2009年02月23日

偽装立国「ニッポン」(その3)

もう、小泉元首相ではないが「笑っちゃうくらい」な話である。 今日、23日の19時からの某公共放送のニュースを見ていたが、2038年の年金支給が現役収入比で50.1%だとの報道である。 聞いて驚く無かれ、現役世代の平均手取額が2009年は月額35万円強なのに2038年には月額71万円強だというのだ(爆)。 順調に経済成長をするという仮定の下だという。

約30年で35万が71万になるには、毎年2.5%手取額が増える必要があるが、労使折半の厚生年金掛け金や健康保険掛け金、所得税などを考えると、感覚的ではあるが企業側は毎年人件費を5〜6%増やしていく必要があるだろう。 実際、日本経済がそれだけの経済成長が可能なのか? もし、政府が経済成長なしのインフレ(=スタグフレーション)を目論んでいるのなら別だが・・・。 その時は、月手取り71万円の現役世代も生活に困窮してる状況となってることもあり得るだろう。

ちょっと話が逸れたが、この年金報道を聞いて「老後も安心だ」と思った国民はいるのだろうか?

共同通信社の電子版『将来の年金給付2割目減り・現役収入比で50.1%』によると「経済が低迷し出生率が低い最悪ケースでは、所得代替率は43・1%まで低下」ということだが、それさえも怪しいのではないか? 少なくとも、私は、厚生労働省の喧伝した「100年安心プラン」なぞ信じちゃいない。 もともと、公明党の坂口力氏が胸を張って「100年安心」と喧伝していた時から既に胡散臭かったし・・・。 だいたい100年後まで保証できる人間なんていないだろう。 仮に保証した人がいたとしても、その彼が100後には生きてないのだから無責任極まりない話だ。


先の『順調に経済成長をするという仮定』でも、「所得代替率は、夫が平均賃金で厚生年金に40年加入、妻が40年専業主婦というモデル夫婦世帯で計算。 基本ケースの年金月額は09年度の月22万3000円から38年度は月35万9000円(現在価値換算では26万3000円)と増えるが、所得代替率は04年想定時の50.2%からも微減する。」という。 ちなみに、38年度に年金支給の65歳になるのは、今年36歳の方々である。 

そもそも、『夫が平均賃金で厚生年金に40年加入、妻が40年専業主婦というモデル夫婦世帯』にどんな意味があるのか? はたして、このモデルケースに当てはまる国民はいったいどのくらいの割合で存在するのだろう?

だいたい、今35歳前後の世代は就職氷河期と言われた時期の世代だ。 今風に言えば「ロストジェネレーション」と呼ばれる世代だろう。 その彼らが「厚生年金に40年加入する」、つまり継続して40年間も会社勤め(厚生年金に加入)できる可能性のある人はこの世代の内の何%だろう? 仮に大学を卒業した人で、卒業後22歳で即結婚し、新卒で就職し厚生年金に加入して、62歳まで厚生年金に加入し続ける人。 モデル夫婦世帯のケースに該当するのはこういったケースだ。 現在の30代の人々は、派遣切りで困窮していたり、「婚活」と称してパートナーを懸命に探している・・・週に1度はどこかのTV局がこのことを取り上げてるくらいなのだ。 政府の試算モデルはほとんど実在しない世帯だろう。

就職して40年はまだ先の話だが、少なくとも個人的にはそういったカップルは私の知っている人には一人しかいない(正確にはダブっているから22歳で卒業してないが)。 ちなみに、その彼は40代の公務員である(苦笑)。


まるで昭和の「高度成長期」時代の世帯モデルを、日本政府はいつまで「標準」として引きずるつもりなのだろうか・・・。



四国新聞社の香川版の2月6日付コラムに『何だか怪しい』という記事がある。 「円天」と称する疑似通貨を使った「L&G」の組織的詐欺を引き合いに出し、相談や苦情も相次いでも警察は踏み込まず、本気で動くのは破綻状態というどうしようもない状態になってからだ、と国家(警察)の対応を非難している。 そして、円天よりはるかに大規模で怪しい仕組み、それが「年金」だという。

四国新聞のコラムからそのまま抜粋すると、『 実はこの国には、円天よりはるかに大規模で、若者の多くが何だか怪しいと疑っている仕組みがある。 年金制度である。 かつては高配当を出していたが、出資者は減り続けており、そのうち行き詰まるに違いないと若者らは感じている。 国や政治家の腰が重いのは、まだ何とか形になっているからだろう。政治家の大多数が若者世代ではないこともあるだろう。 この問題への介入も、破綻してからでは遅いのは言うまでもない。』



円天よりはるかに大規模で怪しい仕組み、それが年金・・・。
四国新聞の言うとおりである。
posted by 少彦梛 at 20:15| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月21日

絵本「くませんせいのSOS」の紹介

毎日新聞の電子版より・・・
『医師不足など地域医療の危機的な状況が問題となる中、千葉県東金市のNPO法人「地域医療を育てる会」と、兵庫県丹波市の「県立柏原(かいばら)病院の小児科を守る会」が共同で、絵本「くませんせいのSOS」(A5判、44ページ)を自費出版した。動物たちのやりとりを通し医師の過重労働の問題などを描く。PTAや地方自治体、医療関係者から注文が相次いでいる。【細川貴代】』

