2010年08月15日

記念日?

 8月15日は、日本における「終戦記念日」

えっ? 「終戦」・・・ですか?
『敗戦』でしょ?

 敗戦から半世紀、今年、65年目を向かえて未だに「終戦」と言い張る政治家とマスメディア・・・。

「負けた」のではなく「終わった」といい続けている限り、日本はかの戦争を総括できないし、負けた本当の理由(原因)と歴史上の真実をはっきりさせることなくしては、本当の「今後の日本国家」について語ることも、また、「日本」を国際的に自立できる国になることは無理だろう。

 軍官僚の暴走、または、彼ら官僚達が自らの責任逃れのために国民を死地に送り、戦争を賛美し、反戦を唱える者を弾圧し、各戦地での負け「玉砕」の言葉で賛美する・・・。

 当時の大東亜戦争と太平洋戦争で負けた真の理由は、結局はs当時の官僚の自己栄達と自己保身を優先させたために国民に「堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び」を国民に強制させ続けさせた事実を無視し、負けるべきして負けた戦争には自ら誰も責任を負わず、責任追求に耐えられない自らの弱さを知られることを恐れて自刃した将校も多いだろう・・・。

 それでも、先の大戦の果たした意味と敗戦の理由を真剣に考えず、敗戦を「終戦」と言い換えて、国内では一億総国民が被害者であったように錯覚させ、某公共放送でさえ「可愛そうな当時の国民たち」の特番を垂れ流す・・・。 (もちろん、某公共放送は率先して「大本営発表」を嘘と知りながら垂れ流してきた。 もちろん、大手新聞社も・・・。)


 日本は、先の大戦で敗北した真の理由を真面目に議論すべきだろう。 もちろん、軍備が足りなかったせいでは無い。 ハードではなく、ソフト・・・、特に中枢に問題があったのではないかということに・・・。


 蛇足ではあるが、海軍将校だった元首相や戦犯に問われた祖父を持つ元首相らが「8月15日に靖国神社の英霊に参拝しないのは・・・(どうのこうの)」と言う前に、戦後、昭和天皇が何故靖国を参拝しなかったのか、真面目に考えてみるべきだろう。 国に殉じた英霊に敬意を示すとか示さない以前の、彼らの頭の中は本質的に物事を考えたことがないのだろう。 つまりは、他人の言いなりなだけだったのではないか?


 もう一度いうが、8月15日は、日本の「敗戦の日」なのである。


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posted by 少彦梛 at 21:00| Comment(8) | 軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月06日

ジャパン・パッシング2…ひとり騒ぐ日本

昨日、5日、北朝鮮が「人工衛星」を打ち上げた。 米国は、北朝鮮の衛星は軌道にのらなかったとの公式見解を示した。 読売新聞の電子版、「ミサイル発射を米中露に事前通告」によると、韓国の聯合ニュースは『北朝鮮が米中露3か国に対し、おおよその発射時刻を事前に伝えていたことを明らかにした』と報じたという。 『韓国の李明博大統領は人工衛星打ち上げ直前の5日午前、国家安全保障会議を招集したが、これは米国から情報提供があったためとみられる。』と報じられている。

ところで、同じ情報を日本政府も米国から得ていたのだろうか? 韓国にも情報提供されたなら日本にも伝えられていたと思いたいが・・・。 たぶん米国からの情報は無かったのではないか?

自国の脅威でもないはずの「北朝鮮中長距離ミサイル発射」で馬鹿騒ぎしてる日本政府に愛想がつきた米国は、日本政府に通告していなかった可能性が高いと思われる。 なにしろ日本政府は、一昨日、4日に「飛翔体発射」の誤報をしたばかりだし、米国・米軍としては日本政府に足を引っ張られることを恐れたと考えられる。 あくまで私個人の想像ではあるが・・・。

何故そう思うか?

まず、中露に事前連絡をするのは、北朝鮮としては数少ない味方をしてくれそうな国に対して仁義を切るのは当然なのだろう。 特に、前回06年のテポドン2打ち上げではロシアに通告せずにロシア沿岸に向けて発射実験を行い、ロシアも庇いきれず(怒りを買い?)、結局国連の安保理において全会一致で「国連安保理決議1695」、つまり北朝鮮への『弾道ミサイル計画に関わる全ての活動の停止を要求』が採択された。 それを踏まえると、北朝鮮としては国連安保理の拒否権を持つロシアは無視できない。

また、中国は、恐らく北朝鮮の今回の打ち上げについては計画当初から相談していると思われるフシがある。 中国も米国とは事を構えたくないだろうし、中国に見放されたら北朝鮮は国家として自滅してしまう・・・。 米国と再び戦端を開かない無いよう、今回の人工衛星打ち上げについて北朝鮮は中国に充分事前説明を行ってるはずだ。 中国も、自国の経済を考えれば、北朝鮮の暴発を庇ってまで米国を敵に廻したくは無いだろう。

そして、米国に通告したのは・・・。 米国との直接、2国間協議をしたいという意思の表れでもあろうが、「中露にも通告してあるので、ロケット(?)の一段目の回収はできないぞ」という意思表示ではないだろうか? 今回の打ち上げで北朝鮮が一番恐れることは、発射体の1段目、2段目が日米に回収されるではないか。 これが米国の手に渡り、徹底分析されると、北朝鮮の技術力・テポドンの性能が丸分かりなる。 北朝鮮としてはは何としても阻止したいだろう。 特に1段目はロケット技術の総力を注いでいるだろうから・・・。 もちろん、北朝鮮はロケットの1段目を落下途中で自爆させたとも考えられる。


報道ではほとんど触れられていないが、米軍は、今回の北朝鮮の人工衛星打ち上げにかなりの戦力を割いていたようだ。 米国に3機しかない偵察機コブラボールを2機派遣し、イージス艦を含む多数の艦艇を日本海に展開した。 もしかしたら、極秘裏にロケットの1段目を回収していることもあり得る。

話を戻すが、米国が北朝鮮からの人工衛星打ち上げの通告を日本に知らせなかったと思うのは、日本政府が1段目の落下点の特定をしていないからだ。 これまで、日本政府が呆れるほどの大騒ぎしたのにも係わらず・・・。

