2008年11月11日

誰か、麻生総理に教えてやれよ(笑)

麻生総理は裸の王様か? 正しくレクチャーする者がいないのだろうな・・・。
朝日新聞の電子版、「村山談話をフシュウ?」によれば、麻生総理は「踏襲(とうしゅう)」という熟語を「ふしゅう」と読むらしい。 昨年の外務大臣の時もそう読んだらしい。 そういえば、9月の臨時国会の所信表明でも「ふしゅう」と言っていた。 まあ、踏む(ふむ)という字だから間違えるのは分からないでもないが、子供じゃないんだから、誰か彼の身近で教えてやるヤツはいないのか? 麻生総理は、新聞を読まないと公言してるし、この新聞記事も読んでないだろう。 それとも、教えても教えても憶えられないのか?(笑)。 マンガ雑誌と一緒で、漢字にはルビが要るのかな? 教えてくれる者が居なかったとすると、過去の国会で数え切れない程出てきた「とうしゅう」という言葉を、麻生総理はどんな意味だと思っていたのだろう。 謎だ。 ちなみに、今や・・・というか戦後ほとんど使われない「御璽」「御名」なんて言葉は知ってる(苦笑)。 現憲法ですら「天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。」と書かれててるだけなのにね。



さて、タイトルから話しは逸れるが、麻生総理の経済政策は本当に日本の経済回復に繋がるのだろうか。 本人は元経営者を自称し、経済通を気取っているようだが・・・。

先の日曜日、9日、水戸市に於いて麻生総理が就任後初めて街頭演説を行った。 読売新聞の電子版「就任後初の地方遊説」によると、
「生活者支援や中小企業金融に(資金が)回っていくような仕組みになっている。ぜひ内容を見てほしい」
「小負担で中福祉はできない。景気対策をして、経済のパイが大きくなったところで、介護、福祉、医療に使わせてもらうため、消費税を上げさせてほしい」
などとぶったそうだ。
時事通信社の電子版には、
「平均寿命が長くなったら、制度が同じで持つはずがない。米国みたいに低負担で低福祉にするか。北欧みたいに消費税がものすごく高くて福祉も高いのにするか。それとも中福祉・中負担にするのか、みんなで考えないといけない」
と発言したとも記してある。

まず、その「ぜひ内容を見てほしい」というその追加景気対策についてだが、以前当ブログ「低レベルの政策審議より、さっさと解散を」でも触れた、10月30日付けの『生活対策』を見ても、「中小企業金融に資金が回っていくような仕組みになっている」とはとても言いがたい。 中の「具体的施策」の「5.中小・小規模企業等支援対策」を見てもらえば、麻生総理が言ってることと中身が異なるのは分かるだろう。

主な内容は、1・政府系金融機関等による貸付枠拡大、信用保証協会による緊急保証枠の拡大、2・中小企業対策税制、人材確保などの補助金のばらまきだ。 1の「貸付枠拡大・保証枠の拡大」は既に今の臨時国会の補正予算で9兆円分が可決成立しているもので、更に21兆円追加するという。 そもそも、融資をしたからどうなるというものではあるまい。 仕事がなければ中小も結局立ち行かなくなるのだ。 それは、バブル崩壊後の銀行への資本注入に併せて行われた、前回の融資保証枠の拡大政策でも多くの企業が倒産したことで経験済みだ。 保証は無いよりマシという程度だろう。

ちなみに、今年から金融庁の検査官が銀行への監査を厳しくし、例えば毎月きちんと返済をしているので、銀行が「要注意先」としている中小企業でも、金融検査マニュアルを厳格に適用して「破綻懸念先」にするよう(つまりは貸し倒れの引当金を銀行に積みますよう)銀行を指導してきたと聞く。 銀行も金融庁の指導を拒否できようもなく、「破綻懸念先」に位置づけられた中小企業に対して「貸し渋り」「貸しはがし」をせざろう得ない。 

