2008年12月16日

マンガ好き麻生氏の政権は・・・マンガ?

現在の永田町は笑うに笑えない・・・というより、呆れて何も言えない状況ではないでしょうか? ますます国民の政治離れに拍車が掛かりそうだ。 まあ、某元総理は「選挙では眠っていてくれた方がいい」と言い切ったこともありますから、それが狙いとも言えそうです。

さて、12日に自民党の中川秀直元議員が「民主党の中からもいろいろな動きが出てこないといけない」と民主党議員に離党を呼びかければ、14日には民主党の鳩山幹事長が「自民党内の良識的な方々がどんな行動を起こすか」と自民党の『良識派』の造反を期待する発言をしているという。 同じ14日には、自民党の山崎拓、加藤紘一両議員、民主党の菅代表代行、国民新党の亀井代表代行が揃ってテレビ出演し、お互いを牽制しながらも自分達が「政界再編の軸」とばかりにやりあった。

『政局より政策』と党のトップたる麻生「総裁」が言ってるのにも係わらず、自民党内は政局一色の様を呈してきた。

古賀誠選対委員長が「後ろから鉄砲玉を撃つやつが一番悪い(要旨)」と言いつつ、総理総裁が言う「地方が自由に使える1兆円」について、『総理は「交付税」と「交付金」の言い間違え』などと『後ろから鉄砲玉を撃つ』道路族には何も言わない。 古賀氏自身も道路族議員だし注意できる訳がない(苦笑)。 それから、自民党の各派閥の事務総長が集まり「各派ともに結束して麻生政権を支えていく」ことで一致したという。 しかし、これまで麻生首相の政策発言をことごとく潰してきたのは各派閥の幹部達じゃないか! と思うのは私だけだろうか?

田中真紀子議員は外務大臣を辞めるに際し「スカートを踏んづけられている」と言ったが、麻生総理は「首から下が埋められてる」んじゃないかと・・・(苦笑)。 麻生政権は、自民・公明の両与党が寄ってたかって羽交い絞めにして「支えている」ということか。

それから、『生活安心保障勉強会』の設立準備会などの議員連盟が自民党内にボコボコ出来ている。 少なくても4つくらいは…。 例えば、「生活安心保障勉強会」のメンバーは、鴨下一郎厚生労働副大臣は今の職責から見てともかく、中川秀直議員を中心に、安倍元首相、小池元防衛相、そして、片山さつき議員から佐藤ゆかり議員に至るまで、その多くは『国民の安心安全をぶっ壊した』小泉元首相の薫陶を受けた連中ではないか? (もっとも、全員の経歴を調べたわけではないですが…。) この顔ぶれで「純粋な勉強会だ」とか「国民の社会保障に対する不安解消や利便性向上を目的に」と言われても、純粋な『生活安心』の勉強会だと信じる国民はほとんど居ないだろう。 サンザン社会保障費を削り、後期高齢者医療制度などの悪法を成立させてきた方々ではないか。 
 
その上、前政権の要職にあった伊吹前財務相は「衆院解散・総選挙の時機を逸した」とか、また、福田前首相までもが「今の日本の政治が混乱しないように」とか、したり顔で発言する。 どの口で言うか・・・。 そもそも2代続ける形で政権を投げ出した、福田前首相とその片腕だった伊吹元幹事長(福田氏辞任表明時は、内閣改造後の麻生前幹事長)がそのような発言をするのは、笑えない冗談だ。

個人的には、「深読み?(笑)」(9/6)でも書いたとおり、「9月24日に開く臨時国会で福田首相が総辞職せず、自ら冒頭解散」すれば良かったのに(笑)、と今更ながら思ってしまう。


現在の自民党は、「ツマラナイギャグマンガ」化しているとしか思えない・・・。
国民としては笑えない、冗談政党だ。

このまま、不況悪化と大量解雇(雇用不安)の増大が長期化すれば・・・自民党は、共産党にすら議席逆転されることもあり得るかもしれない・・・(まあ、無いとは思うけど・苦笑)。

現在の「永田町」を観ていると、真面目に政治を考えることがバカらしくなり・・・、我慢の喫水線を超えそうです・・・。
私自身としても、いろいろ考えを纏めたくとも・・・、いや、今の政治を皮肉りたくとも(苦笑)、そこに力を注ぎ込む気力すら湧かないのだから、日本の政治は末期的なのだろう。

<追記>
12/17 15:50 加筆修正しました。
posted by 少彦梛 at 20:23| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月10日

メチャクチャな提案だとは思うけど…

朝日新聞の電子版「雇用対策を政府決定」によると、昨日、「今後3年間で2兆円規模の事業費を投入し、雇用確保策や新規創出策によって140万人の雇用の下支えをめざす」雇用対策をまとめたそうな。 追加対策として、
(1)雇用維持対策
(2)再就職支援対策
(3)内定取り消し対策
が3本柱だと。 そして、派遣社員を正規社員として採用した企業に1人当たり100万円(大企業は半額)を支給する制度を盛り込んだ。

まあいい。 それで雇用が守れるならば、だ。

しかし、例えばこれまで「骨太の方針」で何度、そして、合計どのくらいの「雇用創出」を謳ったんでしょう? 2001年に初めて打ち出した「骨太の方針」とやらでは、5年間で540万人もの雇用創出を謳ったはずだ。 確か「イット(IT)革命by森元総理」とやらで(笑)。
注:経済財政諮問会議では「雇用機会の創出が期待される」としているだけだが、御用学者が喧伝。

 そもそも「骨太の方針」とやらで『本当に実現できた』施策・成果はいったいどのくらいあったのだろう? たぶん、答えられる一般国民は皆無だろう。 今回の雇用対策もその程度でしかあるまい・・・。

この際、借金まみれの現政府が2兆円もの税金(または更なる借金)を投じるのだから、それを決めた「現政府」と今の与党には国民にその『担保』を出してもらおう。 まず、全ての国務大臣には先日発表された「資産」を全て国庫に預ける。 議員歳費(給料)があるから、資産が没収されてもすぐに路頭に迷うことはあるまい。 今日現在の失業率を少なくとも1年間下回るまで返却しない。 3年後の失業率が昨日現在まで回復していなければ全て没収。 キャリア官僚には、各種手当てを含め、今日現在の失業率を少なくとも1年間下回るまで一律10%カット。 達成できれば、国民の総意(国会決議)でボーナスを払おう(ハタラキバチであるキャリア以外の公務員にまで10%カットを適用するのは酷である)。 自民・公明の与党も同様だ。 昨日現在与党に属している議員は、一旦「資産」を全て国庫に預け、3年間で140万人の雇用創出の達成率に合わせて資産を返還。 3年で達成できなければ、その時点で残りの資産は没収。 政党助成金も同様に、その年毎の雇用創出の達成率に合わせて減額。 30%しか達成できなければ70%没収というわけだ。

はっきり言って、メチャメチャな提案だ。 自分でもそう思わなくはない(苦笑)。

しかし、これまでの国民人民に対する(けして法人に対してではない)「裏切り」を考えれば、そのくらいの覚悟で望めない政府・与党なら、即刻衆議院を解散し、国民の信を問え!と言いたい。 また、麻生総理も「省益より国益」と大見栄を切ったのだから、従わないキャリア官僚は全て「分限免職」にしたら良いだろう。

これを公約し実行すれば、麻生政権の支持率は、小泉元首相が持つ最高支持率を遥かに超えるであろう(笑)。
posted by 少彦梛 at 00:49| Comment(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月07日

67年前の太平洋戦争前夜

1941年12月7日(日本時間8日)、67年前の、今から数時間後に旧日本軍は真珠湾への攻撃を開始する。 後世「太平洋戦争」と呼ばれる戦争の始まりである。 盧溝橋事件が起きた年の1月に父が生まれた私としては、所謂第2次世界大戦が史実として日本としての真相がどうであったかは分からない。 大正期に生まれた母方の祖父は、当時の大戦に徴兵されて「工兵」として従軍したことは聞いたことがあるが、敗戦国の兵士として家族に、そして、私に当時の戦争についてほとんど語ったことは無かった。 酔って「同期の櫻」を呟くように歌っていた記憶が僅かにあるだけである。 日中戦争はともかく、当時の「軍国主義」政府に「どのような勝算があって太平洋戦争に突入した」のかおおいに疑問が残る。