読売新聞の電子版、「緊迫のミサイル追尾」にあるとおり、まず最初に大陸側に配備された日本のイージス艦「こんごう」が舞水端里の基地から飛翔体の発射を探知。 続いて、米軍の早期警戒衛星がとらえた発射情報が入る。 その後、日本側に配備されていた「ちょうかい」が探知して飛翔体の弾道を弾き出したという。

軍事素人の私でも想定できる、極めてアタリマエのシーケンスだ。

ちなみに、仮に米国の早期警戒衛星からの入電があったとしても、日本国内のレーダー探知情報が千葉のガメラレーダーのみで即「発射」と思い込む防衛幹部達の情報分析力は、民間の中小企業の管理職以下だ(笑)。

話が逸れたが、飛翔体の1段目の落下点について、日本政府の発表は極めてあやふやだ。 秋田県をはじめとする日本海側の漁協や自治体は、「1段目の落下点の経度緯度も分からないのか」と怒り心頭だ。 落下点がある程度判明すれば、安否確認が迅速にできるからだ。

イージスはそのレーダー情報は基本的にリンクしている(海自だけではなく、日米間においても)。 少なくとも、海自の「ちょうかい」が北朝鮮の飛翔体をレーダー補足したことは大陸側に配備された「こんごう」のCICには分かってるはずだ。 だとすると、本体の追尾は「ちょうかい」に任せ、「こんごう」は1段目の落下追跡任務に集中すべきだったろう。 日本海海上とその上空にある日本籍の航空・船舶の保護を真っ先に考えれば、本来の自衛行動としてそれが当然だ。

そう考えを進めると、「こんごう」も弾道軌道を飛翔する本体を追尾しつづけ1段目の落下を追尾せず、1段目の落下点を特定することをしなかったのではないか。 米国からの発射情報が入っていなかったため、1段目の落下追尾を指示する余裕が海自本部には無かったためだと推測する。 米国の「日本無視」があったのだろう。

むろん、日本政府が弾道の追尾にのみ関心を向け、飛翔体の1段目の落下とその回収に興味がなかったのではないか。 せっかくの北朝鮮のミサイル技術に対する情報収集の機会を、みすみす見逃したのだ。 それだけでも内閣総辞職ものの責任のはずなのだが、誰も追及しないのはなぜだろう。

そもそも、政府与党、特に麻生総理は、今回の北朝鮮の行動を自らの政権浮揚と支持率アップの道具に使ったのだろう。 1段目の落下点がはっきりしない状況を鑑みれば、ますます、本当に国民の安全を考えたとは思えない。 もしかしたら、自公与党と北の将軍様は実は裏で気脈を通じているのではないかと勘ぐりたくもなる(苦笑)。

海上のイージス艦は、報道各社がミサイルにビビって撮影にすら行かなかった・・・(まぁ、航空機をチャーターするとコストもかかるし)。 その仕事振りは、全く報道されてないと言ってもいい。




ちなみに、イージスシステムは一度に多数の目標を捕らえ追尾できると言われているが、それはあくまで大気圏内の通常兵器の話であり、弾道軌道を飛行する物体についてはレーダーのビームをそこに1点集中しているからこそ追尾できる(と聞いている)。 つまり、弾道体を追尾しながら切り離した1段目も同時に追尾することは困難であろうと推測される。


また、今回、弾道ミサイル防衛の地上迎撃システムとしてPAC−3が繰り返しマスコミに取り上げられたが、ネット検索などを総合するととても国民をミサイルから防衛できるとは思えない。 例えば、今回、東京の市ケ谷にPAC−3、高射隊2個小隊が配備されたが、市ヶ谷を基点に防衛できる範囲はせいぜい東京23区内のようだ。 しかも、十数から数十発のミサイルが飛来すれば防ぎようがないらしい・・・。 2010年までに、国内に16小隊を整備する計画だという。 たった16小隊である。
 
その程度のPAC−3の数で日本国民を弾道ミサイルから守れるはずも無い・・・。 専守防衛ではなく、反撃のために自衛隊の基地を防空するだけで手一杯であろう。

しかも、PAC−3でのミサイル迎撃は、上空で破壊した相手の弾道ミサイルの破片が地上に落下することを許容して開発されていると聞く。 今回の北朝鮮のロケット(?)が万が一にも日本に落下すると判断し、それを撃墜する場合、事前に国民を地下や屋内へ非難させなけれいけないのだが、そういったアナウンスや非難訓練を政府は一切行ってこなかった・・・。 もちろん、多くの自治体でもそのための行動を起こしておらず、ただ行政無線などで「打ち上げました」と通報しただけだ。 日本政府の行動は、とても、国民の生命を守るという姿勢が見られない・・・。


閑話休題

日本政府は、国連安保理において新たな北朝鮮への制裁決議を採択すべく働きかけをしてるというが、中露だけでなく、他の非常任理事国にも賛同しない動きがあるという。 ただひとり騒いでいる日本」の主張は、米韓とその友好国以外にはまたもや「パス」されているようだ・・・。

posted by 少彦梛 at 22:27| Comment(0) | 軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月05日

海自はシーレーンを防衛できるのか?

産経新聞の電子版『いまさら「海賊の定義」議論』によると、2月3日に民主党内で「外交防衛部門会議」を開き、ソマリア沖の海賊被害の実態について外務省、防衛省、海上保安庁からのヒアリングを行ったという。 産経新聞は、『ようやく対応の検討に入った民主党は、藤田幸久参院議員が「海賊の定義は何か。犯罪なのか。テロなのか。組織性はあるのか」と外務省に問いただせば、谷岡郁子参院議員も「まず民間船舶会社の自己責任と国の責任の区別をきちっとすべきだ」と主張するなど、「そもそも論」が噴出し、寄り合い所帯ゆえに党内でも見解は真っ二つ(要約)』と民主党の海賊問題への対応の遅れを非難する論調で報道している。 加えて、どこの誰の発言かは分からないが、『自民党からは「民主党はいまごろ『海賊って何だ』という議論をしていて、大丈夫なのか」とあきれる声が上がっている。』と産経新聞の記事は民主党にダメ出しする念の入れようだ。(ちなみに、国会の外交防衛委員会等ではなく、この会議はあくまでも「民主党内の会議」であり、自民党議員が出席した訳ではない。)

