2007年08月24日

中華航空機炎上事故に思う

那覇空港の駐機場で炎上事故を起こした中華航空。 台湾政府は、副総統が機長らを「避難誘導で見せた機知と態度をみんな学ぶべきだ。最高の敬意と感謝を伝えたい」と称賛し、また、「機長は乗員乗客全員が脱出した後、危機一髪の状況で機体から離れ、人々に感動を与えた」ことは高い職業意識に基づく行為として称賛、記念品のカップを贈ったそうだ(陳水扁総統は外遊のため不在)。 

台湾では、機長らを、「乗客全員を無事避難させた英雄」として取り上げ、美談にしたいようだ。 まぁ、大きな事故を多数起こしてきた中華航空と台湾政府として、事故を起こしたことによるイメージの更なる低下を避けたい思惑があるのだろうが、それはちょっと待ってと言いたい。

今回、この事故で一番賞賛されるべきは、那覇空港の現地整備員であった中華航空の社員ではないかと思う。 機長が褒められることは、せいぜい乗客乗員が避難をしたのを確認(本当にしたかわ分からないが)し、最後に機を降りたことぐらいではないか。


燃料漏れを発見した整備員は、いち早く提携しているJTAの整備士に報せ機長に連絡をとった。 あまつさえ、たぶん焼け石に水と知ってはいただろうが、消火器での消火活動を行った上に爆風で飛ばされて怪我を負っている。 彼がいなければ、今回、多くの乗客が死傷していたことだろう。 
それから、乗客の証言によると、客室乗務員の避難誘導は無いに等しい模様であり、全員避難できたのはあくまで乗客自らの判断によるすばやい行動に拠るものであろう。 その証拠に、大炎上を起こしていて、本来避難に使用すべきではない左翼側のシューターで脱出した乗客もいる(その後、左翼爆発)。 乗員がきちんと誘導していれば危険の高い左翼側からの避難指示はありえないだろう。


今回の事故は、調査によれば、燃料タンクに組み込まれている主翼前端部の可動翼(スラット)を動かす装置から脱落したとみられるボルトが燃料タンクを突き破り、そこから燃料が漏れたととのことだ。
ボルトが脱落した原因は、製造工程によるミスなのか整備上のミスなのかは不明であるが、ボーイング社は過去にも同様な事例が2件発生していたことから、2005年(だったと記憶しているが)に整備上の指示を各航空会社に指示しているという。 この指示が徹底されていれば、今回の事故は発生しなかったかもしれない。

中華航空と台湾当局は、機長を英雄視したり機体のロゴマークを消したりする前に、機体の整備点検にミス見逃しを生じさせないような対策をいち早くとることが先決であろう。 そうでなければ失った信頼はけして戻ってくることはないだろう。
posted by 少彦梛 at 18:00| Comment(2) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
世の中の矛盾や裏の裏 この国は、官僚や官僚をコントロールする悪に食いつぶされてしまう流れになって気がします。
Posted by チャーリー at 2007年08月26日 21:01
チャーリーさんへ
私の小難しい(笑)ブログを読んでくださってありがとうございます。
m(_ _)m
> 悪に食いつぶされてしまう流れになって気がします。
そうですねぇ。
行政(公務員)や政治家は、国民から負託された税金を公正に、かつ、効率的に再配分する仕事を委託されているだけだと思うのですが・・・。
Posted by 少彦梛 at 2007年09月12日 03:42
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