さて、時事通信社の電子版『田母神論文「日中にマイナス」』によると、田母神俊雄前航空幕僚長が某グループ企業の「真の近現代史観」懸賞論文に応募した「日本は侵略国家であったのか」について、「政府主導で2006年末にスタートした『日中歴史研究者フォーラム』の中国側座長の歩氏が『田母神発言は(日中関係に)マイナスの影響を及ぼす』と批判した」という。

それはその通りだと思う。 政府内とか議会とか、国内に留めて議論するのならばそれはそれで良いとは思う。 その点を論議するのはけして悪いことではないだろう。 「史実」がどうだったのかということを研究することも大切だし、事実をもって間違いや過ちを反省するからこそ、次の正しい道を模索することができると信ずるからである。 しかし、外に向けて、しかも確たる史実の裏づけも無く当時の日本の行動(戦争)を「良い(しかたがない)行いだった」というのは如何なものだろう。 主張すべきことは主張すべきだが、それには正当な根拠が必要だろう。

所謂「田母神論文」は、私も何度か読み返したがあまり賛同できない。 論文(私個人としては論文というレベルにも達していないと思うが)としては、言い方は悪いが『盗人にも5分の魂』の内容に思える。 確かに頷けるところも弱冠ある。

日本は「侵略国家」だったのかと聞かれれば、私は「侵略国家であったが、全ての行動が侵略だったとは言えない」と答えるだろう。 日本は「悪い国」だったのかと問われれば、「当時の日本は良い国とは言えないと思うが、けして悪いことばかりしただけでは無い」と答えるだろう。 「当時の日本は良い国ではなかった」と思うのは何故か。 それは、軍国主義の国であったと思うからだ。 将軍様の治める現在の北の国と同じく、当時の日本も「先軍政治」だったのではないかと思うからだ。  

例えば、「田母神論文」の最初のほうにある『我が国は日清戦争、日露戦争などによって国際法上合法的に中国大陸に権益を得て、これを守るために条約等に基づいて軍を配置したのである』ことは事実であろう。 それにより、「通州(つうしゅう)事件」のように、中国人部隊が日本軍留守部隊を襲い、婦女子を含む日本人居留民(朝鮮出身者含む)約230名が虐殺されたこともまた事実であるし、これにより、日本の対中感情が悪化したのも事実だろう。

また、『満州帝國は、成立当初の1932年1月には3千万人の人口であったが、毎年100万人以上も人口が増え続け、1945年の終戦時には5千万人に増加していたのである。満州の人口は何故爆発的に増えたのか。それは満州が豊かで治安が良かったからである。侵略といわれるような行為が行われるところに人が集まるわけがない。』とあるが、人口増加の主たる民族が日本人(日本から満州に渡った人)であるならば、それは「戦い無き侵略」とも言えるであろう。 当時の日本国民に、中国人や朝鮮人を見下したような意識(差別意識)があったのではないかと思う。

しかし、『もし日本が侵略国家であったというのならば、当時の列強といわれる国で侵略国家でなかった国はどこかと問いたい。よその国がやったから日本もやっていいということにはならないが、日本だけが侵略国家だといわれる筋合いもない。』という行には頷けないでは無いが、「侵略地」と「植民地」の違いを明確に論じる点が欠けていては素直に肯定する訳にはいかないであろう。

ただ歴史的に見て、所謂『南京大虐殺』といわれるうようなものが本当にあったのか、と聞かれれば疑問を感じざろう得ない。 やはり史実はきちんと検証し、先の戦争を可能な限り総括することは大切なことだ。 南京大虐殺では30万人が虐殺されたと喧伝されてるが、例えば「南京は当時人口20万人しかいなかった」とか、「6ヶ月間で30万人もの人を殺すことは物理的に不可能」という意見などがある。 虐殺がまったく無かったとは言わないが、真実がどうだったのかを追求することは日本が先の戦争を「反省」するためにも大切なことだと思うのだ。

併せて、当時の日本が何故、国力では対抗しえない米国に戦争を仕掛けたのかも検証し、日本の国民を総玉砕の一歩手前まで追いやった原因を追究すべきだろう。 もっとも、敗戦と同時に沢山の文書が焼かれ(焼いたのは日本軍であったり、戦勝国、GHQであったり)たため、事実を裏付けるのは困難を極めるのも現実なのだが・・・。

それでも、正しい歴史の理解とそれに基づく反省無くして、新しい、平和な世界は築けないであろう。


まあ、私などよりよほど説得性を持つ評論家はあまたいらっしゃるので、今回の「田母神論文」の件は江川紹子氏のホームページ、「田母神発言・その単純明快さが危ない」「歴史と愛国心について考える〜田母神氏の記者会見に行って」を紹介したいと思う。

また、最近は「田母神論文」を契機に自衛隊の存在などについても議論が再燃しているようだ。 しかし、防衛省の所謂背広組による制服組の「文民統制」という論はオカシナ話だ。 日本の憲法では、9条で「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」のだから、日本には軍人は存在しない。 つまり文民しかいないはずだが、66条では「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」とシビリアン・コントロールを謳っている。 憲法そのものが自己矛盾を抱えているのだ。

グローバル・スタンダードでいえば、日本の防衛省の背広組である官僚も軍人にあたるのだ。 本来なら文民、つまり、政治家・国民から選挙で選ばれた行政執行官に背広組が軍事的見地から意見を言い、出動するかどうかを判断するのが文民・政治家であるはずだ。 それによって軍部・防衛省をコントロールするのが「シビリアン・コントロール」というものだろう。 防衛省の背広組を文民と見ることは異様なのだと思う。

それでも、田母神氏の発言が、日本人が「日本の安全保障」のあり方を再考する、議論を活性化することに一石を投じたのであれば、それはそれで良い事ではないか。

例えば、日米安保で日本は守られていると信じる人がいると思うが、実際には、米国が日本と運命を共にすることはありえない。 具体的には、尖閣諸島の領土問題で日中両軍が対峙した(睨み合いになった)と仮定しよう。 中国が「日本に味方すればワシントンDCにICBMを打ち込むぞ」と米国に言った場合、米国が日本を擁護するかどうかは考えればわかるだろう。 とすれば、「自分達(日本)は安全である」と思い込み、思考を停止し、安穏と暮らすのは危険だ。 自衛隊の存在も含め、真面目に「日本の安全保障」を考えるべきではないか。

もちろん、戦争になることは、外交努力など平和的手段をもって全力で回避しなければならない。 戦火で真っ先に犠牲になるのは、大概は婦女子など弱い立場の人民であり、戦争とは、勝っても負けても不幸な結果しか残らないと思うからだ。

それでも、例えば東京の湾岸が「ムンバイ」と同じ様な状況(テロ行為)に陥るかもしれないことや、その時に日本はどう行動する必要があるかくらいは、常に考えておかねばいけないのではないか・・・。 現在の警察力で対抗できるのか、また、即刻治安出動(自衛隊出動)をし制圧させるのか。 そして、それを考えねばならないのは我々国民である。 有事の際にそれを実行する文民、つまり軍隊をコントロールするに相応しい政治家を選び出すのはまさに我々国民なのだから。

神戸・淡路の大震災の時のように大惨事に直面しても、すぐに自衛隊への災害出動の要請や出動命令ができないような首長(当時の貝原知事)や首相(当時の村山首相)のようなトップでは困るのだ。


※12/8 10:50加筆修正致しました。
posted by 少彦梛 at 22:40| Comment(0) | 軍事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月03日

小沢氏の総理大臣は果たして良いか

ここのところ麻生総理についてばかり取り上げてきたので、さて、民主党が政権を得たとしたら「小沢一郎」氏を内閣の首班に指名していいものかどうか、その点について考えてみた。