絵本は1冊500円。注文や問い合わせは「育てる会」ホームページへ
ご注文のページはこちら→えほん「くませんせいのSOS」
注)当方と、絵本「くませんせいのSOS」の販売及びその関連団体とは、一切関係ありません。


記事全文はこちら→続きを読む
posted by 少彦梛 at 12:19| Comment(0) | 医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月20日

偽装立国「ニッポン」(その2)

今日、20日の日テレ系の「太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中」という番組で、松居ナニガシという女性が、『全家庭、電気代を毎月2000円分節約することを義務付けます』ということを法律化するべきと力説していた。 この番組は、番組内で討論し、賛成が過半数となったら本当に国会へ陳情するという。

番組での松居氏の提案は、何でも、家庭の電気使用量を削減することでCO2(二酸化炭素)を減らし、「エコ(地球温暖化防止)」に貢献しようということらしい。 その意気込みは良しとしよう・・・。 だが、そんなことを法令化したところで果たしてCO2削減にどのくらいの貢献になるのか? しかも、全家庭が電気代を毎月2000円分の節約をして達成できるCO2削減量は、番組の最後まで示されることはなかった。 

実際のところ、当ブログの「ああ・・・、オバマ氏の思い込み?(09/01/22)」の記事のとおり日本のCO2削減は全く進んでいないのである。 日本は、批准しているはずの「京都議定書」の条約(既に発効もしている)すら遵守できそうにない状況なのだ。 松居氏の主張(提案、法案)はとしては理解できるが、今更法令化しても意味はない(啓発活動としては意味はあると思いますが・・・)。

併せて、当該番組ではこれ見よがしに「エコ家電」と言われるものを紹介していたが、仮に日本国内全世帯に番組で紹介されたような省エネ家電商品を導入しても、とてもじゃないがCO2削減目標には届かないだろう。 なにせ、過去記事の繰り返しになるが、環境省の報道発表「2007年度(平成19年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について」のとおり、2007(H19)年度の温暖化ガスの排出量は、京都議定書で基準年とされた1990年より8.7%も増加している。 京都議定書に定められた1990年より排出量を6%削減するには、今現在から14.7%もの削減が必要なのだ。

家庭から排出されるCO2は日本全体の25%以上であるから、松居氏が主張する「ケチケチ作戦」法案で削減できるCO2は、単純計算ではあるが多めに見積もっても、日本のCO2排出量3%に満たないだろう(たぶん)。 第一、日本の原発の発電量は全体の25%を超えてるのだし・・・。

まあ、単なるバラエティー番組に対してここまで熱くなる必要もないのだが・・・(苦笑)。


そもそも、「エコ家電」と称するものは、さもCO2を削減したように錯覚させる「エコ偽装商品」と言って過言ではないだろう(確かに、極僅かのCO2削減効果はあるけども)。 何故そう断言できるのか。 毎年毎年、「これまでより幾らお得です」や「幾らCO2が削減できます」と宣伝し、それが売り文句の『省エネ商品』がこれでもかというほど世に出てるのに、一般家庭から出るCO2排出量は逆に増えてるのだから・・・。

日本全体のCO2排出量に占める家庭からの排出の割合は、いっこうに減少していないのである。 日本全体のCO2排出量の総量が増えてるのだから、結果として、家庭から出るCO2の絶対量が増えてるのは自明の理だろう。


日本が「本気」でCO2排出量を減らすつもりなら、その手段・・・、確実に削減できる方法は1つだけある。 それは、日本が輸入する石炭・原油・液化天然ガスの化石燃料総量規制することだ。 1990年の輸入量以下に年間の輸入総量を規制すれば、黙っていてもCO2排出量は減る。 日本国内では原油・LNGなどCO2を大量に発生させる化石燃料は殆ど産出されない。 燃やすものがなければCO2は出ないのだ(笑)。 もちろん、食糧などの輸入にかかる輸送燃料や自動車などの輸出にかかる輸送燃料も量的規制の対象に含めよう。 ついでに、輸入品を製造するために他国が排出したCO2相当分も規制対象に加えよう(モデル計算でも良いから)。 しかし、病院などの医療機関や緊急車両(消防、救急など)、人命に直結する機関には優先的にCO2排出権を割り当てなければならないのは言うまでもない。


これを「極端な物言い」とお思いの方もいるだろう。 しかし、「エコごっこ(=偽装エコ)」をしてるだけではCO2排出量を減らせない(現に増えている)現状を鑑みると、このくらいの事を実行しないと日本はCO2削減目標なんて達成はできっこないのだ。 国民が真剣に「地球温暖化ガスの削減」を考えるなら・・・反対者はおるまい(笑)。
posted by 少彦梛 at 22:03| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月19日

偽装立国「ニッポン」(その1)

中川昭一氏が、ローマで行われたG7財務相・中央銀行総裁会議の後に行われた記者会見の振る舞いがもとで辞任に追い込まれた。 これまでの中川氏の行状と実際放映された映像を見る限り「正犯(主犯):アルコール」、「幇助犯(従犯)若しくは無罪:薬剤」と思えるが、政府側はあくまで「薬剤の誤用(飲み過ぎ)」で押し切るらしい。 共同通信の電子版「中川氏自らワイン注文」との記事があるにも係わらず、財務省国際局長の玉木氏は「会見直前まで大臣(中川氏)は正常だった」と衆議院の委員会で答弁してる。 しかも、体調が悪いにもかかわらず、会見後、中川氏はバチカン市内を2時間かけて観光したという(呆)。 どうみても「偽装答弁」ではないのか?

