2007年08月15日

障害のある方の働き場所

14日の読売新聞電子版で「委託費を2008年度予算概算要求に盛り込む」という記事が掲載された。 中小企業の障害者雇用を促進するため、事業主向けの相談窓口を設置し来年度の概算要求をするそうだ。

「障害者雇用促進法」では、従業員56人以上の一般企業には障害を持つ方を1.8%以上雇用すべき法律上の義務を定めている。 例えば、57人の従業員に内1人が障害を持つ方であれば、従業員比で1.75%→四捨五入で1.8%ととなりOKと思われる。 大企業にくらべ、ほどんどの中小企業では障害者雇用が遅れており、今回はその対策であるらしい。

しかし、この相談窓口設置で、本当に障害のある方の雇用機会が増えるのだろうか。 まるで、社会保険庁の年金問題の申告主義と同じで、「相談に来い」といったスタンスにみえる。 また、「障害者の就労能力や適性、職場環境の整備など、受け入れに必要な情報」を提供していくとのことだが、今多くの中小企業が苦しい経営状況にある中、情報を聞けば聞くほど更に障害のある方の採用を敬遠したくなるのではないか。

また、「事業主を対象にした啓発セミナーや、障害者団体との交流事業なども開催する」とのことだ。 啓発自体は重要で大切なことであるし必要だと思う。 しかし、もしこの事業にどこかの「独立行政法人」が絡むようなら、また天下り団体へのバラマキが疑われることになろう。

これでは、いくら税金を投入しても、障害のある方の雇用機会は増えないのではないか?
これまでも中小企業で障害のある方の雇用が無いのは、「義務化はされているが、その義務を怠ったことに対するペナルティがない(未確認)」ため多くの企業でこの法律を遵守せず、結果、障害のある方の雇用が増えていないのではないかと思う。

そして、障害についてもいろいろである。 車椅子の人、手の自由がきかない人、目や耳が不自由な人、そして知的障害のある人さまざまだ。 どの人にも出きることと出来ないことがある。 それは致し方ない。
 どうも、厚生労働省は障害者をひとくくりにして扱ってはいまいか。 今の「自立支援法」をみてもその思いを強くする。 そして、就労に対する思いも様々だろう。 生活のために仕事をしたい人。 なにかしら社会との係わりを持って生きていく手段のひとつとして、仕事に思い入れのある人。 健常者には分からないだろうが、金を稼ぐだけが働く目的では無い人もいるのだ。 

閑話休題
障害をもつ方の就労を促進するには、それぞれに出来る仕事のレベルに合わせて支援が必要であろう。 例えば、足の不自由な人に外回りの仕事に就けといっても難しいだろう。 内勤となると事務職だろうが、派遣社員が主流の今、なにか特別な資格でもなければ事業主も義務だけで採用を躊躇しよう。

厚生労働省は、障害をもつ方の状況に合わせて資格を取得するのための教育支援を行うといった施策をすべきであろう。 また、採算が取りにくく一般企業が進出し難い分野で、かつ、本来は社会にとって必要な事項を提供するような授産施設などを創り障害のある方に就労してもらう施策も必要なのではないか。
障害のある方が少しでも自立できるように「行動する」政策を施すことが「真の障害者自立支援」ではないかと思う。

既に自立できている人も、また、重度の障害があって自立そのものが実質困難な方も、彼らを一緒くたに扱う今の自立支援法では「障害のある方の働き場所」を奪うばかりでなく、障害者の働き場所の拡大にはつながらないであろう。

posted by 少彦梛 at 11:43| Comment(2) | 福祉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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