でも、まあ、少し呆れたくなる状況ではある。 「日本の新たな国際貢献の有り方(08/10/17)」にも少しだけ書きましたが、そもそも昨年10月17日の「衆院テロ防止特別委員会(新テロ特措法改正案審議)」に民主党は『アフガニスタン復興支援特別措置法案』提出し、その中には「国際連合の決議に基づくテロ対策海上阻止活動に対する参加の検討」として海賊行為の多発に対する対策検討を謳っていたはずだ。 また、民主党の長島昭久氏が、「ソマリア沿岸、アデン湾での海賊行為の阻止活動」についての必要性を提言していたはずだ。 だが、確かに民主党内での議論はそれ以降進んでいないようだ。


しかし、政府・与党も民主党を嗤っていられないはずだ。 自民、公明両党は1月9日になって漸く「海賊対策等に関するプロジェクトチーム」の初会合を開いたばかりで、こちらも議論が進んでいるとは言い難い。 実際、昨年の4月に日本郵船所属の「高山」がRPGか何かにより被弾し、昨年4月23日の第169回国会の国土交通委員会(第15号)でも議論に上がっている。 (何故「安全保障委員会」で議論せず「国土交通委員会」での議論なのかは疑問ですが・・・。 もっとも、私も全ての委員会議事録を読んでる暇は無いから・・・(苦笑))


そもそも、それ以前に、昨年4月〜5月にスエズ運河へ向けてアデン湾を航行する、日本の豪華客船・世界一周クルーズ船の護衛を要請するために外務省は動いていたと聞く。 しかし何故、国交省、防衛省という行政所管では無く「外務省」が活発に動いていたのか・・・。

そこには、国連の安保理決議の存在がある。

今回、改めて海上自衛隊の護衛艦の派遣が浮上したのは、元を正せば、今春また、郵船クルーズの「飛鳥U」(乗員乗客約1100人)や、日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」(乗員乗客約600人)といった世界一周クルーズ客船がソマリア沖・アデン湾を通過するから、との報道がある。 派遣予定と見られる護衛艦「さざなみ」「さみだれ」の母港のある広島・呉の地元誌、中国新聞の電子版『豪華客船護衛へ月内準備指示』でも、『政府関係者が「タンカーや貨物船はある程度の自衛策を講じているが、客船は脆弱だ」と海自艦の派遣を急ぐ必要性を強調』と伝えている。 しかし、その発言には、安保理決議との関係は元々ない。 2隻の客船だけなら、海上保安庁の艦艇でも護衛できるだろう。 フランスから日本へ貨物船を護衛した実績もある。


ところが、護衛任務についての見当や現地視察派遣など、先行する外務省に対し防衛省の浜田大臣とが待ったをかけたのである。 命令権者である浜田防衛大臣が、派遣の根拠となる「国連安保理決議」を所管する外務省主導で進んでいた政府調査団派遣に待ったをかけ、海上自衛隊に準備指示を出さなかったため、海自も派遣準備を進められなかったという。 大変な時間的ロスである。


そもそも、現在も、護衛艦がどのような「任務」と「活動」を担うのか、概要案すら国民に示されていない。 第一、現行法では「日本関係船舶に該当しない船舶は護送できない」となっているが、他の外国籍船などについても麻生総理が「他国の船は助けませんではいかがか?」という一言で、日本に関係無い船舶が襲われている時の救援も考えなければならなくなった。 麻生総理の言うことは、情として理解はできる。 しかしそのことで、保護対象は日本籍船の92隻を合わせ日本関係船舶約2300隻まで膨れ上がり、その上日本に関係無い船舶にも海自は気を掛けねばならない。 海自には大変な負担だ。

しかも、政府は船団を組み複数船舶をまとめて護送する方針だと聞くが、この船舶数をたった2隻の護衛艦では護送体制を組めないだろうことは素人の私でも分かる。 「アデン湾の通過には船で1日半かかる」(海自幹部)と言われ、2隻で船団を挟む形の護送だと3日に1度しか護送を行えない。 護送頻度を増やすため、海自では海賊多発海域の両端から1隻ずつで護送することも検討しているらしい。 つまり、インド洋からスエズ運河(仮に下りとする)に向かう船団に護衛艦を1隻付け、逆の上りの船団に護衛艦を1隻という布陣だ。 それで、本当に民間船をエスコートしきれるのか? 例えば、日本として護衛すべき「飛鳥U」や「ぱしふぃっくびいなす」を海上自衛隊は守りきれるのか?

仮に自衛隊の護衛艦が上り下りの船団に1艦ずつ併走しているとしよう。 船団には護衛は1隻である。 それでも近海で海賊に襲われた他の艦船から救難を求められれば、海自護衛艦は救助に向かわねばならない。 しかし、それは実はデコイ(囮)で、護衛艦が離れた隙に船団やクルーズ客船を海賊に襲われた場合どうするのか? 船団の民間船は自力で海賊を排除せねばならない。 護衛艦は遠く離れていないのだ。

つまり、政府与党案の「海上自衛隊の護衛艦派遣2隻」では、とてもじゃないが日本関係船舶すら護衛するのにも不足する艦数なのである。 もし、隙を狙われ、海賊に客船の乗客を人質に取られれば海自護衛艦といえど手も足も出まい・・・。 他国が行うハイジャック制圧と同じように、乗客に死者が出ることを覚悟で海自は突入するのか? それはあり得ないだろう。 海自はそのための訓練はしていない。 同乗するといわれる海上保安庁の部隊も、タンカー・貨物船の占拠対策はまだしも、乗客が500人、1000人と多い客船は対応できまい。

確かに、軍艦に勝負を挑む海賊はいないと思う。 しかし、最悪の事態の状況をどこまで想定し、その事態に遭遇した時どう行動をとるのか・・・、それに対処するための訓練は充分なのか。 実際はできてないだろう。 私は、今回の護衛艦派遣計画は、極めて不安だらけのものではないかと思っている。 