このブログのサブタイトルにあるように、「酒と薬とマタタビ人生」の私には今回の件で「中川氏が酔っていた」それ自体についての非難をすることは差し控えますが・・・。 (^_^;


しかし、いったい何時から日本は「偽装立国」になったのだろうか? 奇しくも(?)、今日、愛媛県伊予市のウナギ加工会社「サンライズフーズ」が行ったウナギの産地偽装で『加工会社社長ら5人逮捕(読売)』された。

少なくとも、私自身がこの国に「偽装」が蔓延(はびこ)ってると感じたのは学業を終えて社会に出てからだ。 とはいえ、現在と比べればカワイイ嘘であり、「嘘も方便」「ある程度の嘘は社会の必要悪」とも私が思っていたのも事実だ。 小さな嘘、隠し事無しには世の中廻っていかない。 実際、普通に暮らしていても、正直に真実だけをあからさまに示されたら、心に傷を負わない人などいないだろうし、また、心の安寧もないだろう。

ところが、ここ10年くらいをみると、ただただ「必要悪」とは言っていられない偽装が蔓延ってるのが実情だ。 


話が逸れるように思われるかもしれないが・・・、

昨日、18日に判決が出た「江東区の女性殺害事件」に下された星島被告への判決。 読売新聞の電子版『でも残虐極まりないとまでは…』の記事の判決要旨と、星島被告への「無期懲役」の判決を素直に受け入れられる国民は幾人いるだろう。 各マスコミも「何故死刑ではないのか」という論調と解説だ。 今回の星島被告への裁判では、検察側は傍聴席に座る人々にまで観える「モニター」を使い被告の残忍性を見せ付けた(読売)。 画像を観て気分が悪くなり席を立った傍聴人までいたという。

多くの国民は、今回の星島被告への判決が死刑ではなかったことに疑問、もしくは、憤りを感じていると思う。 しかし、それは、本当に国民が、あなた自身がこの事件と刑法を見比べ熟慮した結果だろうか? もちろん、人ひとり殺害した事は重大な罪である。 しかし、多くの人は、亡くなった被害者がバラバラにされて「トイレに流された」事に、被告の残忍性を観てとり、「彼は死刑に値する」と思っているのではないだろうか。

しかも、その「残酷だ」という意識は、『マスコミ報道』等の誘導が元で自らの中で増殖してしまった思いではないか? 警察の発表をそのまま鵜呑みにしているのではないか? どうだろう。 警察の初動捜査のミスで、被害者の遺体は一部しか見つかっていない。 死体損壊の模様については、その大部分が星島被告の証言によるもので、物的証拠による裏づけは完全では無いと聞く。


「死体損壊」・・・。 刑法190条に『死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する』とあるとおり。 例えば「器物破損」の最も重い刑三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料)と量刑は変わらないのである。 つまり、人間の死体は器物、「物」なのだ。 法的には・・・。

ちなみに、私は猫を飼ってるから敢えて書くのだが、犬猫を故意に殺しても適用される刑法は「器物破損」なのである(動物愛護法では更に量刑が軽い)。 小さな命を奪ったにも係わらず、罰金や科料で済んでしまうこともあるのである。 人も小動物も、命の重さは同じであるはずなのに・・・。

話が逸れたが、今回の殺人の罪に、「最大でも懲役3年の量刑」の罪である死体損壊を併せたからといって、「死刑」にはできないというのが裁判所(一審)の判断である。 「被告人の量刑を決める」ための裁判としは、被害者に対する「過度な感情」を排除し、至極真っ当な量刑判決だろう。 日本は法治国家なのだから・・・。
(ただし、死体損壊の罪の量刑の重さが軽すぎるとは思う。)

被告人が被害者が一人の場合、これまでの判例では、殺人の前科があるか、強盗殺人などの金銭目的でない限り死刑判決とはならないと聞く。 ただ、裁判官が言う、星島被告に「矯正の可能性がいまだ残されている」とは私にはなかなか思い難いですが・・・。
断っておくが、私は死刑廃止論者ではない。


被害者の母の『「娘の恐怖と痛みを」と死刑望む(共同)』という親としての感情は理解できる。 私がこの裁判の裁判員であれば、たぶん、星島被告への刑には「死刑をもってあたるべき」と主張するだろう。 しかし、それは本当に「公正」な判断だろうか? マスコミに煽られて感情に流されてはいないか? 検察の「画像を使った激情型煽動」に踊らされてはいまいか? 自分が裁判員となったら、常に自問すべきだろう。