ところで、貸し渋り、貸しはがしをせざろう得なくなった、特に地銀だが、先週末までに9月決算報告をした90余りの銀行のうち25行が赤字(期末業績予想含む)。 69行が最終利益を下方修正だ。 赤字見込みが115億円と最も大きい某銀行は、貸し出し先がなく、仕組債(サブプライムローン債権などを組み合わせたもの)などの有価証券に利ざやを求めて、大きな損失を負ってしまった。 政府は金融機能強化法の改正案を急いでいるが、集めたお金を「バクチ債権」に突っ込んだ農林中金や、デタラメ融資が問題になってる新東京銀行にも、公的資金申請時には経営責任を問わないと政府与党は言ってる。 馬鹿げた話しだ。

どこに問題があったか、誰の責任か、その所在をはっきりさせなければ将来同じことを繰り返す。 米国では、元FRBのグリーンスパンが喚問され、一部といえど非を認めたではないか。 先のバブル後の公的資金注入時も経営責任を問わなかったツケが、今回また出てるのだ。 そもそも、米国の金融危機に対し、麻生総理は「日本のバブル崩壊後の教訓を生かす(要旨)」と息巻いてるが、だいたい、日本の公的資金注入や債権回収機構の「良かった点「悪かった(失敗した)点」が総括され、利点・欠点が整理されていなければ、国際社会は日本と同じ過ちを犯してしまう。(もっとも、主要な諸外国は、独自に当時の日本の政策の分析は終わり、より良い対策案を練っていてるだろう。 次回のG20での日本の発言などはどの国も相手にすまい。 各国の関心は、日本がどれだけ自国の国債を購入してくれるかであり、いわば金ヅルだ。)

中小の企業は、昨年、米国のサブプライムローン問題に発展した「住宅バブル」が弾けたことを発端に米国需要(輸出)が落ち込み、その影響で下請けの仕事がしだいに減ってきて、既に疲弊していた。 その分を低賃金の派遣労働者を使い、人件費を抑えることで企業としては何とか経営を維持してきたのだ。 「いざなぎ景気越え」などと政府や日銀の『大本営発表』の裏で、日本の経済は確実に蝕まれていたのだ。 当ブログでも『今日のは・・・支離滅裂だな(2/10)』で政府の経済対策の無為無策振りを取り上げたとおりだ。 その上で、今年から始まった貸し渋り、貸しはがしで、中小は踏んだり蹴ったりだ。 年末の支払いの資金繰りがつかず、倒産件数は更に増えるのではなだろうか。

そこに、鉄を始め原材料費や原油の高騰、また、発注会社からの値下げ圧力もあって、いよいよ中小はやっていけない状況だ。 米国の不況は更に進み、外需頼みの日本経済は益々疲弊する。 そもそも、9月15日にリーマン・ブラザーズが日本の民事再生法に相当する連邦破産法11章の適用を裁判所に申請し、米連邦準備理事会(FRB)が17日に保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)へ公的資金注入を注入することが判っていたのだから、先日可決した補正予算で最初から「貸付枠拡大・保証枠の拡大」を30兆円とすべきだった。 また、今回の21兆円増額の手当ての2次補正・関連法案も、いつ国会に出せるのか、その見込みすらたっていない、いわば空手形だ。


もうひとつの「生活者支援」の『定額給付金』は迷走の末やっと与党案としてまとまった。 所得制限はせず全ての世帯に給付し、高額所得者には自ら進んで辞退して欲しいと政府は言う。 これではもう「政策」ではない。 完全なバラマキだ。 しかも、選挙での票目当ての。 そもそも、福田前総理の時から、「定額減税」というバラマキを与党・公明党が言い出したものだろう。 自民党が愚にも付かない総裁選というお祭騒ぎをしてる間に、与党たる公明党がきちんと提案を纏めていればこんなにも迷走はしなかったはずだ。 「定額減税(給付)」というバラマキをアピールさえすれば、総選挙に突入して票を取れると踏んだのではないか? これまでの迷走は、公明党が、端から真面目に取組んでこなかった証ではないか。 そして、野党が多数を占める参議院で、関連法案が素直に通るとは思えない。


