本当に環境に良いのか? 確かに、水を撒くことによって一時的に気温は下がるだろう。 が、現在の東京のように、コンクリートとアスファルトに覆われた都市ではあまり意味が無いように思われる。 そもそも、打ち水は、江戸(江戸期)では行われていたようだ。 江戸の町は究極のエコ社会。 リサイクルが徹底されゴミは出ない、そして、リユースなどは当たり前の社会であった。 本当に無駄の無い都市であったと聞く。

そんな江戸の、特に町人の住宅事情はそのほどんどが長屋と呼ばれる借家であるが、その造りは「夏に涼をとる」ことが最優先に作られたと聞く(確か、故杉浦日向子氏だったと思うが)。 つまり、風通しが良いことが絶対条件なのだ。 時代劇などが好きな人は良くご存知と思いますが、長屋の造りは、表戸があり、すぐ横の炊事場に窓(?)がある。 そして決まって裏手にも障子戸(雨戸)がある。

話が跳ぶようだが、かつて小学生の高学年くらいで習った思うのだが、日中は地表が温められ上昇気流が発生することで海からの風が吹き、夜は海水温が下がらないために逆に山から風が吹く。 江戸城と寺院仏閣以外高い建物の無い時代だ。 各家の風通しはさぞ良かったに違いない。 ところが、この自然の風は朝方、夕方はあまり吹かない。 海水温と地表温とが均衡するからだ。

そこで、登場するのが打ち水だ。 表に水を撒くことで水が蒸発する気化熱で気温が下がる。 ところが家の裏手の気温は高いままであるから、家の表と裏で気温差が生じる。 この気温差で家の中を通る風が生じるのだ。 しかも、舗装なんかされていないから、土に含まれた水もジワジワと蒸発することにより持続性があろう。 「打ち水」はいわば当時の時勢に合った知恵なのだと思う。 (余談だが、長屋は冬には物凄く寒かったらしい・笑)

その知恵の根源を理解せず、単に水撒き行為だけを現代の東京に持って来てきてエコを気取るのは、単なる自己満足、人間のエゴそのものではないのだろうか。 打ち水イベントをしたところで、涼しくなった空気を室内に取り込むことも無く、またイベント終了後にエアコンの効いた喫茶店やデパートに行く姿などを見るにつけ、残念ながらそう思えてならない。


東京都は「環境確保条例」を改正し、一定規模以上の事業者(企業など)に温室効果ガス総排出量の削減を義務づけていると聞いているが、賃貸している高層ビル側の事業者に排出量の削減義務を負わせても、店子の事業者が規制対象ではないから相当の無理がある。 そもそも、現在の東京は、今や大都市そのものが抱える地球環境に対する構造的な欠陥を有しているのではないかと思っている。 まあ、そもそも人口の集中しすぎが根本的な問題だとも言えますが・・・。

打ち水くらいでヒートアイランドに歯止めがかかろうはずもなく、湾岸にタワービル(高層マンション)が立ち並び海風の力を弱め、都心、副都心などの高層ビル・タワービル群の排出する廃熱(エアコン等)、建物のコンクリート自体の蓄熱・・・これらを熱源とする高温化した空気が都内で上昇気流を発生させる。 本来なら、埼玉、群馬まで吹き抜け、山沿いで雨が降るはずの水蒸気を含んだ海風が、都内で発生した上昇気流と伴に積乱雲を発達させ、局所的な大雨を降らせる。 足立区、葛飾区、江戸川区、墨田区、江東区などにわたって存在する「海抜ゼロメートル地帯(0m以下もあるとか)」。 地下に縦横無尽と言って良いくらい張り巡らされた地下街、地下鉄。 局所的豪雨で対応を誤れば、真っ先に被害に遭う。


都市開発が進めば進むほど、結果として大都市固有の水害などの都市災害の発生に拍車を掛けているような気がする。 つまり、便利に、かつ、暮らしやすくなる程、陰に潜む災害は肥え太り、被災の可能性が高くなっていると言えまいか? これはもはや、天災による被災の大部分については都市開発による人災なのだ。 人間自身が持つエゴによる・・・。

真実は小説より奇なり(マーク・トウェイン)、なのかもしれない。
posted by 少彦梛 at 20:13| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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