そんなところへ、産経新聞電子版『【FNN合同世論調査】頼みの「党首力」でも小沢氏逆転』という報道がされた。 記事によると、「どちらが首相にふさわしいか聞いたところ、麻生首相の31.5%に対し小沢氏が32.5%と、わずかな差とはいえ麻生首相を上回った」そうだ。 サンプル調査には誤差が付き物だが、世論は、「同格」と見られているらしい。 日経の調査でも、17%と並んでいると聞く。

081201【FNN合同世論調査】頼みの「党首力」でも小沢氏逆転.jpg
 【FNN合同世論調査】頼みの「党首力」でも小沢氏逆転(産経新聞より借用)


実を言うと、私は、小沢氏が「内閣総理大臣」職に向かないと考えている。 実際のところ、彼の政治信条や、どのような理想像を日本とい国家に求めるのかといったところが良く分からない。 まあ、故金丸信の書「立ち技寝技 : 私の履歴書」にもある『民主主義の基本は妥協である』という言葉を受け継いでいるからなのだろうか? 現実として、小沢氏の著書『日本改造計画』と現在の民主党政権の主張(マニフェストなど含む)は必ずしも一致しているとは言えない、と聞いている。 ちなみに、再版もされたらしいが、私は『日本改造計画』を読んでいない。

小沢氏に一国の首相としての致命的な「弱点」があるとすれば、自らも言っているが『私はいまだなお、不器用で口下手な●●気質のまま。それが今回の混乱の一因になったのではないか』という発言、所謂「言葉が足りない」ところだろう。 もちろん、計算があって口下手な振りをしていることは考えられる。 しかし、日本国民のリーダーたる内閣総理大臣に就くのであれば、国民に対して様々な説明を行い理解を得ることができなければ、政策は実行できない。 国民が理解できるように政策演説ができるのか、甚だ疑問である。 

総理になれば、単に国務大臣や官僚からの報告・相談案件の決済・支持指導していれば良い、とはいかない。 また、「記者会見はサービス」などという言動が許される今の「民主党代表」のような対応は、許されないだろう。 つまり、ご自身の言動によって、自らの政策に対して国民の支持を得なければならない。 反面教師となるのが麻生太郎氏だろう(苦笑)。

もうひとつ、小沢氏の健康面にも不安がある。 自ら「狭心症」を患っていると明かしているし、「食後すぐに仕事にとりかからないなど、医者の忠告を守っている」と体調管理を理由に衆議院本会議を欠席しているあり様。 総理に就任しても衆参各委員会・本会議での質疑に応じられない事態もありうるようでは困るのだ。

また、時事通信社の電子版『「小沢首相」で民主一本化無理』によると、平沼赳夫議員(衆議院・元経済産業相・郵政民営化での造反により自民党を離れる)は「民主党は寄り合い所帯なので、『小沢一郎首相』で一本にまとまるのか。」と疑問を呈し、保守勢力の結集を目指す考えを持っているようだ。

次期総選挙で民主党単独で3分の2の議席を占めることができれば問題はない。 しかし、現参議院では比較第一党であり過半数を得ていないことから、他の党(現野党)の協力は欠かせないのだ。


日本は議院内閣制であるから、議会が内閣の首班を指名することになっている。 だが、指名する首班は「党の代表・総裁」でなければならない、という法は無い。 もちろん憲法にも無い。 ここは、次期総選挙では、ネクストキャビネットの首班を「岡田克也」氏や「野田佳彦」氏など、有為の人材を登用してはどうかと思う。
(ちなみに、前原誠司氏は、いわゆる「永田氏(元衆議院銀)の堀江メール問題」での対応を見る限り、一国の宰相としての資質に欠けていると思う。 また、個人的にも彼の政治信条・思想には賛成できない。)

そもそも、安倍氏や福田氏のように内閣が立ち行かなくなっても、首班(総理)が党代表でないならば「内閣総辞職」だけで済み、自民党の「総裁選」のような『国民にとって大迷惑な政治空白』をつくらずに済む。 また、立法府としての「議会」と行政府としての「内閣」との分権・分業は現在よりはっきりし、実態として「官僚内閣制」化しているこれまでの政権より、遥かに国民のための行政を執り行える可能性は高いのではないかと考えている。 無論、首班指名された者が好き勝手に解散(つまりは党への造反)されても困るであろから、党規なりでしっかりとしたルールを決め瑕疵の無いよう図ることも大切なのだが。



※一部記述を修正しました。(12/6 15:30)

その他 国籍法改正案が可決しました→続きを読む
posted by 少彦梛 at 23:59| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月29日

麻生v.s小沢

先日28日の麻生総理と小沢民主党代表の党首討論は、時事通信社の電子版「党首対決、与党に落胆の声」によると『細田博之幹事長こそ「首相の圧勝」と記者団に強がったが、首相官邸サイドは「完敗だ」と認めざるを得なかった』という。

日本テレビの日テレNEWS24の電子版「党首討論、まるごと見せます!」で全編観ましたが・・・「わざわざ観た私がバカだった・・・」が正直な感想だ(苦笑)。

時事通信社の電子版に掲載された別の記事「小沢氏との違い示せた」では、麻生総理は『国民の皆さんにわたしと小沢代表の考え方の違いをはっきりできたと思っている』と述べたという。 しかし、結局、11月9日に茨城県の水戸市で、総理として初めて立った街頭演説で『生活者支援や中小企業金融に(資金が)回っていくような仕組みになっている。』と豪語したはずが、その為の予算と関連法案を先送りしてしまったのだ。 国民のひとりとしては、『国民のために』今国会に2次補正の提出を求め、また、それをしないのならば、衆議院を解散し、国民の信を問うよう求めた小沢氏の方に理があると思う。
(第一、事実上麻生政権は政治空白化しているのだから・・・(呆れ))


ところで、麻生総理は、2次補正を来年1月に国会提出しなくとも、先の1次補正で充分年内の「借り手(中小企業)への対応は可能だ」としている。 本当にそうだろうか?
(麻生総理は経済の実態を分かっているのだろうか? 私は…ワカラン・笑)

東京商工リサーチの「2008年(平成20年)10月度 全国企業倒産状況」によると、10月の中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年同月比13%増で今年最多の1,415件(全倒産件数1,429件)。 運転資金の欠乏(所謂貸し渋り、貸し剥がし)が原因で倒産したのは99件(前月は91件、2008年10月までの累計は818件)だという。 1次補正が成立したのは10月16日とはいえ、確実に増えている。 今月ももう終わるが、11月は更に増えているのではないだろうか? 年を越せない中小企業の倒産累々といった状況になるだろう。 更に、ほとんどの企業の決算期にあたる年度末の資金繰りを考えると、年内に2次補正を行わないと間に合わないだろう。 若しかして、麻生総理は、年度末までに多数の失業者が出ることを見越し、多くの国民が困窮している時に「下々の皆さん」(麻生氏が衆議院選挙に初めて立候補した際の第一声と言われている)に恩着せがましく『定額給付金』をばら撒く算段なのであろうか?