閑話休題

「裁判所は真実を求める所」と言う人がいる。 また、被害者側の家族親族は「裁判で真実を明らかにして欲しい」と望む。 確かに、裁判による「飽くなき真実の探求」は本来重要なことだ。 しかし、実際の裁判とは、真実はそっちのけで、原告(検察)と被告とが「責任の重さの割合(量刑)を争う」場なのだ。

原告側は、被告の責任はこんなに大きいと強調しその重さを主張する。 また、被告側は、少しでも責任を逃れよう、または、責任は無いと主張する。 両者の主張がぶつかり合う場である。 そして、お互いに相手の主張を崩そうと争い合う。 このような裁判で、真実が明らかになることは皆無に近い。 無いといってもいいくらいだろう。

まあ、極端ではあるが、裁判は「原告、被告のどちらの『偽装』がより真実らしく聞こえるか」を争ってる、と言っても過言ではあるまい。

posted by 少彦梛 at 23:59| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月17日

麻生総理、シベリアへ日帰り外遊

さて、今日一日マスコミ各社は中川昭一財務相のローマでの記者会見の件で騒ぎまくっていたようですね。 そんな中、米国のクリントン国務長官が来日し、来週24日にホワイトハウスにご招待されて舞い上がっている麻生総理は、明日、18日、日帰りでサハリンへ行きロシアのメドベージェフ大統領と会談するという。

時事通信社の電子版『対ロ外交で反転狙う』によると、「サハリン沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の稼働式典への招待に応じたもの」だが「原油価格の急落などでロシアの国内経済が低迷している今こそ、領土問題を含む日ロ関係を前進させる好機」と捉えたらしい。 ロシア側から今回の首脳会談の話が日本政府に来たのがわずか3週間前と聞くが、麻生総理は自分の内閣の支持率アップを目論んだのか直ぐに飛びついたらしい。

ところが、今回のローマG7での「中川財務相酩酊」事件・・・。 スポニチの電子版『「衆院選はいつ?」海外メディア報道』のとおり、ロシアのクドリン副首相兼財務相との会談から中川財務相は変だった。 私がTVニュースで見た限り、中川氏と会った際のクドリン氏は明らかに退(ひ)いていた。 嫌そうな表情を見せてた。

そして今回のメドベージェフ氏との会談だ。 麻生総理が幾ら意気込んで行っても、メドベージェフ大統領から「ローマでの中川前財務相はどうしたんだい」(つまり、俺は知ってるぞ)と言われたら、麻生氏はロシアへは何も言えずに帰ってくるしかないだろう。 日銀の白川総裁が口を噤んでも、中川前財務相がお酒の匂いをプンプンさせてれば、クドリン氏に分からぬはずはない。 当然、メドベージェフ大統領にも報告が上がっていよう。 ロシア通信も、記者会見前のクドリン副首相兼財務相との個別会談で、中川氏が麻生首相のことを「大臣」と呼ぶなど、既に「普通の状態でない」ことが明らかだったと報道しているという。

麻生総理は一旦中川氏をかばった(即クビにしなかった)が、今回ロシアのメドベージェフ大統領と会談するのなら、ローマで記者会見した時の中川氏の行状を(お酒に酔ってたか)洗いざらい公表すべきだったろう。 日本の主権(領土問題)にも係わるかもしれない重要な外交会談の前に、つまらぬ「弱み」を握られたもんだ。


posted by 少彦梛 at 23:05| Comment(0) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月15日

単なるボヤキ・・・

明日、16日、アメリカの国務長官のヒラリー・クリントン氏が日本に来る。 時事通信社の電子版「クリントン長官、16日に来日」によると、河村官房長官は、歴訪の最初に日本を訪問することを『日米同盟重視の姿勢の表れ』などと能天気に言っているようだが・・・。 クリントン氏がアジア歴訪する中で、訪日が最初と最後で何か違いがあるのか? 政府自民党のメンツを除けば、両者に対した違いはなかろう。

しかも、米国サイドは、クリントン氏が足を運んで『日本政府の約束手形を受取りに来る』だけのことだ。 まずは、これから発行する米国債の引き受け額を約束させ、米国がメチャクチャにしたイラクの「復興支援金」、それから、米国がこれから攻め込むアフガンに「治安回復・復興支援」の名目で、米国の尻拭いのための資金を無心する・・・のだろう。 そして、なかなか進展しない在日米軍再編に対して日本政府の尻を叩き、米国の都合(戦略)なのに日本の負担は3兆円とも聞く「海兵隊のグアム移転に関する協定」のサインを貰いにくるのだ。 わざわざ来るのは、さすがに、米国のための資金を調達するのに、日本側を呼びつけるわけにもいかないからだろう(もっとも、麻生総理なら、オバマ大統領に会えるというだけでもシッポを振って渡米しそうだが)。 さて、今回、日本政府は米国に幾らのお金(我々の税金)を用立てる約束をするのでしょう?

