2008年08月03日

行政は「玄人」のモノ?

とうとう来週からオリンピックが開催される・・・。 嫌な季節だ。
いや、オリンピックが悪い訳ではない。 TVによるスポーツ観戦は好きな方だ。 ビールを飲みながら・・・(笑)。
嫌なのは、実況中継のアナウンサーの絶叫と職務をまっとうしない解説者、訳の判らない応援団とか称するアイドル(?)俳優達だ。
彼らの声を聞くと、観戦する気も萎えてしまう・・・。
聖火リレーでは「オリンピックは国威発揚の場では無い」と言いながら、競技が開催されると「頑張れニッポン!」では矛盾がないか? と各報道機関(特にTV局)に問いたい。


さて・・・
7月31日、今では「前」の字が付く冬柴国土交通大臣が、橋下大阪府知事の関空と競合する伊丹空港廃止に言及したことに対し、「素人が大胆なことは言わない方がいい。議論を始めれば廃止議論はつぶれる。(要旨)」と批判した件で、橋下府知事が反論したそうだ。 朝日新聞の電子版『橋下知事「行政は素人じゃないと」』によると、「何か行政や政治に光が見えるようにするのは、素人じゃなきゃできない」と語ったとのこと。
8月2日のあるTV局の朝のニュースショーでの橋下氏の言によれば、橋下氏のもとに冬柴前国土交通大臣から「素人発言」に対する電話(釈明?)があったそうだが・・・。

確かに、今までの経緯や前例と「省益を意識した」官僚に振り回されるより、現状を正確に把握し「ゼロ・ベース」から新しい政策展開をする方が現在の国内の経済情勢・財政状況から考えても良いと思うんだけど・・・。 橋下知事の言い分の方が正しい気がする。
ましてや、国交省の振り付けで国会答弁を繰り返した挙句、国会での答弁の誤りを詫び、また、在任期間22ヶ月(給与は23ヶ月分)の内、合計11ヶ月分もの大臣の役職報酬を不祥事で自主返納したようなお人に「素人」呼ばわりされたくないだろうに・・・、橋下知事も(笑)。
ちなみに、冬柴氏の選挙区は、伊丹空港のある伊丹市に隣接する「尼崎市」であることも付け加えて記しておく。


ところで、7月15日付けの朝日新聞の電子版『日航と全日空、関空国際線の減便を検討』の記すように国際線に限らず、JALやANAからは国内線も「関空便」が特に集中的に「減便」「路線廃止」の話が持ち上がっている。 国際線乗り入れも成田に集中し、羽田の4本目の滑走路完成に向け国際線発着枠拡大と恐らく深夜便の発着枠も拡大されるであろうから、中部国際空港との競争もあってますます「関空」そのものの経営は厳しさを増すばかりとなろう。 
その上、2本目の滑走路も約9,000億円をかけ造成し、昨年供用を開始したが、この負担も重くのしかかっている・・・。

国内線も、大阪市などの中心部からのアクセスを考えると伊丹空港の方がずっと利便性が良いことから、関空と伊丹との間での競争がある上、ドル箱路線になり得る「羽田便」は新幹線とも競争していかねばならない。
実際、大阪府庁から霞ヶ関に行くのなら、新幹線なら約3時間半、伊丹空港を使うと4時間弱、関空だと4時間半弱と大きく違ってしまう・・・。 その上、一昨年には神戸空港も開港・・・。 今まで、関空・伊丹を利用していた兵庫県民は神戸空港に流れており、ますます競争が激化。
国交省は '04年に、騒音対策を理由に伊丹は長距離路線になるべく使わず、関空に移行させる方針を決めたが、拘束力はない。 搭乗率の低迷から関空〜新千歳、関空〜那覇の各路線の減便方針が航空会社から伝えられた時、関空会社社長は「伊丹を先に削るのが筋だ」と憤ったらしい。

国内線大手2社としても、関空・伊丹・神戸の3空港に各々駐機させ、各々に整備拠点を持つ必要があるためコスト負担も膨大であろう。 その上、昨今の原油高は航空各社の経営を圧迫し、'08.3月期決算ではリストラで一息ついたJALの社長が「企業存続のためには減便、路線廃止は避けられない(要旨)」と言わしめるくらいだ。 国交省が路線維持を働きかけてはいるが、どうにもならないくらいとか。
関空・伊丹・神戸の3空港の運用・機能分担は、建前論ではなく、航空各社も議論に参加してきちんと棲み分けすることを期待してるのではないだろうか? JALのある幹部は「3空港がバラバラに増便を求めてくる」と苦言を呈し、ANAのある幹部は「都心に近い伊丹だから新幹線と勝負できている。関空ではとうてい無理だ」と苦言を呈していると聞く。 



もともと、関西国際空港(関空)が完成した後、伊丹空港は廃止の予定だったのだが、地元の要望、また、騒音対策も進んだ結果、国内線に限定して存続させることとなったようだが、当時の運輸省が将来の航空旅客需要を賄うのに関西国際空港だけでは足りないとの判断もあったと聞く。 しかしながら、多分に省益主導の決定だったのではないかと思えてくる・・・。 まぁ、所謂バブル経済の時期に決めた存続方針ではあるけれど・・・。

国際線は、米国とEUが「オープンスカイ協定」を結んで便数などを自由化するなど、航空自由化が世界的流れになっている。 安倍前首相が「アジア・ゲートウエー構想」を打ち出した時、日本でも航空自由化を進める方針を示した。 しかし成田、羽田空港は発着枠に余裕はなく、発着枠に余裕のある関西、中部両国際空港については国交省が「互いに開放してほしい空港の取り合いで、一方的に明け渡すと国益を損なう」と反発して、無条件完全自由化ではなく実現のためには『2国間で交渉』することとなり国交省が関与し続けることとなった。 これでは、「オープンスカイ協定」で国内航空各社が海外に打って出る機会を無くし、また両空港ともハブ空港として、上海、台湾、それから韓国などの国際空港とも競争力を失うのではないかと危惧している。 杞憂で終わればいいのでだが・・・。
行政の「玄人」達としてはどう考えているのか、その辺りは少しも見えてこない。 来年度開港なのに就航路線も決まらない、額賀氏の地元選挙区の茨城空港(現、航空自衛隊百里基地)に「空港整備特別会計」を浪費してる場合ではなく、国際競争力をつけるためにこそ特別会計を投資すべきと思うのだが・・・。
  

余談ではあるが、関空の人工島そのものも現在も不等沈下が続いている。 開港から累計で16mも沈下した地点もあると聞く。 空港施設などは建物そのものをジャッキアップして水平を保っている。 ただ、滑走路はそうはいかず、今後も絶え間なく補修工事を続けなければいけない・・・。 安全のためとはいえ、今後の維持コストもバカにならないのではないのか・・・。 
posted by 少彦梛 at 13:25| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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