ちなみに、中小企業にその支持者が多いと言われる与党・公明党は、次期総選挙では票の獲得が難しくなることを覚悟しておいた方がいいのではないか・・・。 会社が倒産すれば、選挙どころではあるまい・・・。


今回の党首討論で、もう1つの議論(と言えるレベルではないが)されたことに、麻生総理が「金融機能強化法」の早期成立(参議院での議決)を小沢氏に求めたことだ。 小沢氏は「民主党も政府案とは別の主張がある。参議院での修正協議に自民党は全く応じようとしていない(要旨)」と応じた。 解散を狙う「政局」含みも無いとは言えないが、金融機能強化そのものに反対しているわけではないようだ。 現に、衆議院の財務金融委員会では金融機能強化法案の政府「原案」には反対しているが、「修正案」には賛成している。 ただ、「原案」においてどうしても相容れない部分があるから衆議院本会議では反対したに過ぎない。 参議院でも同じだ。

では、何に反対なのか。 単純に言えば、デタラメ融資で破綻しそうな金融機関、大和生保のように「バクチ」で大損害を出した銀行も救済可能な法案であるということがその理由だ。 しかも公的機関の系列銀行であれば特に許されまい。

例えば、デタラメ融資でつとに有名なのが、東京都が400億円もの都税を追加出資した新銀行東京だ。 追加出資した400億円も既に毀損してるのではないかとの噂もあり、また、元行員の逮捕者まで出した新銀行東京だが、参議院の財政金融委員会が参考人招致を求めた、石原都知事や副知事、所管の産業労働局長、金融管理室長など都側は全て出席拒否、新銀行東京の大塚取締役会議長(新銀行設立に係わった元都副知事)も出席拒否だ。 銀行の内情がバレると責任論が噴出しヤバイと判断したのではないかとの憶測も流れている。(※1)

また、バクチ経営ではないかと言われてるのが「農林中央金庫」だ。 もともと61兆円ともいわれる資産を有しながら、現在、損失を出した補填として、1兆円の増資を検討していると聞く。 農林中央金庫は農林漁業関係者への融資を行う政府系金融機関であったが、現在の融資残高は資産の6分の1の10兆円ほど。 半分以上は株や債権への投資で運用されているといわれ、そのうち25兆円は海外の有価証券だという。 しかも、昨年7月に米国のサブプライムローン問題が叫ばれて以降も「サブプライム関連債が安くなった」と買い進め、今年のベアー・スターンズ、さらに9月のリーマンショック後も「ここぞ」とばかり、リスクの高いサブプライム関連を始め、債権証券を買い増したと聞く。 まさに常軌を逸したバクチ買いではないか? しかも、農林中央金庫のトップは年収4000万円を越える、他に類を見ない報酬の天下り先だ。 農林中央金庫としての本来の使命を逸脱している感がある。

そんな金融機関に、かつて銀行に公的資金を注入した時と同じように、経営責任の有無を問わず、国民の税金を投入できる法案が果たして良いのか、というのが民主党の主張であろう。

衆議院の11月5日の財務金融委員会の議事録にもあるように、
<抜粋>
松野頼久委員

私は、民主党・無所属クラブを代表し、政府提出の金融機能の強化のための特別措置に関する法律及び金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の原案に対して反対、政府案に対する修正案に賛成する立場から討論を行います。

 まず、政府原案に反対する理由は、第一に、農林中央金庫を公的資金注入の対象としている点であります。農林中央金庫等農協系統金融機関は、農業者の育成を図ることを目的としているにもかかわらず、農業者から集めた預金を市場運用に集中させ、農業者への融資が極めて低い水準にあります。このように本来の設立の目的に大きく反する経営を行っている農林中金に公的資金を注入することは、その資金運用の失敗を国民の税金で救済することに等しく、地域の中小企業に対する金融円滑化という本法の目的から逸脱するものと言わざるを得ません。また、農林中央金庫等農協系統金融機関の政治的中立性が担保されていない点も極めて重大な問題であります。

 第二に、新銀行東京も本法に基づく公的資金注入の対象となり得る点であります。新銀行東京は、ずさんな経営により大きな損失を出しており、まさに乱脈融資の源と言っても過言ではありません。このような損失を国民の税金で穴埋めすることには断固反対するものであります。

<抜粋終わり>


故小渕元首相がそうであったように、民主党の案を丸呑みすれば(そこまでとは言わなくとも民主党案を充分取り入れれば)、民主党に反対する理由はない。 金融機能強化法案がなかなか成立に漕ぎ付けないのは、与党側にも大きな責任があるのだ。

※1 招致予定だった11月25日の委員会は流会となった



蛇足だが・・・
党首討論で、総選挙を経ず3人も総理大臣が代わったことを問われ、麻生総理の発言「我々は大統領制とは違う。少なくとも議会制民主主義に則っている。」は何かオカシクないか? 例えばアメリカは大統領制であるが、議会制民主主義の国でもある。 立法府としての「議会」と行政府としての「大統領」と各々独立しているだけだ。 基本的に行政府の大統領は、立法府としての「議会」の制定した法の下に権限を行使する執行官にすぎない。 まあ、米国の場合、法案に対しての拒否権や執行遅延権などが大統領に認められてるけれど。 議会制民主主義で成り立ってる日本は、「大統領制」ではなく「議院内閣制」なのだが・・・。

これまでの麻生総理の発言について、報道などを介してではあるが、麻生総理は本当に物事を理解しているのか、極めて疑わしいと感じるのは私だけだろうか? 

20日に開かれた政府の経済財政諮問会議の議事要旨でも、麻生総理は「全国知事会で、『中福祉・中負担はわかった。中福祉の定義を言ってくれ』と言われ、私は、ぐっと詰まりまして、『それは今から社会保障国民会議と与謝野議員のところで出すから』としか答えようがなかった。」と発言している。 11月9日の茨城県の水戸での街頭演説では、「米国みたいに低負担で低福祉にするか。北欧みたいに消費税がものすごく高くて福祉も高いのにするか。それとも中福祉・中負担にするのか、みんなで考えないといけない」と述べたが、麻生総理自身が『中福祉・中負担』とは何か分からずに叫んでいたことになる。 

そもそも、麻生総理の言う、「米国は『低負担・低福祉』」という発言も怪しいものだ。 確かに医療に対する国民皆保険制度は米国には無いが、例えば障害者福祉や生活保護政策、子育て支援など、その他の福祉は日本より遥かに高福祉なのではないだろうか? ただ、合衆国としてではなく、各州ごとに福祉を担っていると思われるので単純な比較は難しい。 私自身、確認したわけではないのだが・・・。 もちろん、NPOなどの非営利団体による福祉活動は米国の方が遥かに充実している。 しかも、麻生総理のような「金持ち」はそういった「福祉団体」への寄付や、また、自らも福祉活動に携わっている点も見逃せない。 それも、彼らには「富める者の当然の行為」として認識されている。 また、NPOへの寄付をした場合も所得税からの控除があるなど、税制面でも日本とは大きな違いがある。 


麻生総理の発言は、「イメージ先行・実態不明」なものが多く、一国の宰相として我々国民が行政を負託するには極めて危うい人物なのではないかとつくづく思う。 
posted by 少彦梛 at 21:58| Comment(0) | 経済・政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月23日

社会的常識の欠落?

今頃取り上げるのは遅いのだが、政府が19日に主催した全国知事会議において、麻生総理は「(医者は)最も社会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言した。 未だ、本会議の議事録が公開されていないが、共同通信の電子版『首相の医師をめぐる発言要旨』によると、地方の医師不足について、
「医者の確保をとの話だが、自分で病院を経営しているから言う訳じゃないけど、大変ですよ。はっきり言って、最も社会的常識がかなり欠落している人が多い。ものすごく価値判断が違うから。それはそれで、そういう方をどうするかという話を真剣にやらないと。全然違う、すごく違う。そういうことをよく分かった上で、これは大問題だ。」
と述べたという。 この発言以前の11月10日に、二階経済産業相が「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思う。忙しい、人が足りないというのは言い訳にすぎない」と発言し、各所から抗議の末、発言の撤回に到ったことを知らないのだろうか? まあ、麻生氏は新聞を読まないそうだから(笑)。


まず、麻生総理の言う「自分で病院を経営している」となんだろう? 恐らく、弟の麻生泰氏が経営している「株式会社麻生」の医療事業の1つ、麻生飯塚病院などの病院を指しているのだろう。 別に、麻生総理が経営してるのではない。 まあ、株主であるとは思うけど。 その「株式会社麻生」が、新しく病院事業に乗り出すのだが、これこそ「社会的常識の欠落」ではないのか? リンク先が無いので、以下に、日刊ゲンダイの記事を転載する。

「麻生病院建て替え計画に川口住民が大激怒」 日刊ゲンダイ2008年10月16日(15日発行)

麻生首相の実弟が経営する「麻生グループ」が埼玉県川口市で進めている病院建て替え計画に地元住民が大激怒だ。高さ100メートルのマンションの併設が発覚。「話が違う」となっているのだ。

