2009年03月03日

2つの裁判

西日本新聞の電子版「取り押さえ死 警官1人の審判決定」によると、佐賀市において2007年9月に知的障害者の男性が自転車で帰宅中、道路を蛇行運転したとして警官が彼を呼び止め保護した後この男性が亡くなるという事件について、遺族である父親が佐賀地方裁判所に求めていた「付審判請求」について、警察官5人のうち1人を『特別公務員暴行陵虐罪』で審判に付す決定をしたという。

この事件は、警察側は通常の保護で適正に行われたとし、保護と男性の死亡にも因果関係は無いとしてる。 ところが、警察官が何度も殴っていたという目撃者もいて、遺族が昨年1月に警察官を特別公務員暴行陵虐致死容疑で佐賀地検(検察)に告訴したが、地検は同3月に「適正な保護行為だった」とし警察官5人を不起訴処分とした。 また、警察側も暴行については否定している。

この事件については、警官側の言い分が事実と異なるのではないかと、幾度か報道されていたと記憶している。

他にも、高知県で2006年にスクールバスと県警の白バイが衝突し警察官が死亡した事故で、運転手は業務上過失致死罪に問われ禁固1年4月となったが、バスのスリップ痕が警察側に捏造されたものではないかとの検証報道もあった。 バスに乗っていた生徒の証言や警察側の発表を元に行った再現実験とタイヤのスリップ痕があきらかに異なるという。 しかし、この告訴は、高知地検は不起訴としたものの高知検察審査会が不起訴不当を議決した。 ところが、高知地検は「再捜査したが、偽造されたと認められる証拠はない」とし再び不起訴としている。 どういった「捜査」をしたのか不明だけれど・・・。


私は、この「付審判請求」という制度があることを初めて知ったのだが、「起訴権を独占する検察の裁定をチェックする目的で制度化されている」という。 今回は、審判される警察官が被告となり、検察の代わりに裁判所が指定した弁護士が原告となるのだが、恐らく弁護士に捜査権はないのだろうから「真実」を明らかにするのは通常の刑事訴訟より難しいと思われる。

公務員の職権濫用など、権力を行使する側の行きすぎをチェックする審判であるから、事件を目撃した方は進んで証言台に立ち、観たままを証言して欲しいと思う。



ところで、今日はもう一つ、裁判について・・・。

時事通信社の電子版「マンナンライフを提訴」によると、昨年、兵庫県で1歳児がマンナンライフ社の「蒟蒻(こんにゃく)畑」という『味付き こんにゃく』を咽喉に詰まらせ死亡した事故で、同社に損害賠償を求める訴訟を起こしたという。 同社の「蒟蒻畑」は大きさがのどをふさぐ程度で、硬さや弾力性がのみ込みにくいものとなっており、容器の形状を考えると設計上の欠陥があると主張しているらしい。

お亡くなりになったお子さんには、ご冥福をお祈り致します。

しかし、そもそも「こんにゃく」を1歳児に食べさせること自体が間違いなのではないだろうか? しかも冷凍していたものを半解凍した状態だったらしい。 お子さんを亡くしたご両親には同情はするが、製品そのものに問題があるのではなく、食べさせた人物に責任があるのだと思うのだが・・・。

「蒟蒻畑」などのようなポーションタイプの味つき蒟蒻は「こんにゃくゼリー」等と呼ぶ報道が多いが、ゼラチンで作った「ゼリー」ではない。 あくまで「蒟蒻」であることを消費者は知っておかなければならない。 逆に「こんにゃくゼリー」等と呼ぶ報道が『ミスリード』なのである。

また、一部団体などでは、韓国やオーストラリア(だったかな?)など諸外国は「蒟蒻畑」のような食品を販売禁止していることを引き合いに出して、販売中止を求める動きもみられる。 しかし、それはあくまで食文化の違いである。 そもそも、蒟蒻を食べるという食文化を持つのは日本くらいのものだ。 日本の食文化を、咽喉に詰まる恐れがあるといって全て禁止するなら、餅なども全て禁止しろということだ。 野田消費者行政担当大臣などはマンナンライフ社に製品の販売を中止するよう求めた時の記者会見で、「餅は咽喉に詰まるものだという常識を多くの人が共有している」(要旨)と発言していたと記憶している。 

しかし、国民生活センターの「こんにゃく入りゼリーによる死亡事故一覧」によると、1995年以降22件の死亡事故が発生しているとしているが、餅やを咽喉に詰まらせ亡くなった人は年間100人単位だ。 厚労省によると、平成18年中に食品を原因とする窒息で救命救急センターなどに搬送された事例は、把握できた計803例の内、餅は168例という。 咽喉に詰まることはあまり知られていない「ご飯(米)」で亡くなる人も多いとも聞く。 昨年は小学生が給食のパンを咽喉に詰まらせ亡くなったケースも報道された。 つまり、食品はどんなものでも「咽喉に詰まる可能性があるということなのだ。

「蒟蒻畑」に罪はないだろう。

逆にいうと、野田大臣の、改善要請に名を借りたマンナンライフ社への製品の販売中止を求めた行為などは、明らかに行政の行き過ぎた権力行使ではないだろうか? 要請対象は同社のみだったとも聞く。
posted by 少彦梛 at 23:54| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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