2009年04月06日

ジャパン・パッシング2…ひとり騒ぐ日本

昨日、5日、北朝鮮が「人工衛星」を打ち上げた。 米国は、北朝鮮の衛星は軌道にのらなかったとの公式見解を示した。 読売新聞の電子版、「ミサイル発射を米中露に事前通告」によると、韓国の聯合ニュースは『北朝鮮が米中露3か国に対し、おおよその発射時刻を事前に伝えていたことを明らかにした』と報じたという。 『韓国の李明博大統領は人工衛星打ち上げ直前の5日午前、国家安全保障会議を招集したが、これは米国から情報提供があったためとみられる。』と報じられている。

ところで、同じ情報を日本政府も米国から得ていたのだろうか? 韓国にも情報提供されたなら日本にも伝えられていたと思いたいが・・・。 たぶん米国からの情報は無かったのではないか?

自国の脅威でもないはずの「北朝鮮中長距離ミサイル発射」で馬鹿騒ぎしてる日本政府に愛想がつきた米国は、日本政府に通告していなかった可能性が高いと思われる。 なにしろ日本政府は、一昨日、4日に「飛翔体発射」の誤報をしたばかりだし、米国・米軍としては日本政府に足を引っ張られることを恐れたと考えられる。 あくまで私個人の想像ではあるが・・・。

何故そう思うか?

まず、中露に事前連絡をするのは、北朝鮮としては数少ない味方をしてくれそうな国に対して仁義を切るのは当然なのだろう。 特に、前回06年のテポドン2打ち上げではロシアに通告せずにロシア沿岸に向けて発射実験を行い、ロシアも庇いきれず(怒りを買い?)、結局国連の安保理において全会一致で「国連安保理決議1695」、つまり北朝鮮への『弾道ミサイル計画に関わる全ての活動の停止を要求』が採択された。 それを踏まえると、北朝鮮としては国連安保理の拒否権を持つロシアは無視できない。

また、中国は、恐らく北朝鮮の今回の打ち上げについては計画当初から相談していると思われるフシがある。 中国も米国とは事を構えたくないだろうし、中国に見放されたら北朝鮮は国家として自滅してしまう・・・。 米国と再び戦端を開かない無いよう、今回の人工衛星打ち上げについて北朝鮮は中国に充分事前説明を行ってるはずだ。 中国も、自国の経済を考えれば、北朝鮮の暴発を庇ってまで米国を敵に廻したくは無いだろう。

そして、米国に通告したのは・・・。 米国との直接、2国間協議をしたいという意思の表れでもあろうが、「中露にも通告してあるので、ロケット(?)の一段目の回収はできないぞ」という意思表示ではないだろうか? 今回の打ち上げで北朝鮮が一番恐れることは、発射体の1段目、2段目が日米に回収されるではないか。 これが米国の手に渡り、徹底分析されると、北朝鮮の技術力・テポドンの性能が丸分かりなる。 北朝鮮としてはは何としても阻止したいだろう。 特に1段目はロケット技術の総力を注いでいるだろうから・・・。 もちろん、北朝鮮はロケットの1段目を落下途中で自爆させたとも考えられる。


報道ではほとんど触れられていないが、米軍は、今回の北朝鮮の人工衛星打ち上げにかなりの戦力を割いていたようだ。 米国に3機しかない偵察機コブラボールを2機派遣し、イージス艦を含む多数の艦艇を日本海に展開した。 もしかしたら、極秘裏にロケットの1段目を回収していることもあり得る。

話を戻すが、米国が北朝鮮からの人工衛星打ち上げの通告を日本に知らせなかったと思うのは、日本政府が1段目の落下点の特定をしていないからだ。 これまで、日本政府が呆れるほどの大騒ぎしたのにも係わらず・・・。

読売新聞の電子版、「緊迫のミサイル追尾」にあるとおり、まず最初に大陸側に配備された日本のイージス艦「こんごう」が舞水端里の基地から飛翔体の発射を探知。 続いて、米軍の早期警戒衛星がとらえた発射情報が入る。 その後、日本側に配備されていた「ちょうかい」が探知して飛翔体の弾道を弾き出したという。

軍事素人の私でも想定できる、極めてアタリマエのシーケンスだ。

ちなみに、仮に米国の早期警戒衛星からの入電があったとしても、日本国内のレーダー探知情報が千葉のガメラレーダーのみで即「発射」と思い込む防衛幹部達の情報分析力は、民間の中小企業の管理職以下だ(笑)。