また、海上自衛隊の護衛艦派遣の根拠の1つに「国連の安保理決議」があるのだが、この決議も、ソマリアについては日を追う毎に踏み込んだ内容になっている。 当初は「ソマリア沿岸、アデン湾での海賊行為の阻止活動」であったものが、現在の安保理決議第1851号「ソマリア情勢に関する決議(08/12/16)」では、海賊行為の防止に向け、各国は「ソマリア国内で必要とされるあらゆる措置を取ることができる」と踏み込んでいる。(相変わらず、安保理決議の和訳文は読むのに難解だが・・・苦笑) つまり、ソマリア国内での軍事行動も許容しているのだ。 しかも、ソマリアの暫定政府のユスフ大統領が12月29日、辞任してしまった。 今後のソマリア国内の情勢は、更に不安要素が大きくなりうる地域なのだ。

以上のことを勘案すると、現実の話として、最初に紹介した産経新聞の記事のように、自民党関係者が「いまごろ『海賊って何だ』という議論をしていて、大丈夫なのか」と嗤っていられるはずはない。

海上自衛隊の護衛艦を、武力を伴って派遣するからには『海賊って何だ』という根本論、派遣に向けての基本的事項をきちんと定義しておくことはあたりまえだ。 そうでなければ、気が付いたら、安保理決議の下とはいえ、ソマリアの治安維持活動にまで巻き込まれていたという状況にもなりかねない(極論だが)。

それから、守りきれない可能性があり、かつ、海賊に襲われれば人的被害が大きい船舶、例えば先に挙げた「飛鳥U」や「ぱしふぃっくびいなす」といった客船などの船舶は、危険なアデン湾・スエズ運河経由を避け喜望峰経由にさせるなど、「民間船舶会社の自己責任」を事前にはっきりさせておくことも重要なことなのだ。 守りきれませんでした・・・で済まないのだ。 

つまり、「そもそも論」をきちんと整理し、さまざまな事態を想定した訓練を積んでおかないと、護衛艦の派遣は反って仇になりかねない。 例えば、海賊とみて乗員を拘束したり、また、銃撃戦になった場合、『相手は海賊だった』と「証明する義務」は日本の自衛隊側にあるのだ・・・。 もし間違ったら国際問題にもなりかねない。

本来、3月、4月に派遣をするなら、今年になって「海賊対策等に関するプロジェクトチーム」で議論を始めた自公与党の対応も遅すぎるのだ。



ちなみに・・・、最初に紹介した産経新聞の記事中の、民主党の藤田議員や谷岡議員が、これまでに私が書いた事柄などを考えて行政サイドに質問してるとは、私にも思えませんがね。 やはり、単に無知なだけかと・・・(笑)。
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posted by 少彦梛 at 23:53| Comment(0) | 軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月07日

67年前の太平洋戦争前夜

1941年12月7日(日本時間8日)、67年前の、今から数時間後に旧日本軍は真珠湾への攻撃を開始する。 後世「太平洋戦争」と呼ばれる戦争の始まりである。 盧溝橋事件が起きた年の1月に父が生まれた私としては、所謂第2次世界大戦が史実として日本としての真相がどうであったかは分からない。 大正期に生まれた母方の祖父は、当時の大戦に徴兵されて「工兵」として従軍したことは聞いたことがあるが、敗戦国の兵士として家族に、そして、私に当時の戦争についてほとんど語ったことは無かった。 酔って「同期の櫻」を呟くように歌っていた記憶が僅かにあるだけである。 日中戦争はともかく、当時の「軍国主義」政府に「どのような勝算があって太平洋戦争に突入した」のかおおいに疑問が残る。

さて、時事通信社の電子版『田母神論文「日中にマイナス」』によると、田母神俊雄前航空幕僚長が某グループ企業の「真の近現代史観」懸賞論文に応募した「日本は侵略国家であったのか」について、「政府主導で2006年末にスタートした『日中歴史研究者フォーラム』の中国側座長の歩氏が『田母神発言は(日中関係に)マイナスの影響を及ぼす』と批判した」という。

それはその通りだと思う。 政府内とか議会とか、国内に留めて議論するのならばそれはそれで良いとは思う。 その点を論議するのはけして悪いことではないだろう。 「史実」がどうだったのかということを研究することも大切だし、事実をもって間違いや過ちを反省するからこそ、次の正しい道を模索することができると信ずるからである。 しかし、外に向けて、しかも確たる史実の裏づけも無く当時の日本の行動(戦争)を「良い(しかたがない)行いだった」というのは如何なものだろう。 主張すべきことは主張すべきだが、それには正当な根拠が必要だろう。

所謂「田母神論文」は、私も何度か読み返したがあまり賛同できない。 論文(私個人としては論文というレベルにも達していないと思うが)としては、言い方は悪いが『盗人にも5分の魂』の内容に思える。 確かに頷けるところも弱冠ある。

日本は「侵略国家」だったのかと聞かれれば、私は「侵略国家であったが、全ての行動が侵略だったとは言えない」と答えるだろう。 日本は「悪い国」だったのかと問われれば、「当時の日本は良い国とは言えないと思うが、けして悪いことばかりしただけでは無い」と答えるだろう。 「当時の日本は良い国ではなかった」と思うのは何故か。 それは、軍国主義の国であったと思うからだ。 将軍様の治める現在の北の国と同じく、当時の日本も「先軍政治」だったのではないかと思うからだ。  

例えば、「田母神論文」の最初のほうにある『我が国は日清戦争、日露戦争などによって国際法上合法的に中国大陸に権益を得て、これを守るために条約等に基づいて軍を配置したのである』ことは事実であろう。 それにより、「通州(つうしゅう)事件」のように、中国人部隊が日本軍留守部隊を襲い、婦女子を含む日本人居留民(朝鮮出身者含む)約230名が虐殺されたこともまた事実であるし、これにより、日本の対中感情が悪化したのも事実だろう。

また、『満州帝國は、成立当初の1932年1月には3千万人の人口であったが、毎年100万人以上も人口が増え続け、1945年の終戦時には5千万人に増加していたのである。満州の人口は何故爆発的に増えたのか。それは満州が豊かで治安が良かったからである。侵略といわれるような行為が行われるところに人が集まるわけがない。』とあるが、人口増加の主たる民族が日本人(日本から満州に渡った人)であるならば、それは「戦い無き侵略」とも言えるであろう。 当時の日本国民に、中国人や朝鮮人を見下したような意識(差別意識)があったのではないかと思う。