 問題の舞台になっているのは、1959年に開業した「川口工業総合病院」。経営母体は、地元の鋳物・機械産業で構成する健保組合で、数年前から施設老朽化で建て替えを検討してきた。だが資金不足で自力再建を断念、新たな譲渡先を探していた。

「そこに突然、現れたのが、麻生首相の実弟・泰氏が経営する麻生グループ『株式会社麻生』でした。組合側は、渡りに船とばかり、この話に飛びついたのですが、その後明らかになった計画では、高さ30メートルの病院棟に隣接して高さ100メートルの高層マンション建設まで示されたのです。病院は必要ですが、高層マンションと一緒となると話は別。みんなカンカンです」(地元住民)

 一帯は「準工業地域・特別工業地域」で、市の基準で容積率が決まっている。今回の計画は明らかにこれをオーバーするが、麻生らは市に対し容積率などの変更を要望。市は受け入れる考えを示している。

「市は、公的負担がゼロで病院改築ができる――との理由で、建設計画をお膳立てしています。住民説明会も形だけで、説明に来るのはゼネコン担当者。しかし、近隣住民にとって、高さ100メートルのマンションが建つ圧迫感はハンパじゃない。わざわざルールを変える必要があるとは思えません」(前出の住民)

 こうした声に対し、川口市は「市の景観計画では高さ100メートルまでの建設物は認められていて問題ない」(都市計画課)と素っ気ない。一方の麻生は「(計画反対など)いろいろなご意見があるのは聞いているが、現時点でコメントは差し控えたい」とダンマリだ。

<以上転載終わり>

立ち行かなくなった病院の譲渡を受け、新たに経営を引き継ぐのは異論ない。 しかし、もともと市の基準で容積率が決まっているところを枉げてまで高層マンションを建設しようとするのは、社会的常識の欠落ではないのか? マンションを建てるな、とは言わない。 だが、既に定まっている容積率を超えた計画を立て、市ではなくゼネコン担当者がその説明を周辺住人にするのはオカシナ話なのではないか? しかも、都市計画の変更が決定する前に! そもそも都市計画の変更についての住民説明は、川口市役所にその責務があるはずだ。

また、その川口市役所も「川口工業総合病院地区都市計画の縦覧のお知らせ」にあるとおりで、一応「計画案」とは言ってるが、高度利用地区計画書の資料「川口都市計画高度利用地区の変更」を見ると、既に『川口市決定』と書いてある。 市には市の理由があるかもしれないが、明らかに周辺住民の意思を無視し、企業と役所の談合出来レースと・・・しか思えてならない。

これが「社会的常識」なのか? 大きな疑問が生じる。


さて、麻生総理の発言に話を戻そう。

全国知事会の席で
1.「(医者は)社会的常識がかなり欠落している人が多い。ものすごく価値観が違う」
と発言し、その夜のぶら下がり会見で、
2.「医者は友達にもいっぱいいるが、おれと波長が合わねえのが多い。そういう意味では全くない。まともなお医者さんが不快な思いをしたというのであれば申し訳ない。」(つまりは、麻生総理と波長が合わない人物は全て「社会的常識がかなり欠落」しているということか?)
と釈明。 翌20日、日本医師会が首相官邸に赴くと
3.「価値観が違うことを強調したかったが、まったく言葉の使い方が不適切だった。」
と陳謝し、撤回。 その日の夜、記者団に対し
4.「丁寧に真意を説明し理解をいただいた。」
会談内容を問われると
5.「発言の内容を私からあなたに説明する必要はない」
という。
このように、麻生総理の『真意』がどこにあったのか、国民への説明は皆無だ。 麻生総理が、医療の第一線で奮闘している誠意と義務感に溢れ、「社会的常識」の範疇外で頑張ってる医師達をどう思っているのか、感謝してるのかが国民にはちっとも分からない。

しかも、河村建夫官房長官は記者会見で「首相の旺盛なサービス精神が勇み足をしたのかなという思いもする」と擁護してるが、総理大臣は顧客を接待する営業の「太鼓持ち」ではない。 政府の活動に影響を与えかねないサービス精神をしない様諌めるのも官房長官の仕事ではないか。 それができないなら、さっさと辞任したらどうか。


もうひとつ、先にあげた共同通信の電子版にある、麻生総理の発言、
「小児科、婦人科(の医師不足)が猛烈に問題になっているが、これは急患が多いから。急患が多いところは皆、人が引く。点数が入らない。点数を変えたらいいんです。」
との発言だが、これも自称「自分で病院を経営している」麻生総理の事実誤認ではないか? 

急患、救急など時間を問わない医療現場から医師が引いていくのは、その過酷な職場環境にある。 彼らは、日中通常勤務をこなし、夜間の当直勤務を行い、翌日も日中勤務を行う。 36時間から40時間、ぶっ通しで仕事をするのだ。 医師不足もあって、月300時間勤務はざらのようだ。 つまり、一般の企業でいうと残業時間は月100時間をゆうに越える。 これが1年通して行われるのだから、明らかに労働基準法違反だろう。 しかも、時には医療過誤とされ、訴訟沙汰に成り、最悪の場合は刑事訴追すらありうる。

本来、夜間の勤務(当直)は「宿直勤務」扱いという。 労働基準法で用いられる「宿直、または、宿日直」は、
「夜間休日において、電話対応、火災予防などのための巡視、非常事態が発生した時の連絡などにあたることをさす。  医療機関において、労働基準法における宿日直勤務として許可される業務は、常態としてほとんど労働する必要がない業務のみであり、病室の定時巡回や少数の要注意患者の検脈、検温等の軽度または短時間の業務に限る。 夜間に十分な睡眠時間が確保されなければならない。  宿直勤務は、週1回、日直勤務は月1回を限度とすること。」(厚生労働省の通達)
私も、医師の当直は「夜勤」扱いと思っていた。 ところが、多くの、救急指定や産科医、小児科医は夜間の当直はこの「宿日直」扱いと聞く。 つまり、22〜翌9時の間は「宿直」なので「勤務時間」に含まれず「宿直手当て」が出てるだけ。 実際、法定賃金でいっても、夜間勤務と比べ「宿日直」扱いならその手当ては雲泥の差だ。 しかも、医師不足で周辺の病院は救急業務から撤退し、救急患者は特定の病院に集中することになるから「宿直」といいつつも医師には寝る暇などほとんど無いのが実状だろう。 しかも、週1回しか許されない「宿直」だが、自分の勤務(常勤)する病院だけなく、医師不足のため、他の病院からも「宿直」を頼まれるなど、週2回以上当直をしているのが実状のようだ。

これを自分の身になって考えて欲しい。 例えば、あなたがメーカー工場のラインの仕事に就いているとしよう。 9〜17時まで働き、残業をした後、「宿直」で夜を徹して働き、次の日も17時まで働く。 しかもこの生産ラインは100種類の型番の製品がランダムに流れて来る。 次にどの型番の製品が来るのか知らされていない。 あなたは、来た製品をひと目で見て、組み立てる部材を判断しなければならない。 その部材も似たような形状のものが幾つもあり、微妙に取り付け位置が違うなど、型番によって全て異なる。 その上、不良品は1個も出してはいけないのだ。 1つでも不良品がでれば、あなたには、不良品1個につき数千万円の単位で損害賠償が請求される。 週休2日でも宿直が週2回ある、そんな職場だ。 年収は1000万円ほどか。 あなた、そんな職業に就きますか? まあ、年収がもう少し多い勤務医もいるだろうが、これが、概ね、勤務医の実態だろう。

現在の我々国民の命は、病院経営者が労働基準法等の法律を無視し、遵守していないことを知りながら、患者の命を救うために過酷な勤務に耐え、なんとか完全な医療崩壊に至らないよう踏みとどまるという「ものすごく価値判断が違う」医師(勤務医)の頑張りに頼っているに過ぎない。 彼らも人間だ。 彼らが倒れたら我々の救命医療も終焉を迎える。 

