2008年09月13日

政府輸入米

現在、基準を超える残留農薬やカビの発生といった食品に適さない「事故米」といわれる汚染されたコメが、食品加工用米に転用され流通したことが大問題になっている。 残留農薬は日本では禁止されているメタミドホスであり、つまり事故米のほとんどは輸入米と考えられる。 時事通信社の電子版『事故米』によると、この5年半の間に約7400トンの事故米が政府から業者に販売されたという。 仮に事故米全てが輸入米とすると、単純計算で輸入米の約0.2%が事故米だったことになる。

しかしながら、元々買い手の付かない事故米であるから、実はメタミドホスなどで汚染されたまま政府として保有している事故米の量は、輸入米の1%未満程度といった規模では済まないのではないか? 野田消費者行政担当大臣は「万が一入ってきたら廃棄をしなければならない」と記者会見で述べたが、実際には事故米の量が多すぎて農水省も廃棄しきれない可能性がある。 大量に廃棄すれば、更に農水省の責任が問われるのは目に見えているから・・・。

本来なら輸入の時点で汚染と判明すれば、輸入米を日本に売った商社などに突っ返すのが筋なのではないか。 第一、汚染米は食品衛生法により「食品」として輸入できない。 ちなみに、糊などの工業用原料としての国内でのコメの需要は皆無といって良い。
政府は、輸入米を「食品」として購入しているのか?
それとも「工業用原料」として購入してるのか。


政府はコメ輸入に際して、根本的なところから間違いを犯しているのではないかと思う。 一般企業が食品として輸入できない汚染米でも「政府」は輸入できる。 そもそもその処が私には納得できない。 推察するに、政府は「商品」として輸入米を購入しているのではない。 だから輸入米の扱いがぞんざいとなり、今回のような事件が起きるのだ。 実はここが一番国民にとっての背信行為だと思うのだが、報道各社がその点を追求しないのは何故なのか。 報道は、事故米売却企業へ96回も立ち入り検査をしても農水省が事故米の食品転用が見抜けなかった、ということに矮小化されている。 一番の悪は事故米を食品転用した企業であるのは確かだが、私は報道各社の姿勢にも納得できない。


そもそも、政府が国外からコメを買い付けているのは、GATT(ガット)のウルグアイ・ラウンド農業協定のミニマム・アクセスに基づくものとされている。 政府はこれを「コメの輸入義務」のように喧伝し、年間75万トンを超える輸入米を購入している。 しかし、ミニマム・アクセス米は「輸入したい人にはその機会を提供せよ」という意味のもの( '99年の政府答弁概要)。 関税について、輸入量が前年の日本国内の米の消費量の8%までは低率の1次税率、それを超える輸入分は高率の2次税率となっている(関税割当制度参照)だけだ。 日本として、コメの輸入義務があるわけでない。

現在に適用するのは妥当ではないかも知れないが、農水省の資料によれば '00での換算では1次税率は400%強、2次税率が約500%弱に見て取れる(1次税率分は政府が購入・291円/kg以内、2次税率分は341円/kgなので正確な関税率は不明)。

政府による今年度第1回目の輸入米は、玄米1トン当たり約10万円で購入したと聞く。 日本の米の政府買い入れ価格は、米の等級にもよるが玄米1トン当たり約23〜5万円くらいだろう。 素人の単純計算なので正確性に欠けるし、また、現在は穀物市場が高騰しているので一概に言えないが、200円/kgの関税(20万円/トン)をかければ、国産米も充分輸入米に価格でも対抗できるのではないだろうか。 もちろん、現在政府が購入してるのは恐らくジャポニカ米では無いと思われるので、「輸入機会提供」による米国産こしひかり等の輸入米との競争の考慮も必要ではあるが・・・。

安全保障としての食糧自給率の向上など、農政として考えねばならぬことは確かにある。 しかし、そろそろ政府による輸入米の購入は止め、新しい農業政策に転換することが必要ではないか。 今回の事故米の食品転用事件の報道を見るにつけ、私はそう思えてならない。 
posted by 少彦梛 at 15:51| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

仏作って・・・魂入るか

読売新聞の電子版、『殺処分を半減へ』によると、環境省が「飼い主が飼えなくなって行政が引取った犬猫の殺処分を9年間かけて半減するため、来年度から '17年までに90ヶ所の施設整備に予算をつける」そうだ。 今までも自治体へワクチン接種代などの補助をしてきたそうだが「抜本対策にはハード面の整備が欠かせないと判断」したそうだ。

施策としては支持するが、心配なのが「環境省がどこまで本気なのか」だ。 これまでも行政の「ハコモノを造ってヨシとする例」は沢山ある。 今回の収容施設整備、所謂ハコモノ建設もその一例に加わるだけにならないように願いたいものだ。 実際、殺処分を半減するためには新しい飼い主が見つかるまで、棄てられた犬猫を税金で養っていかねばならない。 問題はこの負担をどこに求めるかだ。 先月、当ブログでも「ペットたちの安寧の時代は来るか」の記事で取り上げたが、ニンゲンの身勝手な都合で遺棄され犠牲になるペットは後を絶たない。 その上、犬猫を商売道具としか見ていない輩も多い・・・。 そんな無責任な輩の尻拭いのために税金を投入するのに異論がある人も多かろう。 そういう意味では、犬猫などを商売に利用する事業者から特別税や保証金を徴収するなり、また、動物愛護法を強化し違反者の取り締まり強化(現在は、例えば動物遺棄も現行犯でなければ摘発は困難)・罰則の厳格適用など遺棄させない取り組み・・・愛護動物保護を持続可能とする仕組みも含めて取組むべきではないか。 個人的にはそう思う。

施設といったハードの整備も確かに必要だが、本来の目的を達成するには、それらを維持したり継続して正しく運用していくといったソフトの面が何よりも重要なのだ。
posted by 少彦梛 at 10:32| Comment(0) | ペット | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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