話が逸れたが、飛翔体の1段目の落下点について、日本政府の発表は極めてあやふやだ。 秋田県をはじめとする日本海側の漁協や自治体は、「1段目の落下点の経度緯度も分からないのか」と怒り心頭だ。 落下点がある程度判明すれば、安否確認が迅速にできるからだ。

イージスはそのレーダー情報は基本的にリンクしている(海自だけではなく、日米間においても)。 少なくとも、海自の「ちょうかい」が北朝鮮の飛翔体をレーダー補足したことは大陸側に配備された「こんごう」のCICには分かってるはずだ。 だとすると、本体の追尾は「ちょうかい」に任せ、「こんごう」は1段目の落下追跡任務に集中すべきだったろう。 日本海海上とその上空にある日本籍の航空・船舶の保護を真っ先に考えれば、本来の自衛行動としてそれが当然だ。

そう考えを進めると、「こんごう」も弾道軌道を飛翔する本体を追尾しつづけ1段目の落下を追尾せず、1段目の落下点を特定することをしなかったのではないか。 米国からの発射情報が入っていなかったため、1段目の落下追尾を指示する余裕が海自本部には無かったためだと推測する。 米国の「日本無視」があったのだろう。

むろん、日本政府が弾道の追尾にのみ関心を向け、飛翔体の1段目の落下とその回収に興味がなかったのではないか。 せっかくの北朝鮮のミサイル技術に対する情報収集の機会を、みすみす見逃したのだ。 それだけでも内閣総辞職ものの責任のはずなのだが、誰も追及しないのはなぜだろう。

そもそも、政府与党、特に麻生総理は、今回の北朝鮮の行動を自らの政権浮揚と支持率アップの道具に使ったのだろう。 1段目の落下点がはっきりしない状況を鑑みれば、ますます、本当に国民の安全を考えたとは思えない。 もしかしたら、自公与党と北の将軍様は実は裏で気脈を通じているのではないかと勘ぐりたくもなる(苦笑)。

海上のイージス艦は、報道各社がミサイルにビビって撮影にすら行かなかった・・・(まぁ、航空機をチャーターするとコストもかかるし)。 その仕事振りは、全く報道されてないと言ってもいい。




ちなみに、イージスシステムは一度に多数の目標を捕らえ追尾できると言われているが、それはあくまで大気圏内の通常兵器の話であり、弾道軌道を飛行する物体についてはレーダーのビームをそこに1点集中しているからこそ追尾できる(と聞いている)。 つまり、弾道体を追尾しながら切り離した1段目も同時に追尾することは困難であろうと推測される。


また、今回、弾道ミサイル防衛の地上迎撃システムとしてPAC−3が繰り返しマスコミに取り上げられたが、ネット検索などを総合するととても国民をミサイルから防衛できるとは思えない。 例えば、今回、東京の市ケ谷にPAC−3、高射隊2個小隊が配備されたが、市ヶ谷を基点に防衛できる範囲はせいぜい東京23区内のようだ。 しかも、十数から数十発のミサイルが飛来すれば防ぎようがないらしい・・・。 2010年までに、国内に16小隊を整備する計画だという。 たった16小隊である。
 
その程度のPAC−3の数で日本国民を弾道ミサイルから守れるはずも無い・・・。 専守防衛ではなく、反撃のために自衛隊の基地を防空するだけで手一杯であろう。

しかも、PAC−3でのミサイル迎撃は、上空で破壊した相手の弾道ミサイルの破片が地上に落下することを許容して開発されていると聞く。 今回の北朝鮮のロケット(?)が万が一にも日本に落下すると判断し、それを撃墜する場合、事前に国民を地下や屋内へ非難させなけれいけないのだが、そういったアナウンスや非難訓練を政府は一切行ってこなかった・・・。 もちろん、多くの自治体でもそのための行動を起こしておらず、ただ行政無線などで「打ち上げました」と通報しただけだ。 日本政府の行動は、とても、国民の生命を守るという姿勢が見られない・・・。


閑話休題

日本政府は、国連安保理において新たな北朝鮮への制裁決議を採択すべく働きかけをしてるというが、中露だけでなく、他の非常任理事国にも賛同しない動きがあるという。 ただひとり騒いでいる日本」の主張は、米韓とその友好国以外にはまたもや「パス」されているようだ・・・。

posted by 少彦梛 at 22:27| Comment(0) | 軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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