閑話休題

診療報酬(=麻生総理の言う点数)を上げれば良いだけの話ではない。 以前の記事、「労働者としては扱われないのか?」でも述べたが、医師の労働環境を整備すると共に、出産育児などで一線を退いた女性医師の復帰を図る研修制度(医療は日進月歩であり、医師免許があるからといって即一線で働けるものではない)などの政策を行うなど、とにかく、早急に全国的に必要な医師を確保し、医師というリソース全体を増やす方策を採るべきだろ。 今更医大生の定員数を増やしても、一人前の医師として第一線で活躍できるのは10年以上後のことだ。 


ちなみに、「これだけ激しくなってくると、医師会もいろいろ、厚生省も、5年前に必ずこういうことになりますよと申し上げて、そのまま答えがこないままになっている。」といった麻生総理の発言は、全く意味がわからない。 医師会が医学生の定員削減を求めたのは1970年代と聞くし、その後の更なる医師数削減を推進したのは、小泉厚生相以降の自民党政権であり、なにより小泉元首相が実行したのではないか。 自民党総裁選では小泉氏に破れたとはいえ、当時の総裁選でも、麻生氏が医療崩壊の警鐘を鳴らしていたという記憶はない。

麻生総理は「医者は友達にもいっぱいいるが、おれと波長が合わねえのが多い」と言うが、それは『類は友を呼ぶ』(=麻生総理も社会的常識がかなり欠落している)のか、それとも、一般的な常識を有する医師と波長の合わない麻生総理が「社会的常識がかなり欠落している」のかのどちらかだろう。(単なるヒニクです・苦笑)

※一部記事の追加修正を行いました(11/24 15:35)
posted by 少彦梛 at 23:38| Comment(0) | 医療 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月16日

どうでもよい噺

毎週日曜日20時から放映されているNHKの大河ドラマ「篤姫」は、大河ドラマとしては近年にない視聴率を揚げていると聞く。 個人的には興味は無いが、その前の19:30からの動物系番組、そのまた前のNHKの19時のニュースからの続き、つまり惰性で観ていた。 私個人としては、何が「篤姫」の高視聴率に繋がったのかは良く分からない(つまり、ツマラナイ)。 ただ、堺雅人演じる第13代の『うつけ将軍』=「徳川家定」とその嫁の篤姫との掛け合い(?)の回(6月から7月中旬頃)は確かに興味深かった。 『うつけ将軍』に興味を惹きつけられた面もあるが、ある意味、家定役の堺雅人氏の演技にも惹きつけられたのかもしれない。 ちなみに、家定の生母、本寿院、高畑淳子さんもその演技力(コミカル的な面も・笑)にも個人的には拍手を送りたい。

さて、その「篤姫」であるが、薩摩藩藩主、島津家の分家(今泉島津家)から、時の最高権力者・将軍の奥方になったお方だ。 ドラマ的にも現在佳境にあり、最後は15代将軍慶喜の江戸城無血開城を含め、あとふた波乱くらいありそうだ(笑)。

ところで、この篤姫、後の「天璋院」様の波乱の人生、つまり徳川家の衰退に大きな影響を与え、篤姫を苦しめた人物のひとりに、原田泰造氏の演じる薩摩藩の「大久保利通」がいる。 ドラマでは慶喜が「長州成敗」を『朝廷成敗ですか↑』ととぼけ通し、慶喜を激怒させたあの人物だ(笑)。 ドラマでは、現在「大久保正助」と名乗っている。 この人、現内閣総理大臣、麻生太郎の高祖父(『フリー百科事典:ウィキペディア(Wikipedia)・麻生太郎』参照)なのである。 つまり現総理の爺さんの吉田茂のそのまた爺さんが大久保利通だ。(よって、貴族院から数えて麻生太郎氏は5世議員なのだ)

今、大河ドラマの「篤姫」に感情移入している視聴者(まあ主に主婦層だろう(笑))がこの事実を知ったらどうなるのだろう。 ドラマ「篤姫」の結末によって、現首相の支持率がどう影響するか・・・個人的には興味津々といったところである(笑)。 まあ、恐らく大久保利通と麻生総理の血縁を知らない人が大多数だろうから、実際の支持率に影響することは無いとは思うけどさぁ(苦笑)。

ちなみに、同じく『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、現在の在日米軍の大元となった旧日米安全保障条約を締結したのは当時の吉田茂総理である。 その後、条約は2度改定はされてはいるが、現在の団塊世代、安保闘争を行った世代は、その孫が今、総理大臣をしていることについてどう思っているのだろう? そのあたりにも興味のあるところである。

もちろん・・・血筋とその個人の能力や適正とは関係ないのですがね。続きを読む
posted by 少彦梛 at 22:18| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月14日

言いっ放しリーダーが不幸を招く

政府与党は、11月末までの今臨時国会の会期延長をしないようだ。 時事通信社の電子版「今国会延長せず」によると、新テロ特措法(インド洋上の給油活動)改正案が20日にも成立する見通しとなったこともあり、外交日程もあるが、目玉となるはずの「定額給付金」は批判が多く、2次補正案を審議するには時間が掛り会期の大幅延長が避けられないためだ。 まあ、各省庁はこれから来年度予算を編成に稼動(人員)がかかるから、財務省や総務省などは性質の悪い「定額給付金」の審議のための答弁作成に稼動を割かれずホッとしているだろう。 しかし、「政局より政策」「解散より景気対策」と叫んでいた麻生総理のあの発言は何だったのだ? 政策や対策を打ち出せばそれで終わりなのか? 実行に遷して始めて「政策」や「対策」であろう。 もう、完全に「言いっ放し政権」だ。 付け加えると、麻生総理が道路特定財源の一般財源化で「地方に1兆円を配分する」という言に対しても、「7000万円+3000万円で1兆円」なのか鳩山総務相の言う「7000万円+1兆円で1.7兆円」なのかでまた揉めてるらしい。 これも、麻生総理は言いっ放しで、どちらなのかを明言しない・・・。

「消えた年金問題」で「ヤルヤル」と言い続けて結局できなかった安倍晋三内閣と同じような体となってきたようだ。 最後には、「定額給付金はできませんでした」となりそうな感じである。 実際、多くの地方自治体は「年度内給付は無理」と言い始めている。 日本最多の115万世帯もある横浜市の中田市長は、絶対無理と言ってるようだ。 大阪日日新聞によると、大阪の橋下知事は「本当は(自治体への)交付金にしてくれたら良かった」と発言している。

ちなみに、新潟日報の電子版「給付金辞退分は市町村収入に」によると、総務省の事務次官は「仮に辞退があった場合、事務的に余分な手数が掛かるため、辞退分は各市町村の事務費に充当する考えだ」と発言したと報じている。 まあ、それは良い。 だが、本当に辞退する人は極々僅かだろう。 国税庁の資料によると、年収2000万円を超える納税者は全国で22万人と聞く。 仮に全員が64000円を辞退するとしても合計140億円余りだ。 それも全国で、だ。 事務費に、といっても市区町村数は1800を超えるのだからスズメの涙。 来年末や来年度末までの支給で良いならまだしも、今年度末までとなれば、焼け石に水でしょうね。 

ところで、先日ふと思ったのだが、この「定額給付金」を受け取った場合、個人所得として税金がかかるのか? 当初案の「定額減税」であれば税金の還付金などと同じ扱いにするなど、税制上問題ないと思うが、政府与党は「給付」と決めた。 所得税法では、一時所得等と同じ扱いなのか? 特別控除額は50万円だから普通のサラリーマンは関係なさそうだが、生保の一時金などがある人は、定額給付金受け取った場合に収める税金が増えることもあるのか? 国が給付するなら課税対象外とするのかもしれないが、「定額給付金」の法制化するにもやっかいな代物だ。 「定額給付金」の法律も国民への周知期間が短ければ、受け取るにしろ辞退するにしろ、後々物議をかもすかもしれない。 やはり、国民を混乱に陥れる性質の悪い愚策だと思う。