さてクリントン氏は、そんな大仕事は数時間で片付け、わざわざ日本の民主党代表の小沢氏に会う(時事)らしい。 クリントン氏側のたっての要望だとか? 小沢氏側は「時間が取れない」と言って断って(?)いたにも係わらず、何とか調整したようだ。 しかも17日の午後9時からという遅い時間に、だ。 クリントン氏としては、そこまでしても野党の小沢氏との会談が重要なのか? そして、果たして、クリントン氏に小沢氏の腹の内が読めるかな?(苦笑)


ところで、ロイターの電子版「G7声明」のとおり、ローマで開かれた7カ国の「財務相・中央銀行総裁会議」が閉幕した。 中川財務相と白川日銀総裁の記者会見で、記者と中川氏の質疑応答がまったくかみ合ってなかったり、中川氏は寝てるのか目を閉じて俯いている様子がTVニュースで流されていた。 会議で侃々諤々やりあった疲労・・・というより「また二日酔いか?」と思ってしまうような様子だった。 これをAP通信が世界に配信したそうだから・・・。 各国はどう取るか分からないが、画像だけ観れば日本の恥である。 そうそう、今回、「日本政府が国際通貨基金(IMF)に最大1000億ドルを拠出する取り決めに正式に署名した(時事)」そうだ。 IMF加盟国支援が必要になった場合、要請がありしだい、日本の外貨準備からIMFに貸し付ける形で拠出するという。 お金に色が付いているわけではない。 IMF専務理事は「人類の歴史上、最大の貢献だ」と言ったそうだが。 IMFが支援する諸外国が日本に感謝したり尊敬の念を抱いてくれるわけではないだろうに・・・。 


<追記>2/16 7:30
共同通信の電子版『中川財務相、G7会見で“迷言” 「深酒」や「居眠り」疑惑』
posted by 少彦梛 at 23:20| Comment(0) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月13日

コップの中の嵐

2月5日の衆議院での予算委員会で「郵政民営化には賛成じゃなかった」から始まった、麻生総理の一連のドタバタ劇。 アホらしくて無視してましたが・・・。


昨日、12日、自民党党本部で開かれた「郵政民営化を堅持し推進する集い」の役員会が行われた。 中川秀直元幹事長、武部勤元幹事長、石原伸晃幹事長代理、塩崎恭久元官房長官、小池百合子元防衛相に、05年の総選挙で初当選した「小泉チルドレン」ら18人が出席。 そこでの小泉純一郎氏の「挨拶」の発言について、TVや新聞の報道各社は色めきたって騒いでた。 

時事通信社の電子版『小泉元首相の発言要旨』によると、麻生総理の「郵政民営化見直し」発言に業を煮やしたのか、小泉氏は、「最近の麻生太郎首相の発言について、怒るというよりも笑っちゃうくらい、ただただあきれているところだ。」などと発言。 最後には、「定額給付金についても、(中略)、3分の2を使ってでも成立させなきゃならない法案だとは思ってない」とも言ったらしい。

お調子者、かつ、お追従議員、山本一太氏は「元首相が本気で怒った姿を久々に見た。完全に戦闘モード」とか言っていたが、彼が本気でそう思って言ってるなら馬鹿馬鹿しい限りだ。 また、TV報道は、片山さつき議員や佐藤ゆかり議員なども小泉氏へのおべんちゃらを言っているのを放映していた。 だったら、あんたら、コイズミという張子の虎の射なぞ借りずに、渡辺喜美氏のように自らの行動で示せよっ、と思わずツッコんでました(爆)。

確かに、気位だけは高い小泉氏が、自分の実績と誇る「郵政民営化」をまるで失敗のようにケチをつけられ頭に来ているという、というのはあるだろう。 しかし、今の政治状況を憂いてとか、国民のためにとか、あるいは、自民党のために、といった想いは小泉氏の頭の中にはあるまい。 しかも、報道にある会合出席者達は、一部を除き、次の総選挙でも「小泉人気」にあやかって戦いたい、頸元の涼しい連中ではないか。 参議院議員の山本氏は置いといて、選挙地盤が磐石と目される議員はほとんどいない。 石原氏、小池氏とも例外でない。


ところで、私としては、今回の小泉氏の発言は、自分の息子に地盤・看板・カバンを譲ったものの、このままでは不人気の麻生総理に足を引っ張られて息子が落選しかねない状況なので、今からエクスキューズ(弁解、いいわけ)を出してるに過ぎない・・・と見ている。 つまり、自己都合だ。


だいたい、今更、『政局より政策優先だという国民の声が強いから、衆院の意見、参院の意見が違ったら、どういう政策ならば、対策ならば、国民が満足(するのか)。 納得できるような案をよく協議してもいいのじゃないかとわたしは思っている』と小泉氏が言うのは虫が良過ぎるってもんだ。 郵政民営化法案で、衆議院の意見(可決)と参議院の意見(否決)と両院の意見が違ったら、協議もしないで、即「解散・総選挙だ」と言ったのは小泉氏、あなた自身ではないか。 今更小泉氏が「納得できるような案をよく協議してもいいのじゃないか」と言ったって、無責任で空虚にしか聞こえませんな。 

「定額給付金の再可決無用論」も、小泉氏自身がロシアに行ってる間に衆議院で再議決されると見られていたことから「関連法案は、自分の居ない間に決まった事」にしてしまう目論見だったのではないかと邪推してしまう。 そういう意味では、同じく時事通信社の『補正関連、採決は再来週以降』の、「民主党の輿石参議院議員会長は、小泉氏の帰国を待って法案の扱いをしていったらいいと発言」は面白いと思う。 小泉氏が、定額給付金を含む補正予算関連法案の再可決の場でどう行動するか、見ものだ。(笑)。