しかし、『もし日本が侵略国家であったというのならば、当時の列強といわれる国で侵略国家でなかった国はどこかと問いたい。よその国がやったから日本もやっていいということにはならないが、日本だけが侵略国家だといわれる筋合いもない。』という行には頷けないでは無いが、「侵略地」と「植民地」の違いを明確に論じる点が欠けていては素直に肯定する訳にはいかないであろう。

ただ歴史的に見て、所謂『南京大虐殺』といわれるうようなものが本当にあったのか、と聞かれれば疑問を感じざろう得ない。 やはり史実はきちんと検証し、先の戦争を可能な限り総括することは大切なことだ。 南京大虐殺では30万人が虐殺されたと喧伝されてるが、例えば「南京は当時人口20万人しかいなかった」とか、「6ヶ月間で30万人もの人を殺すことは物理的に不可能」という意見などがある。 虐殺がまったく無かったとは言わないが、真実がどうだったのかを追求することは日本が先の戦争を「反省」するためにも大切なことだと思うのだ。

併せて、当時の日本が何故、国力では対抗しえない米国に戦争を仕掛けたのかも検証し、日本の国民を総玉砕の一歩手前まで追いやった原因を追究すべきだろう。 もっとも、敗戦と同時に沢山の文書が焼かれ(焼いたのは日本軍であったり、戦勝国、GHQであったり)たため、事実を裏付けるのは困難を極めるのも現実なのだが・・・。

それでも、正しい歴史の理解とそれに基づく反省無くして、新しい、平和な世界は築けないであろう。


まあ、私などよりよほど説得性を持つ評論家はあまたいらっしゃるので、今回の「田母神論文」の件は江川紹子氏のホームページ、「田母神発言・その単純明快さが危ない」「歴史と愛国心について考える〜田母神氏の記者会見に行って」を紹介したいと思う。

また、最近は「田母神論文」を契機に自衛隊の存在などについても議論が再燃しているようだ。 しかし、防衛省の所謂背広組による制服組の「文民統制」という論はオカシナ話だ。 日本の憲法では、9条で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」のだから、日本には軍人は存在しない。 つまり文民しかいないはずだが、66条では「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」とシビリアン・コントロールを謳っている。 憲法そのものが自己矛盾を抱えているのだ。

グローバル・スタンダードでいえば、日本の防衛省の背広組である官僚も軍人にあたるのだ。 本来なら文民、つまり、政治家・国民から選挙で選ばれた行政執行官に背広組が軍事的見地から意見を言い、出動するかどうかを判断するのが文民・政治家であるはずだ。 それによって軍部・防衛省をコントロールするのが「シビリアン・コントロール」というものだろう。 防衛省の背広組を文民と見ることは異様なのだと思う。

それでも、田母神氏の発言が、日本人が「日本の安全保障」のあり方を再考する、議論を活性化することに一石を投じたのであれば、それはそれで良い事ではないか。

例えば、日米安保で日本は守られていると信じる人がいると思うが、実際には、米国が日本と運命を共にすることはありえない。 具体的には、尖閣諸島の領土問題で日中両軍が対峙した(睨み合いになった)と仮定しよう。 中国が「日本に味方すればワシントンDCにICBMを打ち込むぞ」と米国に言った場合、米国が日本を擁護するかどうかは考えればわかるだろう。 とすれば、「自分達(日本)は安全である」と思い込み、思考を停止し、安穏と暮らすのは危険だ。 自衛隊の存在も含め、真面目に「日本の安全保障」を考えるべきではないか。

もちろん、戦争になることは、外交努力など平和的手段をもって全力で回避しなければならない。 戦火で真っ先に犠牲になるのは、大概は婦女子など弱い立場の人民であり、戦争とは、勝っても負けても不幸な結果しか残らないと思うからだ。

それでも、例えば東京の湾岸が「ムンバイ」と同じ様な状況(テロ行為)に陥るかもしれないことや、その時に日本はどう行動する必要があるかくらいは、常に考えておかねばいけないのではないか・・・。 現在の警察力で対抗できるのか、また、即刻治安出動(自衛隊出動)をし制圧させるのか。 そして、それを考えねばならないのは我々国民である。 有事の際にそれを実行する文民、つまり軍隊をコントロールするに相応しい政治家を選び出すのはまさに我々国民なのだから。

神戸・淡路の大震災の時のように大惨事に直面しても、すぐに自衛隊への災害出動の要請や出動命令ができないような首長(当時の貝原知事)や首相(当時の村山首相)のようなトップでは困るのだ。


※12/8 10:50加筆修正致しました。
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2008年10月17日

日本の新たな国際貢献の有り方

読売新聞の電子版「新テロ法案、衆院特別委で論戦スタート」にあるとおり、今日から「新テロ特措法」、所謂OEF−MIO(海上阻止行動)に対するインド洋上での参加艦艇への給油・給水活動を1年延長するための法案の衆議院テロ防止特別委員会の審議が始まった。 麻生総理は、「補給活動は、日本が国益をかけて日本自身のためにしてきた活動だ。」と言っていたが、そもそもこの給油活動をやめたらどんな「国益」が守れないのか? どんな「国益」が掛かっていたのだ? 彼の発言は勢いがあるように見えるだけで、いつも肝心のところが分からない・・・。 実を言うと、今日は体調が芳しくなく仕事を休んだのだが、体調も悪いし、しかしすることもないので床の中から国会の委員会中継をずーっと見ていた(苦笑)。

今回の委員会審議で、特筆すべきと思う政府回答は、河村建夫官房長官が、現在行われているテロとの戦いである不朽の自由作戦(OEF)とそれに伴う海上阻止行動(OEF-MIO) は「国連憲章第51条基づく、米国の自衛権の行使とそれに伴う集団的自衛権の行使である」と答弁したことだ。 つまり、日本の給油活動の後ろ盾である「新テロ特措法」の目的中に「国連安保理決議の第1368号、第1373号、第1776号」をわざわざ持ち出しているが、給油活動の実態は「集団的自衛権の行使」であることを間接的に認めてしまったことだろう。 つまり、給油活動は国際貢献ではなく、米国を始めとした連合国の自衛権行使への参加であることははっきりしたのではないか? 日本は集団的自衛権は行使できない、というのが政府と与党自民党の見解だ。 この矛盾を報道各社がこの矛盾を取り上げ報道しないのは、私には不思議でならない。


