2009年05月18日

正しい情報とは?

「最も重要なことは正確な情報に基づき行動すること。情報をできるだけ迅速に皆様に提供したい。国民の皆様も引き続き、正しい情報に基づき、冷静に対応いただくようお願いします

読売新聞の電子版「正しい情報で冷静に対応を」で報じられたとおり、H1N1新型インフルエンザの発生が明らかになってから舛添厚労相が記者会見で繰り返し発言しているのが上記の言葉だ。

ただ、舛添厚労相の言う「正確な情報」とは何ぞや? これまで厚労省は新型インフルエンザについての情報を国民に「迅速に提供」してきているのか? 甚だ疑問である。 そもそも、『どんな情報』が国民の生命を守るために必要なのか判ってるのだろうか?


政府が所謂「水際対策」を喧伝している間に、新型インフルエンザはその検疫体制をすり抜け、国内、現在は兵庫県と大阪府で2次感染が急速に拡大している。 奈良県でも約9万人の高校生の内3千人が学校を休み、千人を超える生徒や教職員インフルエンザの症状を訴えているという。 新型インフルエンザの感染が確認された人数では、メキシコ、アメリカ、カナダに続き、日本はいきなり世界で4番目の罹患数に躍り出た・・・。

同じ島国のイギリスでは、17日現在、罹患者は101人だという。 イギリスでは4月の最終週くらいに新型インフルエンザ感染者が確認されたと思うが、そのイギリスでは数年前に起きたSARS(重症急性呼吸器症候群)禍の際に水際対策を行ったが、結局SARSウィルスの上陸を水際で阻止できなかったことから今回の新型インフルエンザでは特別な検疫体制は採らなかったと聞く。 

むろん、もとより日本とイギリスで、日頃の検疫の体制そのものに違いはあるだろう。 しかるに、イギリス国内での今回の新型インフルエンザの感染のスピードをはるかに超える速さ(にみえる)で日本国内の感染が広がっている理由は何だろう?


読売新聞の電子版「水際対策から国内対策へ転換を」によると、今月9日には国立感染症研究所・感染症情報センター長のの岡部信彦氏が『濃厚接触者の一部が検疫をすり抜けていることなども踏まえ、「水際対策の次の段階として、国内に感染が広がった場合も想定した医療体制を考えなければいけない」』と警告している。 また、さらに遡ると、5月1日付けの産経新聞の電子版「予想より脅威低い?」でも米国の専門家の意見として「特別深刻な脅威であると信じる理由は見あたらない」などと報じられている。 オバマ米大統領も「今後の強毒性への変異を警戒を怠ってはいけない」としつつ、「通常のインフルエンザと同じである可能性」を米国民に向けて会見を行っている。

また、今回のH1N1新型インフルエンザが「弱毒性」であろうということも新聞の報道やTVのニュースでは報じられてはいるものの、昨日まで政府・厚労省から「正確な情報」は無い。 今日の知事会や橋下大阪府知事などの要請で、漸く「これまでの季節性インフルエンザと同様」との舛添厚労相の発言があったようだ。 この発言が「正しい情報」に基づいた発言とはちっとも思えない。

『なんとなく状況を見てると高病原性ではなさそうだし、大阪府や兵庫県の各自治体や発熱外来指定病院がパンクしてるから、特に根拠は無いけどしかたない・・・』という感じがありありだ。 そう感じるのは私だけだろうか?



まあ、舛添厚労相の言う「正確な情報」というのが何なのかよく分からないが、政府の新型インフルエンザ対策の『マニュアル』と今の医療体制は全面的に見直さなければいけないことだけは分かった。

今回のH1N1新型インフルエンザは今のところ低病原性のようであり、既往症などがなければ国民の生命を脅かすものではないようだ。 朝日新聞の電子版「ドクターは戦場にいるような状態」によると、神戸市の中央市民病院ではインフルエンザ対策(陰圧)用のベットは既にほぼ満床で、発熱相談センターへの電話相談もパンクしているようだ。 発熱外来も、処によっては屋外にテントを張ってなんとか対応していると聞く。 医療機関は完全にオーバーフロー、オーバーロードの状況にある。

今後は、症状の軽い感染者は自宅待機、自宅療養となるようである。


しかし、これがもし「高病原性ウィルス」だと想像すると、現状の医療体制(医療設備、ベット数、人員数など)ではとても診療は無理だろう。 これまでの厚生行政の失政のツケが国民に廻ってくる結果となる。

今後、新たなウィルスの発現によって国民に多数の死者がでた場合、それは天災ではなく、もはや人災である。
posted by 少彦梛 at 23:09| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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