閑話休題

先にも書きましたが、小泉氏の今回の発言はあくまで「自分(息子)本位」のモノだと思うのだが、マスコミは『倒閣運動に発展も−自民(時事)』とか、「弱った内閣たたかないで(共同)」(爆)とか、「首相に苦言=公明(時事)」とか・・・。 いやー、この調子でマスコミはどんどん自民党内の不協和音について騒いで欲しいですねー。 

国民としては、自民党が自滅するまでほっときゃいいんですよ。 というより、当面、自民党が瓦解するまで待つしかないのが辛いところですね。所詮、国民の方を向いていない、自民党というコップの中のクダラナイ内輪もめなんですから・・・。

昨年の9月1日に福田前総理が「俺、やーめぇーたー」と言ってから政府与党の内輪もめで事実上の「政治空白」が続いているわけだし、次の総選挙で新しい政権ができるまで「政治空白」が続くのは目に見えてる。 新政権が誕生して初めて・・・、漸くマトモにこの国の経済対策の議論が始まるのだと思います。 

ところで、福田氏が総理総裁を辞任したことについて、彼の孫娘が「(責任から逃れて)ラクになりたかったのよ」と言ったとか・・・。 さて、真相はどうなんでしょうね?

簡保の宿→続きを読む
posted by 少彦梛 at 23:00| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月11日

英雄の陰に隠れて・・・

共同通信社の電子版『NY市が機長らに名誉の「鍵」』によると、USエアウェイズ社の旅客機がダブル・バードストライクでハドソン川に不時着水した事故から間もなく1カ月を迎えるが、米国では依然として「真の英雄、サレンバーガー機長」といった報道が続いているという。 そして、先日ニューヨーク市長のブルームバーグ氏が、機長ら乗務員5人に「市に貢献した人らに与える『市の鍵』を贈った」そうだ。 もちろん、人々の居住地に墜落すれば乗客乗員だけでは済まず、大惨事になったことに違いはないのだから、事故機のクルーは称えられて当然ではある。 

そして、ロイターの電子版、『米不時着機の機長が初会見、事故の様子を語る』には「サレンバーガー機長が記者会見で当時の差し迫った様子を振り返った」という記事もあるが、共同通信社の記事にあるとおり「5人の乗務員だけでなく、救助に当たったニューヨークの人々や乗客の協力があって緊急着水が成功し(て全員が助かっ)た」と言うサレンバーガー氏の発言こそ、今回の事故における正しい評価だと思う。 逆に、機長にフットライトやスポットライトを浴びせるに留まり、バードストライク事故防止などに顔をそむけ、更なる対策検討などに触れない為政者やマスコミ各社は、何か、また、どこかおかしいのではないか? 
注:()内、筆者追記


例えば、2月9日発行の日刊ゲンダイによれば、サレンバーガー機長に「英雄」というライトが当たっている陰で、事故にあった乗客がUSエアウェイズ社の対応に大ブーイングだという。

USエアウェイズ社が事故機の乗客約150人にお詫びとして送ったのは『1年間限定の「VIPメンバーシップ」』のみ。 記事によると、その特典は
@ 国内線の「ファーストクラスを利用する」場合は同行者の無料チケットを用意する
A 「ヨーロッパ便とハワイ便を利用する」場合は1クラスのアップグレードOK
・・・たったこれだけというのだ。 どちらも、USエアウェイズの航空券を「買わないと貰えない」特典というわけだ。 @などは、無料分のチケットは「エコノミー」だろう。 同行者はファーストクラスには乗れないと思う。 つまり、言い換えれば『1年間だけアップグレードするから、USエアウェイズを使ってくれ』と言っているようなものだ。 しかし、事故に遭った150名の内、これから1年間に@、Aを利用する機会のある乗客は極数名だろう。

もちろん、ダブル・バードストライクの事故に遭ったのはUSエアウェイズ社の責任では無いだろう。 しかし、今の米国の経済不況下にも係わらず、機長が英雄扱いされたおかげで、事故を起こしたはずのUSエアウェイズ社の株価が上昇するという現象が「乗客の怒り」の火に油を注いでいるという。

「事故を会社のPRに利用している」「死んでいたかもしれないのに、乗客にはこれだけか」と不満が爆発しており、『こうなったら訴訟だ!』と息巻く人までいるという。(在米ジャーナリスト・佐々木香奈氏)



他国の事なので航空機事故が発生した場合における一般的な事情(保証問題等)や国民感情などはよく分からないけれど、「英雄」の陰で、罪を問われずに済み胸を撫で下ろしてる真の「責任者」が幾人も居る気がしてならない・・・。 そう思うのは、私自身の意地の悪さか、単に私が捻くれ者だからなのかもしれないが・・・(苦笑)。


ただ、同じような事故がもう起こらないとは限らない。 今度は、NYの市街地に墜落して大惨事という事態も起こり得るのだ。 その事を真剣に論じ、考え、対策を採ろうという声は聞こえてこない。

日本の航空業界も同じバードストライク問題を抱えているはずなのだが・・・。
国内でも国会などで議論されたり、また、マスコミなどから更なる対策の要否を取材したという話は、とんと聞かない。 
posted by 少彦梛 at 00:40| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月05日

海自はシーレーンを防衛できるのか?

