2009年03月30日

千葉での2つの投票

昨日、29日、千葉県知事選挙と銚子市市長のリコール(解職請求)の住民投票と、千葉県内で2つの投票があった。 知事選の投票率は45.56%、銚子の住民投票は56.32%と、田舎暮らしの私としてはあまり高い投票率とは思えないが、首都圏では高い方なのだろう。 しかも、高速道路のETC割引の拡大(休日の地方圏の高速道路料金の上限1000円など)の開始と重なったことを考慮すれば、まずまずなのかもしれない。

まず、知事選は森田氏が100万票を超える得票で当選したが、「大丈夫か千葉県民?」と少し心配になる・・・。 確かに森田氏の知名度は高いし、ましてや民主党の小沢代表の秘書が政治資金規正法違反で逮捕・起訴されたことで民主党推薦候補に強烈な逆風が吹いていたのは確かだろう。 しかし、森田氏に政治家としての力量があるか、また、本当に千葉県民のためになるかは甚だ疑問だ。 第一、森田氏は2000年の総選挙で、公設秘書が選挙違反で逮捕されて「連座制」適用あわやで失職しそうになった人物である。

しかも、読売新聞の電子版『「完全無所属」実は「自民支部長」』によると、森田氏(59)は現在も東京都の自民党支部長を務めているという。 ということは、「無所属」というのは嘘だろう。 しかも、04〜07年の4年間で1億6千万円を超える企業・団体献金を受け、同時期に計1億5千万円以上を森田氏が代表を務める資金管理団体「森田健作政経懇話会」に寄付していたという。 この資金については、「知事選に無所属での出馬を決意する前に自民党候補の応援などのために使った」と釈明しているというが、前回05年の千葉県知事選にも出馬しているのだから言い逃れにしか聞こえない。 なんだか胡散臭い話である。

そして、今回の知事選で「無所属」であること公表していたとすれば、公職選挙法の定める虚偽事項にあたるのではないか? もっとも、私は千葉県に住んでるわけではないので、選挙公報にはどのように記載したのか知る良しもないからなんとも言えないが、次点の吉田氏か他の誰かが森田氏を公職選挙法で告発したらどうなるのだろうか(笑)。

それはともかく、「宮崎のセールスマン」を自称し実行してる東国原氏や、「大阪府の財政再建」を旗印に行動している橋下氏といったタレント出身知事と比べると、「言語明瞭意味不明」発言を繰り返すだけで、何を軸足において県政を運営していくのかに明確さの欠けるとも思える森田氏に知事職を任せて本当に良かったのでしょうか・・・千葉県民の皆様。



ところでもう一つ、銚子市市長のリコールの住民投票については、時事通信社の電子版「銚子市長が失職」によると、銚子市立総合病院の存続を掲げて当選したものの公約を破り、市立病院の休止を決めた岡野市長解職に賛成する投票が有効投票の過半数に達してリコールが成立したという。 しかし、市民グループが市長解職を請求のために有権者の3分の1を超える約2万3000人分の署名を集めたにも係わらず、解職賛成票が2万1千票に届かない結果に終わったというのは、銚子市民の「市立病院存続」に対する本気度が疑われよう。

岡野市長は、市立病院の経営支援に40億円も投じたが、医師不足もあって経営改善の見通しが立たず、市財政逼迫を理由に、昨年9月末病院運営を休止した。 市民が、地域医療を支える公立病院が無くなることに反対する気持ちは分かるが、現在の医療崩壊の実情を考えれば、公設病院の維持存続は容易ではない。 実際、全国の公設病院の85%は赤字経営だとも聞く。

しかも、入院施設を持つ多くの病院では、本来時間外勤務や夜勤としなければならない医師の勤務を充分仮眠のとれる「宿直」扱いとし、労働基準法に違反してまで働かせている。 診療科によっては、48時間連続勤務という実態も報告されている。 当ブログの過去記事でも、勤務医、看護師の過酷な労働条件を紹介したこともある。

かなりの好条件(例えば相当な高給)でなければ医師が集まらないのが現状だろう。 ましてや、「市立病院なのだから市民に尽くすのが当然だ」などと暴言ともいえる発言があったり、また、そのような横柄な態度をとる患者が比較的多いとも言われる公立病院にはなかなか医師の来ては無いと聞く。 医師である前に彼らも「人」である。


銚子市民が、病院の存続のために、例えば市民税などの「増税も止む無し」と受け入れることが出来るなら市立病院再開も可能だろう。 特に、一旦病院を廃止し医師や看護師を解任した現在の状況では、一から病院を開設するのと同じくらいのお金と時間と労力が必要と思われる。 出直し市長選挙では、銚子市民がそこまでの覚悟ができるのかが問われるべきだ。

公立病院の再建は掛け声だけでは実現でない。 仮に次の市長が市立病院再開を公約するとしても、しっかりとした再建の構想と再建計画とがなければ岡野市長と同じ道を辿ることになるだろう。

しかも、市の連結決算の対象となる赤字公立病院を抱えた市は、最悪「財政再建団体」に陥りかねない。 その場合、医療以外の全ての市民サービスは制限されることになる。 夕張市と同じ状況になりかねないのだ。 行政まかせでは解決は困難だ。

住民の意思で公約違反の市長をリコールしたことは賞賛すべきことだが、まだ始まりに過ぎない。 繰り返しになるが、病院が再開できるかどうかは、結局は銚子市民自身の努力と協力と覚悟にかかっているのだと思う。



いずれにしても、森田氏を県知事にした県民も、岡野氏を市長解任した銚子市民も、真剣に考え抜いて投票したのではなく、その場のその時の雰囲気や流れで投票したのだとすると昨日の選択が将来の後悔を招くことだろう。

責任は、最終的には県民、市民自身が負うことになるのだから・・・。

posted by 少彦梛 at 21:24| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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