「定額給付金」は辞退せず、「ふるさと納税」として寄付した方がいいのかもしれない。


話しは違うが、公的資金注入先から新銀行東京を外す修正を求める民主党と、自民党は、石原都知事を参院財政金融委員会に参考人として出席を求めることに合意したようだ。 しかし、時事通信社の電子版「質問内容で出欠判断」によると、石原都知事は新銀行東京の提案責任は認めるものの、「その後は都も絡んだ銀行という組織の問題」と言い、参考人召致には銀行経営陣の召致が先との考えとのこと。 参院の委員会の質問内容によって、出る出ないを決めると言い放ってるようだ。 つまり、先に質問内容を見せろと言ってるのと同じであり、仮に提案責任についての質問であっても「聞かれたくない質問」があれば出席しないだろう。 証人喚問ではないから拒否はできるのだろうが、新銀行東京に追加で400億円もの都税を出資するための予算案を都議会で議論した時も全て「銀行経営陣の責任」で押し通したのだから今回の石原都知事の発言は驚きはしないが・・・。 この方も「言いっ放しリーダー」の典型だ。 確か、ガソリンの暫定税率が期限切れになった時も、「(このままなら)都独自で課税する」とか言いながら、後から「あれは思いつきだった」と撤回してましたよね。 石原都知事の政策は、単なる「思いつき」が多いのではないでしょうか? それを茶坊主の都庁幹部が実行する。 実際この方の発言を聞くにつれ、首長としての責任感がまったく無いのではないかと思えてくる。 石原氏を知事にした。 ほとんどの都民は、その為に多大な損害を受けていることに気付いてはいまい。 例えば、築地市場移転と跡地へのプレスセンタ建設を含む、オリンピック招致に係わる事業の税金で、相当数の都民が救急救命で命が救え、障害者福祉や待機児童の解消などの福祉事業の充実ができたはずなのだが・・・。
posted by 少彦梛 at 23:03| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月12日

定額給付金・地方自治体への提言

時事通信社の電子版『麻生首相は反論「地方分権だ」−定額給付金』によると、政府と与党で漸く方針のまとまった定額給付金の支給方法は、「所得制限の是非を市町村の裁量に委ねる「丸投げ」で決着した」ということだ。 結局、政治理念も哲学何も無い、財源枯渇の今年度予算なのに迷惑なだけのバラマキ政策だ。 もちろん、給付される国民としては、「貰えるものは貰っておこう」というだけのシロモノだろう。

この段階に至っても、財源も含め、「定額給付金」の法案の骨子すら明らかではないが、支給方式や所得制限については地方自治体に「丸投げといってよい」くらい、全てお任せのようだ。 麻生総理は、「市町村によっては、同じ所得で給付金を受けられる人とそうでない人が出るという不公平性」について記者団からただされ、「だって地方分権だからいいじゃないですか」と答えたそうだ。 各自治体は、かつての「地域振興券」のように、支給にあたってのコスト負担や年度末に向けて忙しい時期に新たな業務を押し付けられ、相当困惑しているようだ。

そこで、実際に支給業務に当たる各地方自治体に提案がある。

この、今回の「定額給付金」と同額を、全て単年度限りの市区町村法定外目的税として「地方人頭税」の条例を制定すれば良い。 もちろん、使途は自治体の福祉政策にのみ使用するなど、市民が公正に(等しくではない)に恩恵を与るように工夫することが肝要だ。

「定額給付金」の法案がどのような内容になるかは今のところ不透明だ。 例えば、8000円の加給分も、何月何日の時点の年齢で18歳以下、65歳以上を区切るのか、何年何月の住民登録になってる市町村が市民に支給するのかなど、未だ分からない部分が多すぎる。 ただし、法案が提出されれば直ぐに「地方人頭税」の条例案を検討し、「定額給付金」が立法化されれば直ちに地方議会を臨時召集し「地方人頭税」を可決する。 当然、これまでの地方自治体が条例案提出前に行っているのと同様に、事前に地方議員への根回しは欠かせない(苦笑)。

市民に対しては、当然「定額給付金」の支給通知は送ろう。 そしてその通知書に、同額の「地方人頭税」が課税されることも記載するのだ。 全ての市民が一旦受け取ったことにし、「地方人頭税」と相殺すると。 どうしても「定額給付金」を受け取りたい人はしょうがない。 それは法的に拒否できないだろうから、役所まで取りに来てもらう。 でも、その場で「地方人頭税」を徴収すればよかろう。 高額所得者だから「定額給付金」を辞退したいと言う市民には、「地域のためだから」と言って辞退を思いとどまって貰えれば、国に返金すべき給付辞退の「定額給付金」も地方自治体が有効に活用できる。 万々歳だ!

景気浮揚にほとんど貢献しない2兆円の税金を、各地方自治体で有効に使うことができるのだ。 しかも、地方自治体が負担する「振込み」や「職員の残業代」などの支給コストは最小に抑えられるのだから、市民も無駄な税金を浪費しなくて済むことに感謝し、賛成して当然だろう。(今回の給付金を心から楽しみにしていた市民にはお気の毒だが、別の形で自治体から同程度の恩恵があるだろう) なにしろ、日本政府において最も強大な権限を持つ「麻生総理大臣」が『地方分権だからいい』とお墨付きを与えてるのだから、日本政府もこの地方施策には反対はできまい(苦笑)。


この案を、本当に実施する地方自治体があったら、その首長と議会に拍手喝さいをお送りする。 <って、それだけかい(爆) 
posted by 少彦梛 at 23:28| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月11日

誰か、麻生総理に教えてやれよ(笑)

麻生総理は裸の王様か? 正しくレクチャーする者がいないのだろうな・・・。
朝日新聞の電子版、「村山談話をフシュウ?」によれば、麻生総理は「踏襲(とうしゅう)」という熟語を「ふしゅう」と読むらしい。 昨年の外務大臣の時もそう読んだらしい。 そういえば、9月の臨時国会の所信表明でも「ふしゅう」と言っていた。 まあ、踏む(ふむ)という字だから間違えるのは分からないでもないが、子供じゃないんだから、誰か彼の身近で教えてやるヤツはいないのか? 麻生総理は、新聞を読まないと公言してるし、この新聞記事も読んでないだろう。 それとも、教えても教えても憶えられないのか?(笑)。 マンガ雑誌と一緒で、漢字にはルビが要るのかな? 教えてくれる者が居なかったとすると、過去の国会で数え切れない程出てきた「とうしゅう」という言葉を、麻生総理はどんな意味だと思っていたのだろう。 謎だ。 ちなみに、今や・・・というか戦後ほとんど使われない「御璽」「御名」なんて言葉は知ってる(苦笑)。 現憲法ですら「天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。」と書かれててるだけなのにね。



さて、タイトルから話しは逸れるが、麻生総理の経済政策は本当に日本の経済回復に繋がるのだろうか。 本人は元経営者を自称し、経済通を気取っているようだが・・・。

先の日曜日、9日、水戸市に於いて麻生総理が就任後初めて街頭演説を行った。 読売新聞の電子版「就任後初の地方遊説」によると、
「生活者支援や中小企業金融に(資金が)回っていくような仕組みになっている。ぜひ内容を見てほしい」
「小負担で中福祉はできない。景気対策をして、経済のパイが大きくなったところで、介護、福祉、医療に使わせてもらうため、消費税を上げさせてほしい」
などとぶったそうだ。
時事通信社の電子版には、
「平均寿命が長くなったら、制度が同じで持つはずがない。米国みたいに低負担で低福祉にするか。北欧みたいに消費税がものすごく高くて福祉も高いのにするか。それとも中福祉・中負担にするのか、みんなで考えないといけない」
と発言したとも記してある。

まず、その「ぜひ内容を見てほしい」というその追加景気対策についてだが、以前当ブログ「低レベルの政策審議より、さっさと解散を」でも触れた、10月30日付けの『生活対策』を見ても、「中小企業金融に資金が回っていくような仕組みになっている」とはとても言いがたい。 中の「具体的施策」の「5.中小・小規模企業等支援対策」を見てもらえば、麻生総理が言ってることと中身が異なるのは分かるだろう。