また、今回の委員会で民主党が提案してる「アフガニスタン復興支援特別措置法案」も同時に審議される。 私自身、この法案を読んだ訳ではないが、この法案の主旨(特徴)は以下のとおりと聞く。
 ・抗争停止合意の形成の支援及び合意成立後の復興支援活動の実施
 ・計画実施前の国会承認と国会への報告義務
 ・アフガニスタン人間の安全保障センターの設置
 ・自衛権の発動及び国連憲章第7章のに係る対応措置に関する基本原則の制定
  ( 安保理決議第1674号(2006/04/28) 「武力紛争と文民に関する決議」(武力紛争における文民の保護)に基づく活動)
 ・国際の平和及び安全に対する脅威に対し直ちに必要な措置を執るための組織設置の検討
 ・国際連合の決議に基づくテロ対策海上阻止活動に対する参加の検討(→海賊行為の多発)
  ( 安保理決議第1816号(2008/06/02)安保理決議第1838号(2008/10/07) 「ソマリア情勢に関する決議」(ソマリア沿岸、アデン湾での海賊行為の阻止)活動など)

これらほとんどは国連の安保理決議に沿って国際貢献活動を実施すことに主眼に置かれてる。 また、アフガニスタンの国内の安定がテロ活動を抑制する効果があるとし、現在アフガニスタン大統領が軍事力によらず、ターリバーンとの和平への道を模索していることを後押しすることを目指しているらしい。 委員会での民主党案への質問にも「アフガニスタンの生活再建こそがテロ対策」「アフガニスタンの和平には『油』(洋上給油)でなく、『水』(を供給して農業の発展)を」と民主党・犬塚直史氏が答弁してきた。 つまり、ペシャワール会などが行ってきた渇水対策やケシ栽培から食糧生産への転換活動などの人道復興支援を日本国が行うことで、米軍やNATO軍がテロとの戦いで巻き添えにしてきた一般市民の憎しみからの負の連鎖を断ち切り、テロの温床を無くして行こうということらしい。

もちろん、仮にこの法案が通って実施する段階になれば、さまざまな課題も想定される。 例として、イラクの復興支援を行った際には、現地の人からは「雇用」を期待されたが希望に添えなかったことや、せっかくの水道の給水施設を造っても運用・維持管理をする技術者の育成を怠ったため満足に水道施設の運用できなかったなど、多くの事例、問題があった。 また、アフガニスタン内で武装勢力に襲われた時、「安保理決議第1674号(2006/04/28)」に乗っ取って行動するとはいえ、陸自の銃火器の使用についての議論など、クリアすべき点はあると思う。 もしかすると、「ペシャワール会」の伊藤和也氏に続き日本人の犠牲者が出ることがあり得るのも確かである。 しかしながら、日本がとるべき新しい国際貢献のあり方として、民主党の法案を基に国民が議論することは大切なことではないだろうか。


今回、もうひとつ衆議院テロ防止特別委員会の審議で特筆すべきと思う、民主党の長島昭久氏が質問した、日本のシーレーンにも関わる「ソマリア沿岸、アデン湾での海賊行為の阻止活動」についての論議もあったのだが、これについては次回に述べたい思う。


最後になりますが、エチオピアで拉致され現在ソマリアで拘束されていると言われている国際NPO「世界の医療団」の日本人医師とオランダ人看護士が無事に、また、早期に開放されることを心よりお祈り申し上げます。
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2008年09月25日

原子力と空母

今日、退役予定の通常空母「キティホーク」に代わり米原子力空母「ジョージ・ワシントン」が横須賀港へ入った。 時事通信社の電子版『原子力空母はいらない』によると、横須賀市の公園で開かれた集会では約300人のもが参加し「浮かぶ原子炉は横須賀に来るな」などとシュプレヒコールを挙げたそうだ。

確かに、先月も米原潜のヒューストンが放射能漏れを起こしたまま佐世保港に入港したことが発覚した事などあり、横須賀の市民が不安なのが理解できない訳ではない・・・。 でも、彼らは米空母が日本を母港にするのが反対なのではく、米空母が「原子力発電」を動力にしているから反対なのか・・・。

通常空母なら良くて、原子力空母ならダメ・・・。 もし、そのような理由で反対するのなら、横須賀市市民に限らず反対集会に参加した人々は日本の原子力政策にも反対運動を起こさないと嘘だろう。 横須賀を含め、首都・関東圏は電力の巨大消費地だ。 それを賄う電力の約25%は原子力発電で賄われていることは周知の事実である。 ところが、その原発は首都圏には1基もなく、東京電力は新潟や福島に原発を置き、青森にも2基建設予定であり、かの地の人々に放射能の恐怖を押し付けている。 しかも、各原発で燃え残ったウランを再処理するという名目で、青森の六ヶ所村の再処理工場に放射性物質を送り処理してるが、再処理工場からは国内で1年間自然発生する放射能と同じ量の放射性物質が1日で外部に排出されている。 それが365日、毎日続いているのだ。

 原子力の船だから反対するのなら、反対者は「今後の生活においても一切電気を使うな」と言いたい。 家庭でのCO2排出量を換算すると社会全体の26%といわれるから、原子力空母反対者は自宅で電気を使わなければちょうど相殺されるだろう。 反対者である自分達が放射能におびえて生活するのが嫌なら、他者にその恐怖を押し付けるのは自己矛盾も甚だしい。 自分の家では電気は使わない。 そのくらいの覚悟であれば、私も米原子力空母の横須賀母港反対に賛同しても良いと思う。 ちなみに、米軍の原発だから信用できない、との反論があるかもしれないが、日本の原発だって先だっての柏崎の原発が震災にあった時を鑑みれば信用面では五十歩百歩と言わざろう得まい・・・。


米国空母の日本配備について、ひとつだけ個人的感想を述べさせていただければ、原子力空母G.ワシントンは別に日本を守るために横須賀を母港にしているわけでなく、米国のアジア・極東戦略のため、そして、日本が「おもいやり予算」で乗員が上陸した時の福利厚生の金を出してくれるから母港を横須賀にしてるにすぎないのだ。 そういう意味では私も米国空母が日本の港を母港にすることには反対である。 空母や潜水艦の動力が原子力であるかディーゼルであるかどうかは関係ない。

posted by 少彦梛 at 20:27| Comment(2) | 軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月26日

もしかしたら…日本は今、未曾有の危機?