産経新聞の電子版『いまさら「海賊の定義」議論』によると、2月3日に民主党内で「外交防衛部門会議」を開き、ソマリア沖の海賊被害の実態について外務省、防衛省、海上保安庁からのヒアリングを行ったという。 産経新聞は、『ようやく対応の検討に入った民主党は、藤田幸久参院議員が「海賊の定義は何か。犯罪なのか。テロなのか。組織性はあるのか」と外務省に問いただせば、谷岡郁子参院議員も「まず民間船舶会社の自己責任と国の責任の区別をきちっとすべきだ」と主張するなど、「そもそも論」が噴出し、寄り合い所帯ゆえに党内でも見解は真っ二つ(要約)』と民主党の海賊問題への対応の遅れを非難する論調で報道している。 加えて、どこの誰の発言かは分からないが、『自民党からは「民主党はいまごろ『海賊って何だ』という議論をしていて、大丈夫なのか」とあきれる声が上がっている。』と産経新聞の記事は民主党にダメ出しする念の入れようだ。(ちなみに、国会の外交防衛委員会等ではなく、この会議はあくまでも「民主党内の会議」であり、自民党議員が出席した訳ではない。)

でも、まあ、少し呆れたくなる状況ではある。 「日本の新たな国際貢献の有り方(08/10/17)」にも少しだけ書きましたが、そもそも昨年10月17日の「衆院テロ防止特別委員会(新テロ特措法改正案審議)」に民主党は『アフガニスタン復興支援特別措置法案』提出し、その中には「国際連合の決議に基づくテロ対策海上阻止活動に対する参加の検討」として海賊行為の多発に対する対策検討を謳っていたはずだ。 また、民主党の長島昭久氏が、「ソマリア沿岸、アデン湾での海賊行為の阻止活動」についての必要性を提言していたはずだ。 だが、確かに民主党内での議論はそれ以降進んでいないようだ。


しかし、政府・与党も民主党を嗤っていられないはずだ。 自民、公明両党は1月9日になって漸く「海賊対策等に関するプロジェクトチーム」の初会合を開いたばかりで、こちらも議論が進んでいるとは言い難い。 実際、昨年の4月に日本郵船所属の「高山」がRPGか何かにより被弾し、昨年4月23日の第169回国会の国土交通委員会(第15号)でも議論に上がっている。 (何故「安全保障委員会」で議論せず「国土交通委員会」での議論なのかは疑問ですが・・・。 もっとも、私も全ての委員会議事録を読んでる暇は無いから・・・(苦笑))


そもそも、それ以前に、昨年4月〜5月にスエズ運河へ向けてアデン湾を航行する、日本の豪華客船・世界一周クルーズ船の護衛を要請するために外務省は動いていたと聞く。 しかし何故、国交省、防衛省という行政所管では無く「外務省」が活発に動いていたのか・・・。

そこには、国連の安保理決議の存在がある。

今回、改めて海上自衛隊の護衛艦の派遣が浮上したのは、元を正せば、今春また、郵船クルーズの「飛鳥U」(乗員乗客約1100人)や、日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」(乗員乗客約600人)といった世界一周クルーズ客船がソマリア沖・アデン湾を通過するから、との報道がある。 派遣予定と見られる護衛艦「さざなみ」「さみだれ」の母港のある広島・呉の地元誌、中国新聞の電子版『豪華客船護衛へ月内準備指示』でも、『政府関係者が「タンカーや貨物船はある程度の自衛策を講じているが、客船は脆弱だ」と海自艦の派遣を急ぐ必要性を強調』と伝えている。 しかし、その発言には、安保理決議との関係は元々ない。 2隻の客船だけなら、海上保安庁の艦艇でも護衛できるだろう。 フランスから日本へ貨物船を護衛した実績もある。


ところが、護衛任務についての見当や現地視察派遣など、先行する外務省に対し防衛省の浜田大臣とが待ったをかけたのである。 命令権者である浜田防衛大臣が、派遣の根拠となる「国連安保理決議」を所管する外務省主導で進んでいた政府調査団派遣に待ったをかけ、海上自衛隊に準備指示を出さなかったため、海自も派遣準備を進められなかったという。 大変な時間的ロスである。


そもそも、現在も、護衛艦がどのような「任務」と「活動」を担うのか、概要案すら国民に示されていない。 第一、現行法では「日本関係船舶に該当しない船舶は護送できない」となっているが、他の外国籍船などについても麻生総理が「他国の船は助けませんではいかがか?」という一言で、日本に関係無い船舶が襲われている時の救援も考えなければならなくなった。 麻生総理の言うことは、情として理解はできる。 しかしそのことで、保護対象は日本籍船の92隻を合わせ日本関係船舶約2300隻まで膨れ上がり、その上日本に関係無い船舶にも海自は気を掛けねばならない。 海自には大変な負担だ。

