2009年02月11日

英雄の陰に隠れて・・・

共同通信社の電子版『NY市が機長らに名誉の「鍵」』によると、USエアウェイズ社の旅客機がダブル・バードストライクでハドソン川に不時着水した事故から間もなく1カ月を迎えるが、米国では依然として「真の英雄、サレンバーガー機長」といった報道が続いているという。 そして、先日ニューヨーク市長のブルームバーグ氏が、機長ら乗務員5人に「市に貢献した人らに与える『市の鍵』を贈った」そうだ。 もちろん、人々の居住地に墜落すれば乗客乗員だけでは済まず、大惨事になったことに違いはないのだから、事故機のクルーは称えられて当然ではある。 

そして、ロイターの電子版、『米不時着機の機長が初会見、事故の様子を語る』には「サレンバーガー機長が記者会見で当時の差し迫った様子を振り返った」という記事もあるが、共同通信社の記事にあるとおり「5人の乗務員だけでなく、救助に当たったニューヨークの人々や乗客の協力があって緊急着水が成功し(て全員が助かっ)た」と言うサレンバーガー氏の発言こそ、今回の事故における正しい評価だと思う。 逆に、機長にフットライトやスポットライトを浴びせるに留まり、バードストライク事故防止などに顔をそむけ、更なる対策検討などに触れない為政者やマスコミ各社は、何か、また、どこかおかしいのではないか? 
注:()内、筆者追記


例えば、2月9日発行の日刊ゲンダイによれば、サレンバーガー機長に「英雄」というライトが当たっている陰で、事故にあった乗客がUSエアウェイズ社の対応に大ブーイングだという。

USエアウェイズ社が事故機の乗客約150人にお詫びとして送ったのは『1年間限定の「VIPメンバーシップ」』のみ。 記事によると、その特典は
@ 国内線の「ファーストクラスを利用する」場合は同行者の無料チケットを用意する
A 「ヨーロッパ便とハワイ便を利用する」場合は1クラスのアップグレードOK
・・・たったこれだけというのだ。 どちらも、USエアウェイズの航空券を「買わないと貰えない」特典というわけだ。 @などは、無料分のチケットは「エコノミー」だろう。 同行者はファーストクラスには乗れないと思う。 つまり、言い換えれば『1年間だけアップグレードするから、USエアウェイズを使ってくれ』と言っているようなものだ。 しかし、事故に遭った150名の内、これから1年間に@、Aを利用する機会のある乗客は極数名だろう。

もちろん、ダブル・バードストライクの事故に遭ったのはUSエアウェイズ社の責任では無いだろう。 しかし、今の米国の経済不況下にも係わらず、機長が英雄扱いされたおかげで、事故を起こしたはずのUSエアウェイズ社の株価が上昇するという現象が「乗客の怒り」の火に油を注いでいるという。

「事故を会社のPRに利用している」「死んでいたかもしれないのに、乗客にはこれだけか」と不満が爆発しており、『こうなったら訴訟だ!』と息巻く人までいるという。(在米ジャーナリスト・佐々木香奈氏)



他国の事なので航空機事故が発生した場合における一般的な事情(保証問題等)や国民感情などはよく分からないけれど、「英雄」の陰で、罪を問われずに済み胸を撫で下ろしてる真の「責任者」が幾人も居る気がしてならない・・・。 そう思うのは、私自身の意地の悪さか、単に私が捻くれ者だからなのかもしれないが・・・(苦笑)。


ただ、同じような事故がもう起こらないとは限らない。 今度は、NYの市街地に墜落して大惨事という事態も起こり得るのだ。 その事を真剣に論じ、考え、対策を採ろうという声は聞こえてこない。

日本の航空業界も同じバードストライク問題を抱えているはずなのだが・・・。
国内でも国会などで議論されたり、また、マスコミなどから更なる対策の要否を取材したという話は、とんと聞かない。 
posted by 少彦梛 at 00:40| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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