グリジアの南オセチアから始まった紛争は、日本の新聞やTVなどの報道機関は軽い取扱いしかしていない現在、もしかしたらのっぴきならない状況まで来ているのかもしれない・・・。 何せ、ロシアが南オセチアへ進行した翌日、世界的にそのことを紙上の一面で取り上げなかったのは、オリンピック当事者国の中国と、「ママでどう」が一面の日本だけだったらしい・・・。 情けない話だと思うのは、日本国民でも百人もいるだろうか? 欧米を含めほとんどの国では、みな一面トップ級の扱いだったと聞く。


産経新聞の電子版、『グルジア紛争の裏にエネルギー対立』によれば、コーカサス(またはカフカスとも)地方を含め、中央アジアやカスピ海沿岸国のエネルギー資源の派遣を巡り欧州&米国VSロシアの間でエネルギー資源をめぐる激しい覇権争いがあるとのことだ。 産経新聞では、「日本向けのエネルギー供給そのものへの影響はないだろう」と悠長に記しているが、とんでもない誤りであると思う。 むろん、今回の件で、欧州へ原油を運ぶBTCパイプライン(アゼルバイジャン〜グルジア〜トルコ)を始めとする主要エネルギー供給ラインが、一丁事あらばロシアに押さえられることが現実として示され、それにより原油市場での相場にはねかえり、日本も影響を受ける・・・といった生易しい状況ではない。 単なる原油高騰以上のインパクトが日本に対してもあり得る、と思えている。


まず、時事通信社の電子版、『NATOとの関係断絶も』にもあるように、NATOとロシア軍との対峙も想定されている。 もともと、NATOと米軍による旧東欧諸国への進出に対しては、ロシアはかなりの警戒を抱いていたと考えられる。 そこへ、旧東欧のチェコにレーダーサイトを置き、そして、米軍がポーランドにMD(ミサイル防衛システム、つまりパトリオットミサイル)を設置する国際条約に調印したことがNATO&米軍とロシアとの間の緊張を加速させたのは容易に想像できる。 例え、ポーランドのMDが「イランからの脅威の排除」と言い逃れしようとも、自国の首都モスクワの目と鼻の先にそんなものを置かれればロシアも黙ってはいられまい。 その上、黒海の自国のロシア艦隊へのアクセスするための要所であるグルジアにまで米国にちょっかいを出されれば更に黙ってはいられまい。

そして、今回のロシアの行動を支持してるのが、シリアである。 その見返りか、ロシアはシリアへの軍事支援を約束している。 ところが、そのシリアを敵国と見ているイスラエルは、実はグルジアに対して大量の武器を提供していると聞く(あるジャーナリストの言)。 それが本当ならば、グルジア軍が敗退したことにより、同じ装備のイスラエル軍がロシア製の軍備を有するイランに対抗できない可能性を示唆している。

しかも米軍が自衛権を行使し、同盟国が集団的自衛権をもって参加したイラク戦争とアフガン進攻(いわゆる、不屈の自由作戦・OEF)に最後まで反対した国の1つはロシアであるし、イスラエルのもうひとつの敵国であるイランへ武器供与をしてるのもこれまたロシアだ・・・。 へたをすると、リビアを始めとして、反イスラエル、また、米国に反感を持つイスラム・アラブ諸国がロシア側に付きかねない事態となっているのではないか。 米国・米軍にこれまでの力に衰えを感じている反米諸国は多かろう・・・。 そのひとつの例として、北朝鮮が「核計画の再開」を匂わせていることにも見て取れる。


いっとき力が落ちたロシアが再び米国に対抗でき得る、と判断した反米国が次々とロシア側につけば、それを背景に新たに米露の対峙、冷戦状態になれば日本もそれに巻き込まれるのは自明の理と言えまいか。 つまり、ロシアに対峙するために米軍にとって日本・沖縄という地理的の戦略位置は再び重要になり、陸軍師団司令部のグアム移転も白紙に戻りかねないし、米軍は更なる日本へ軍備拡張と、インド洋の給油活動に見られるような軍事費負担を迫るだろう。 当然、ロシア側もウラジオストックを始め極東の軍備増強に力を入れるだろうから、日本の置かれる軍事的立場は辛くなる・・・。 それを回避するには、日本も更なる外交努力をするしかないのだが、先の記事「日本が希求する平和とその手段・・・」に記したような日本のヘナチョコ外交力ではまったく期待できない、か・・・。


グルジアの紛争が元で米欧露の関係が最悪の事態に陥った場合、これまでのように日本が安穏と過ごせる保証はない・・・。 ちなみに、危機感の無い自公政権とその政府に期待しても無理である。 自分達が次の総選挙で如何に負け分を減らすかで汲汲としていて、今の国際情勢を理解しているかどうかすら怪しいのだから・・・。 

もしかしたら私の考え過ぎかもしれないし、また、そうならないことを祈るのみだ。
が、しかし、もしかしたら今日本や世界がとても危うい立場にあることを、またはその可能性について取材し、国民に伝えない日本の報道機関もやはり既に「死に体」なのではなかろうか・・・。
 
posted by 少彦梛 at 21:50| Comment(0) | 軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月15日

1945年8月15日

今日、8月15日は「終戦の日」と言われている。
1945年の今日、前日14日に公布された勅書「大東亜戦争終結ノ詔書」を昭和天皇が朗読録音したレコードがラジオ放送された日である。
天皇が自ら、初めて敗戦と降伏を発表した日である。