しかも、政府は船団を組み複数船舶をまとめて護送する方針だと聞くが、この船舶数をたった2隻の護衛艦では護送体制を組めないだろうことは素人の私でも分かる。 「アデン湾の通過には船で1日半かかる」(海自幹部)と言われ、2隻で船団を挟む形の護送だと3日に1度しか護送を行えない。 護送頻度を増やすため、海自では海賊多発海域の両端から1隻ずつで護送することも検討しているらしい。 つまり、インド洋からスエズ運河(仮に下りとする)に向かう船団に護衛艦を1隻付け、逆の上りの船団に護衛艦を1隻という布陣だ。 それで、本当に民間船をエスコートしきれるのか? 例えば、日本として護衛すべき「飛鳥U」や「ぱしふぃっくびいなす」を海上自衛隊は守りきれるのか?

仮に自衛隊の護衛艦が上り下りの船団に1艦ずつ併走しているとしよう。 船団には護衛は1隻である。 それでも近海で海賊に襲われた他の艦船から救難を求められれば、海自護衛艦は救助に向かわねばならない。 しかし、それは実はデコイ(囮)で、護衛艦が離れた隙に船団やクルーズ客船を海賊に襲われた場合どうするのか? 船団の民間船は自力で海賊を排除せねばならない。 護衛艦は遠く離れていないのだ。

つまり、政府与党案の「海上自衛隊の護衛艦派遣2隻」では、とてもじゃないが日本関係船舶すら護衛するのにも不足する艦数なのである。 もし、隙を狙われ、海賊に客船の乗客を人質に取られれば海自護衛艦といえど手も足も出まい・・・。 他国が行うハイジャック制圧と同じように、乗客に死者が出ることを覚悟で海自は突入するのか? それはあり得ないだろう。 海自はそのための訓練はしていない。 同乗するといわれる海上保安庁の部隊も、タンカー・貨物船の占拠対策はまだしも、乗客が500人、1000人と多い客船は対応できまい。

確かに、軍艦に勝負を挑む海賊はいないと思う。 しかし、最悪の事態の状況をどこまで想定し、その事態に遭遇した時どう行動をとるのか・・・、それに対処するための訓練は充分なのか。 実際はできてないだろう。 私は、今回の護衛艦派遣計画は、極めて不安だらけのものではないかと思っている。 



また、海上自衛隊の護衛艦派遣の根拠の1つに「国連の安保理決議」があるのだが、この決議も、ソマリアについては日を追う毎に踏み込んだ内容になっている。 当初は「ソマリア沿岸、アデン湾での海賊行為の阻止活動」であったものが、現在の安保理決議第1851号「ソマリア情勢に関する決議(08/12/16)」では、海賊行為の防止に向け、各国は「ソマリア国内で必要とされるあらゆる措置を取ることができる」と踏み込んでいる。(相変わらず、安保理決議の和訳文は読むのに難解だが・・・苦笑) つまり、ソマリア国内での軍事行動も許容しているのだ。 しかも、ソマリアの暫定政府のユスフ大統領が12月29日、辞任してしまった。 今後のソマリア国内の情勢は、更に不安要素が大きくなりうる地域なのだ。

以上のことを勘案すると、現実の話として、最初に紹介した産経新聞の記事のように、自民党関係者が「いまごろ『海賊って何だ』という議論をしていて、大丈夫なのか」と嗤っていられるはずはない。

海上自衛隊の護衛艦を、武力を伴って派遣するからには『海賊って何だ』という根本論、派遣に向けての基本的事項をきちんと定義しておくことはあたりまえだ。 そうでなければ、気が付いたら、安保理決議の下とはいえ、ソマリアの治安維持活動にまで巻き込まれていたという状況にもなりかねない(極論だが)。

それから、守りきれない可能性があり、かつ、海賊に襲われれば人的被害が大きい船舶、例えば先に挙げた「飛鳥U」や「ぱしふぃっくびいなす」といった客船などの船舶は、危険なアデン湾・スエズ運河経由を避け喜望峰経由にさせるなど、「民間船舶会社の自己責任」を事前にはっきりさせておくことも重要なことなのだ。 守りきれませんでした・・・で済まないのだ。 

つまり、「そもそも論」をきちんと整理し、さまざまな事態を想定した訓練を積んでおかないと、護衛艦の派遣は反って仇になりかねない。 例えば、海賊とみて乗員を拘束したり、また、銃撃戦になった場合、『相手は海賊だった』と「証明する義務」は日本の自衛隊側にあるのだ・・・。 もし間違ったら国際問題にもなりかねない。

本来、3月、4月に派遣をするなら、今年になって「海賊対策等に関するプロジェクトチーム」で議論を始めた自公与党の対応も遅すぎるのだ。



ちなみに・・・、最初に紹介した産経新聞の記事中の、民主党の藤田議員や谷岡議員が、これまでに私が書いた事柄などを考えて行政サイドに質問してるとは、私にも思えませんがね。 やはり、単に無知なだけかと・・・(笑)。
続きを読む
posted by 少彦梛 at 23:53| Comment(0) | 軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。