そもそも、経済の落ち込みで税収が5兆円は落ち込みと言われているのに、今回の『生活対策』で5兆円、併せて10兆円をどこから捻出するのか。 これまで政府がナイナイといい続けて来た埋蔵金(特別会計)からか? しかし、当てにしていると言われる、「財政投融資特別会計の金利変動準備金」の20兆円は為替が1ドル=99円で既にパーだと聞くし、もうひとつの柱と言われる「労働保険特別会計の積立金」も、今後の不況で失業者が増加することを考えれば、安易に取り崩して他に使うのは如何なものかと思う。

麻生総理が胸を張って言う「内容」や「仕組み」とは、その程度の愚策なのである。


また、「景気が良くなったなところで、介護、福祉、医療に使うため、消費税を増税」というが、逆ではないか。 消費税増税の是非や、税制のあり方についてはひとまず横に置いておく。 しかし、介護、福祉、医療といった産業、また、1次産業などを発展させることこそ、景気浮上のきっかけになるのではないか。 主に外需頼みの2次産業は、今後の世界不況の中においては、一部の特殊な技術を持つ企業を除けばなかなか経営は改善すまい。 世界的不況は当面、少なくとも5年は続くだろう。 アメリカの経済も底を打つのは2011年以降という経済評論家もいる。

国による福祉レベルはどうあるべきか、国民として議論するのは必要ではある。 ただ、現在の「障害者自立支援法」のように、自立可能な人も、重度の障害を持ち自立が不可能な人も、全て一緒くたに扱う(一律1割負担)のは問題大有りだ。 何らかのレベル毎に受けられる福祉のレベルを変える必要はあるだろう。

閑話休題

本来の転換期はとっくに過ぎてはいるが、今、日本は内需拡大に大きく政策を転換せねば近々に立ち行かなくなる。 そして、土建国家よろしくハコモノ・道路などのハード建設による内需刺激策は限界にきている。 金融立国もアイスランドの例を見るまでもまく、破綻してしまった。 残るは、今すぐにでもソフトへの傾斜生産方式を取るべきだろう。 ソフトとは人材そのものである。 その意味で、人・物・金のリソースが全く足りない「介護」「福祉」「医療」にこそ重点的に税金を投入していくべきではないだろうか。 できれば、海外からも「日本の医療を受けたい」と来日してくるように。 また、農業など1次産業も重要である。 地産地消、商品価値の高い作物の輸出などの促進など。 他には、新規参入を阻む「農地法」などの改正により農業参入の規制緩和も雇用対策、地域経済の活性化に繋がる近道だと考える。


追記:地銀の赤字、金融機能強化法の改正のくだりを追記しました(11/12 3:10)
posted by 少彦梛 at 22:01| Comment(2) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
何時もコメント頂き有難うございます。

ご紹介の時事通信記事ですが、
首相の認識は酷いものですね。

北欧が高負担・高福祉(でもないそうですが…)なのはともかく、
http://plaza.rakuten.co.jp/gaksuzuki34/
>米国みたいに低負担で低福祉
は嘘八百ですね。
アメリカは高負担・低福祉なのですがね…
http://www.news.janjan.jp/government/0506/0506238752/1.php
http://plaza.rakuten.co.jp/republicMJ/diary/200706080000/

今の日本で奇跡的に成立している
低負担・中福祉は何時までもつことやら…
Posted by うろうろドクター at 2008年11月12日 06:32
うろうろドクター様
ご訪問、ならびに、コメントを頂きましてありがとうございます。 m(_ _)m

> 首相の認識は酷いものですね。
9−17(?)の勤務じゃなく、せめて平日は毎日21時くらいまで、次官クラスと政策を詰めるなど、日本の「患部の治療」のために仕事を(勉強も・笑)して欲しいですね。
ホテルのバーで一杯はその後でもいいでしょう(苦笑)。
Posted by 少彦梛 at 2008年11月13日 00:12
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。