主な内容は、1・政府系金融機関等による貸付枠拡大、信用保証協会による緊急保証枠の拡大、2・中小企業対策税制、人材確保などの補助金のばらまきだ。 1の「貸付枠拡大・保証枠の拡大」は既に今の臨時国会の補正予算で9兆円分が可決成立しているもので、更に21兆円追加するという。 そもそも、融資をしたからどうなるというものではあるまい。 仕事がなければ中小も結局立ち行かなくなるのだ。 それは、バブル崩壊後の銀行への資本注入に併せて行われた、前回の融資保証枠の拡大政策でも多くの企業が倒産したことで経験済みだ。 保証は無いよりマシという程度だろう。

ちなみに、今年から金融庁の検査官が銀行への監査を厳しくし、例えば毎月きちんと返済をしているので、銀行が「要注意先」としている中小企業でも、金融検査マニュアルを厳格に適用して「破綻懸念先」にするよう(つまりは貸し倒れの引当金を銀行に積みますよう)銀行を指導してきたと聞く。 銀行も金融庁の指導を拒否できようもなく、「破綻懸念先」に位置づけられた中小企業に対して「貸し渋り」「貸しはがし」をせざろう得ない。 

ところで、貸し渋り、貸しはがしをせざろう得なくなった、特に地銀だが、先週末までに9月決算報告をした90余りの銀行のうち25行が赤字(期末業績予想含む)。 69行が最終利益を下方修正だ。 赤字見込みが115億円と最も大きい某銀行は、貸し出し先がなく、仕組債(サブプライムローン債権などを組み合わせたもの)などの有価証券に利ざやを求めて、大きな損失を負ってしまった。 政府は金融機能強化法の改正案を急いでいるが、集めたお金を「バクチ債権」に突っ込んだ農林中金や、デタラメ融資が問題になってる新東京銀行にも、公的資金申請時には経営責任を問わないと政府与党は言ってる。 馬鹿げた話しだ。

どこに問題があったか、誰の責任か、その所在をはっきりさせなければ将来同じことを繰り返す。 米国では、元FRBのグリーンスパンが喚問され、一部といえど非を認めたではないか。 先のバブル後の公的資金注入時も経営責任を問わなかったツケが、今回また出てるのだ。 そもそも、米国の金融危機に対し、麻生総理は「日本のバブル崩壊後の教訓を生かす(要旨)」と息巻いてるが、だいたい、日本の公的資金注入や債権回収機構の「良かった点「悪かった(失敗した)点」が総括され、利点・欠点が整理されていなければ、国際社会は日本と同じ過ちを犯してしまう。(もっとも、主要な諸外国は、独自に当時の日本の政策の分析は終わり、より良い対策案を練っていてるだろう。 次回のG20での日本の発言などはどの国も相手にすまい。 各国の関心は、日本がどれだけ自国の国債を購入してくれるかであり、いわば金ヅルだ。)

中小の企業は、昨年、米国のサブプライムローン問題に発展した「住宅バブル」が弾けたことを発端に米国需要(輸出)が落ち込み、その影響で下請けの仕事がしだいに減ってきて、既に疲弊していた。 その分を低賃金の派遣労働者を使い、人件費を抑えることで企業としては何とか経営を維持してきたのだ。 「いざなぎ景気越え」などと政府や日銀の『大本営発表』の裏で、日本の経済は確実に蝕まれていたのだ。 当ブログでも『今日のは・・・支離滅裂だな(2/10)』で政府の経済対策の無為無策振りを取り上げたとおりだ。 その上で、今年から始まった貸し渋り、貸しはがしで、中小は踏んだり蹴ったりだ。 年末の支払いの資金繰りがつかず、倒産件数は更に増えるのではなだろうか。

そこに、鉄を始め原材料費や原油の高騰、また、発注会社からの値下げ圧力もあって、いよいよ中小はやっていけない状況だ。 米国の不況は更に進み、外需頼みの日本経済は益々疲弊する。 そもそも、9月15日にリーマン・ブラザーズが日本の民事再生法に相当する連邦破産法11章の適用を裁判所に申請し、米連邦準備理事会(FRB)が17日に保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)へ公的資金注入を注入することが判っていたのだから、先日可決した補正予算で最初から「貸付枠拡大・保証枠の拡大」を30兆円とすべきだった。 また、今回の21兆円増額の手当ての2次補正・関連法案も、いつ国会に出せるのか、その見込みすらたっていない、いわば空手形だ。


もうひとつの「生活者支援」の『定額給付金』は迷走の末やっと与党案としてまとまった。 所得制限はせず全ての世帯に給付し、高額所得者には自ら進んで辞退して欲しいと政府は言う。 これではもう「政策」ではない。 完全なバラマキだ。 しかも、選挙での票目当ての。 そもそも、福田前総理の時から、「定額減税」というバラマキを与党・公明党が言い出したものだろう。 自民党が愚にも付かない総裁選というお祭騒ぎをしてる間に、与党たる公明党がきちんと提案を纏めていればこんなにも迷走はしなかったはずだ。 「定額減税(給付)」というバラマキをアピールさえすれば、総選挙に突入して票を取れると踏んだのではないか? これまでの迷走は、公明党が、端から真面目に取組んでこなかった証ではないか。 そして、野党が多数を占める参議院で、関連法案が素直に通るとは思えない。


そもそも、経済の落ち込みで税収が5兆円は落ち込みと言われているのに、今回の『生活対策』で5兆円、併せて10兆円をどこから捻出するのか。 これまで政府がナイナイといい続けて来た埋蔵金(特別会計)からか? しかし、当てにしていると言われる、「財政投融資特別会計の金利変動準備金」の20兆円は為替が1ドル=99円で既にパーだと聞くし、もうひとつの柱と言われる「労働保険特別会計の積立金」も、今後の不況で失業者が増加することを考えれば、安易に取り崩して他に使うのは如何なものかと思う。

麻生総理が胸を張って言う「内容」や「仕組み」とは、その程度の愚策なのである。


また、「景気が良くなったなところで、介護、福祉、医療に使うため、消費税を増税」というが、逆ではないか。 消費税増税の是非や、税制のあり方についてはひとまず横に置いておく。 しかし、介護、福祉、医療といった産業、また、1次産業などを発展させることこそ、景気浮上のきっかけになるのではないか。 主に外需頼みの2次産業は、今後の世界不況の中においては、一部の特殊な技術を持つ企業を除けばなかなか経営は改善すまい。 世界的不況は当面、少なくとも5年は続くだろう。 アメリカの経済も底を打つのは2011年以降という経済評論家もいる。

国による福祉レベルはどうあるべきか、国民として議論するのは必要ではある。 ただ、現在の「障害者自立支援法」のように、自立可能な人も、重度の障害を持ち自立が不可能な人も、全て一緒くたに扱う(一律1割負担)のは問題大有りだ。 何らかのレベル毎に受けられる福祉のレベルを変える必要はあるだろう。

閑話休題

本来の転換期はとっくに過ぎてはいるが、今、日本は内需拡大に大きく政策を転換せねば近々に立ち行かなくなる。 そして、土建国家よろしくハコモノ・道路などのハード建設による内需刺激策は限界にきている。 金融立国もアイスランドの例を見るまでもまく、破綻してしまった。 残るは、今すぐにでもソフトへの傾斜生産方式を取るべきだろう。 ソフトとは人材そのものである。 その意味で、人・物・金のリソースが全く足りない「介護」「福祉」「医療」にこそ重点的に税金を投入していくべきではないだろうか。 できれば、海外からも「日本の医療を受けたい」と来日してくるように。 また、農業など1次産業も重要である。 地産地消、商品価値の高い作物の輸出などの促進など。 他には、新規参入を阻む「農地法」などの改正により農業参入の規制緩和も雇用対策、地域経済の活性化に繋がる近道だと考える。


追記:地銀の赤字、金融機能強化法の改正のくだりを追記しました(11/12 3:10)
posted by 少彦梛 at 22:01| Comment(2) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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