しかし、何故「終戦」と言い、何故「敗戦」とか「降伏」と言わないのかが解らない。 言葉から受ける印象でしかないが、「終戦」とは宣戦布告を受けた方が防衛の末やっと戦争が終わった、という感じを受ける。 もちろん、私の主観ではあるのだが。
なんだか、まるで日本が戦争の被害者のようだ・・・。

先の戦争は、日本が仕掛けたものである。 開戦当時は日本経済を守るのため、自衛のための「戦争」と国民は思っていたのかもしれない。 そして、この戦争は勝つだろうとも思い歓迎した節もある。 昭和12年の日中戦争が始まりである。 死者数については疑問もあるのだが南京で虐殺を行い、玉砕戦を行い、日本人のみならず他国の国民も大量に無くなったことは事実である。 また、殖民生活から開放されたと歓迎した他国の人がいることも。

ところが、戦後も日本は先の戦争についての総括を行わず、どのような戦争であったかについて真剣に論じられてこなかったと思う。 日本の国民ですら「悲惨な戦争であった」という段階で思考がストップしているのだろう。 確かに戦争は悲惨な結果しか生まず、今後絶対に行ってはならない。
しかし、先の戦争の本当の意味と結果を振り返ることなく、このまま自衛のための行動力を所有し、憲法改憲を論ずるのはいかがなものだろうか。 そしてまた、国際貢献という名の基に海外へ自衛隊を派遣することも。

今後、日本が戦争を行ったり、また、他国の戦争に加担したりすることが無いようにするには、先の戦争からの教訓を学び今後の国政にどう生かすか真剣に考えなければいけないと考える。
でなければ、歴史は繰り返し、またいつか日本は戦争をやってしまうだろう。



posted by 少彦梛 at 12:59| Comment(0) | 軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月09日

世界で3番目の核攻撃阻止・・・

62年間の今日、長崎市にプルトニュウム型の原子爆弾「ファットマン」が落とされた。 その破壊力はTNT火薬で22キロトンに相当するという。

さて、日本では小泉氏が総理大臣であった平成15年に、「『日本版弾道ミサイル防衛(BMD)』のシステムを導入」の決定した。 これは、主に弾道ミサイル(核弾頭搭載)による攻撃から日本を守る構想で、要は核弾頭が爆発する前に地上からのミサイルで打ち落とそうというものだ。 現在、日本は次世代型の迎撃ミサイルをアメリカと共同開発をしており、現在の実行力として今年度から入間を皮切りに「パトリオットミサイル PAC-3」が実戦配備され、また、ミサイル防衛対応型のイージス艦が配備されると聞く。

しかして、将来BMDのシステムが完成したからといって、これでミサイルによる核攻撃が防げるのだろうか? 現在もBMDの是非については論議があり、「100%の撃墜率の達成は極端に難しい」とか「日本上空を通過する弾頭も迎撃しては集団的自衛権行使にあたる」など反対する声も多い。

しかし、実際のところ、構築したBMDのシステムそのものが機能不全に陥り、結局核弾頭を打ち落とす迎撃ミサイルすら発射できないのではないかと、私などは疑念に思う。

弾頭を打ち落とすには迎撃ミサイルを直接ぶつけるしかないが、迎撃ミサイルは打ち上げたとたん自立的に弾頭を補足追尾しぶち当たるのではく、地上レーダーや海上のイージス艦からの弾道弾の補足追尾のデータを受けて弾頭にぶつかっていくのである。 つまり、各レーダサイトなどで得た情報をいったん収集・分析することが必要なのであり、そのため多数のシステムとネットワークによって初めてBMDは機能する。 (イージス艦から発射するタイプはそのイージス艦のみで対応可能かもしれないが、現在のところ迎撃ミサイルを発射する機能はついていないという。)


さて、先の日曜日にNHKスペシャルをご覧になった方はご存知であろうが、核弾頭が上空で爆発させて強力な電磁波を発生させれば地上にあるコンピュータなどの電子部品を破壊させることがでる。 ICなどのチップが電磁波で破壊されるのだ。 核弾頭の威力にもよるだろうが、弾頭1発でアメリカの国土半分が電磁波の影響を受けるという。

では、日本近海の上空で核爆発が起きた場合、このBMDのシステムは影響を受けないのであろうか?
アメリカの場合、核弾頭は太平洋や大西洋を超えて打ち込まれるので、本土から遠い洋上(公海上)でイージス艦などから核弾頭を打ち落とせる。
しかし、日本の場合は日本海やオホーツク海を飛来してくることが想定され、さすがに他国上空を飛んでいる弾頭を打ち落とすことはできまい。 敵対する国が日本海の公海上空に入って直ぐに核弾頭を爆発するようにセットすれば、日本全土でコンピュータシステムや通信システムが停止してしまうだろう。 もしかしたら公海上空ではなく、近隣諸国の領海上空で爆発させるかもしれない。 韓国領海上空で核爆発が起きても日本全土に電磁波の影響が及ぶのだ。
一度日本の近隣上空で核爆発が起これば、BMDのシステムが構築されていても、チップが壊れ、日本の地表に向けて飛来する2発目以降の核弾頭は防ぎようがないのではないか? 
そうならば、核攻撃から国民を守るための実行力(軍備、軍事技術)は、事実上将来に渡っても無いと言えるだろう。

仮に、防衛省や自衛隊施設が電磁波の影響を受けない「スーパーカミオカンデ」に指令所を置き、地上のレーダー施設も何百メートルの地下に構築し、軍事通信衛星を含めて電磁波の影響を受けない独自ネットワークを持てば、もしかしたら話は別かもしれない。 ただ、新たな軍用施設や軍用回線を構築するためにはどのくらいお金がかかるのか? 少なくとも我々の想像を遥かに超える額であろう。
ちなみに、NTTやKDDIの商用通信事業者のネットワークのEMS対策(電磁波対策)ではとても核爆発による電磁波には耐えられない(コストに収入も見合わないし)。


核攻撃から国民、そしてわが身、はたまた自分の子孫を守るには、一人ひとりが核兵器廃絶の声をあげて核兵器が無い世界を作るしか道はないのだろうと思う。 今は遠い道のりに感じるかもしれないが・・・。

posted by 少彦梛 at 00:06| Comment(2) | 軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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